【NEC e-Trend Conference 2007 Vol.2】NGNの次にくる「脱情報化社会」
現在、NTTがNGNフィールドトライアルのショールーム「NOTE」を開設しているが、青山氏は「NOTEで紹介されているサービスを見ると、正直、私がNTTに在籍していた10年前とさほど変わらない」との印象を受けたという。
キャリアがNGNを成功に導くための条件は多い。例えば、NGNによる新サービスで電話収入減少を補完できるか、障害に対応できる保守・運用体制を構築できるか、現在の携帯ネットワークの高いセキュリティをIP化しても保持できるか、そして、FMCによる携帯収益減少を新サービスで補完できるか、などである。日本は、特に世界と比較しても、自宅でも携帯電話を使用する傾向が高いことから、FMCによる携帯収益減は大きいと見られる。
したがって、NGNの成功には魅力的な新サービスが必要であるが、それを開発するのはキャリアではなく、ユーザー・プロバイダー・コンテンツホルダーである。そのためにはNGNが、透明性とセキュリティというトレードオフ関係にある課題をクリアできるかにかかっていると青山氏は語り、よりよいサービス登場のためには、マイクロソフトのCSF(Connected Services Frame work)のようなSDP(Service Delivery Platform)の存在が必要となる。
■NGNの先に到来する「NWGN」
欧米を中心に、NGNの先に到来する「新世代ネットワーク」構築に向けた大きな研究プロジェクトがスタートしつつある。次世代と新世代は、それぞれを区別するために、前者は「NXGN」、後者は「NWGN」と呼ばれている。NWGNは、2015〜2020年の社会要請を満たすとともに、超大容量のコンテンツから、膨大な数量のセンサーや電子タグから発する極小容量のデータまでに対応した「スケールフリー」なネットワークを目標としている。
米国では「GENI(Global Environment for Network Innovations)プロジェクト」「FIND(Future Inernet Design)プロジェクト」がスタートした。現在のインターネットには多くの問題があり、今こそ再び米国がインターネットを再発明する時であるととらえ、「Clean Slate」(白紙の状態)で研究を開始している。今までの“しがらみ”をなくしていったんインターネットを忘れ、10年後の理想的なネットワークをゼロから考えてみようという試みである。欧州も、莫大な資金を投入して今年から「EU Funding Project」を始動、日本も欧米の動きに対応する研究プロジェクトが必要として、NICT(情報通信研究機構)による「AKARIプロジェクト」をスタート、NWGNに向けた取り組みが進んでいる。
■NGNからNWGNへ、そしてそれは脱情報化社会へ
1969年、フランスのアラン・トゥーレーヌは『脱工業化の社会』を、日本の林雄二郎は『情報化社会』をそれぞれ発表した。しかもこの1969年は、偶然にもARPANETがスタートした年でもあった。
その後、1998年にGoogle、2004年にWeb2.0が登場し、2010年にはNGNが、そして2020年には、NWGNによっていよいよユビキタス情報社会が到来する。このユビキタス情報社会を情報化社会の頂点ととらえ、青山氏は「我々は“脱情報化社会”への入口にそろそろ到達すると言ってもいいのではないか」と語る。
そして脱情報化社会について青山氏は、「2020年のユビキタス情報社会は、知能を持ったロボットがいたるところに存在する社会、つまり“知能化社会”へ向かうのではないか」と講演を結んだ。
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