本実証では、貿易取引に係る資金決済でのステーブルコインの活用について、実務上の論点を検証するとともに、今後の貿易実務におけるオンチェーン化の進展を見据え、決済を含む貿易実務の更なる効率化や高度化の実現に向けた取組を検討します。
【本実証実験の背景と目的】
貿易取引では現状、信用状(L/C)注1や船荷証券(B/L)注2など、多岐にわたる紙の書類が物理的にやり取りされており、アナログな事務作業(書類の郵送や手作業による照合等)に多大な時間とコストがかかっています。
今回の実証実験は、貿易デジタルプラットフォーム「TradeWaltz(R)」とステーブルコイン基盤との連動により、決済迅速化及び事務合理化の実現可能性を検証し、輸出企業及び銀行における利便性向上に資することを確認します。
【本実証実験の概要】
本実証実験では、貿易取引における資金決済を対象に、「TradeWaltz(R)」とステーブルコインプラットフォームを連携させます。「TradeWaltz(R)」上の輸出債権の買取承認プロセスを起点として、ステーブルコインを用いた決済処理を実行する仕組みにおいて、技術面及び法令面の論点を検証します。具体的には、輸出企業が貨物の内容や船積み等を示す輸出書類を「TradeWaltz(R)」上で銀行に提出し、銀行が輸出債権の買取を承認した情報を起点として、ステーブルコインによる決済を実行する流れを想定しています。
貿易取引全体では複数の資金決済を伴いますが、本実証実験では、まず、輸出企業と銀行の間で想定される輸出債権の買取及び資金決済を対象とします。その際に用いるステーブルコインは、本実証に参加する金融機関が共同で検討するステーブルコインの活用を想定します。ステーブルコイン基盤との連動による決済の高度化や取引フローの最適化などに向けた検討も進めます。
本取組が将来的に輸入銀行・輸入者まで延伸され、実用化された場合、輸出企業においては、資金受領までのリードタイムの短縮が期待されます。これにより、輸出代金の早期回収を通じた資金効率の向上が見込まれます。また、銀行においては、書類照合後の決済指図や入金確認、着金通知などの業務をデータ連携により効率的に処理できる可能性があり、事務負担の軽減及び業務効率化への効果が期待されます。

図:本実証のスコープイメージ
【各社の役割】
本実証における各社の主な役割は以下の通りです。

【今後について】
本実証実験における輸出取引に係る検証を起点として、今後、電子船荷証券(eB/L)を含む貿易関係書類のやり取りとステーブルコインとの連動や、スマートコントラクトを活用したエスクローサービス注3など、今後の貿易実務におけるオンチェーン化の進展を見据えた、決済を含む貿易実務の更なる効率化や高度化につなげていきます。
【注釈】
注1:信用状(L/C)とは、輸入者の依頼を受けた銀行が、所定の条件に合致する書類の呈示を条件に輸出者への代金支払を約束する書状であり、輸出者の代金回収リスクと輸入者の商品未着リスクを回避するものです。
注2:船荷証券(B/L)とは、運送人が貨物を受け取ったことや船積みしたことを証明する書類です。また、運送契約の内容を示すとともに、貨物の引渡しを請求する権利を表す証券として、貿易取引や決済に利用されます。
注3:スマートコントラクトを活用したエスクローサービスとは、買い手から預託された代金を第三者が管理し、あらかじめ定めた取引条件が満たされたことを確認した場合に、スマートコントラクトにより代金の支払いや返金を自動的に行うサービスです。
※「TradeWaltz(R)」は日本国内における株式会社トレードワルツの登録商標です。
※その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
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