本格的多死社会を迎える日本で、"死"と"生"を見つめ直すイベント「Deathフェス2026」(主催:一般社団法人デスフェス)が、2026年4月11日(土)~16日(木)の6日間、東京・渋谷ヒカリエにて開催されました。
3年目を迎えた今回は、死をポップに、そして真剣に語り合う文化の社会実装を目指した開催となりました。会場には10代の学生からシニア層、さらには外国人の方々まで、世代や国籍を問わず多様な人々が来場。昨年の来場者を800名以上上回る、延べ5,040名(オンライン含む)が参加し、メディア取材数も27社へ倍増するなど、社会的な関心の高まりを見せた6日間となりました。


「五感でひらく「生と死」」の体験。オリジナルプロダクトの開発
今年のDeathフェスは、視覚や聴覚だけでなく、触覚や味覚、嗅覚など五感を通しても「死」を体験できる企画が揃いました。その中で、以下のオリジナルプロダクトの開発・お披露目が行われました。- 読む・触れる(アカデミックジャーナル『414!(よいし!)』創刊): 死生学や終末期医療・葬送文化など多領域の研究者による専門的な知見をまとめた冊子を創刊。
- 味わう・対話する(「ひとくち死生観クッキーDeath!」): ひとくちで自分の死生観に向き合い、対話のきっかけとなるオリジナルクッキー。
- 感じる・聴く(死生観を育むウェルネスボックス「AWAI(あわい)」): 生と死のあいだを感じる、没入型の空間。音と香りの誘導で、自分の内側に深く潜ることができる。

研究論文や寄稿を含む全96ページ、運営メンバーの手作りによる論文集「414!(よいし!)」

「ひとくち死生観クッキーDeath!」を使った対話会も開催した

「AWAI」将来的にはどんな喧騒の中でも自分を取り戻すことができる空間として、駅などへの設置を目指している
「死」を表現し、探求するプログラムの広がり
3回目となる今回は、これまで以上に多様なプログラムが展開されました。名もなき人々が自らの死生観を語るピッチイベント「Death-1グランプリ」や、最期の装いを提案する「DeathWEARコンテスト」など、エンターテインメントやファッションの視点を取り入れた企画も実施され、参加者が「死」に触れる入り口を広げました。
また、トークセッションでは「AI×死」や「若者の死生観」といった、社会が今まさに直面しているトピックを深掘り。登壇者と参加者の間で熱量の高い議論が交わされました。

「Death-1グランプリ」出場者と審査員の皆さま

カップルや友達、親子での入棺体験が出来る「夫婦棺」

スペシャルデー企画として開催した「仏教から“生と死”を感じる一日(仏教デー)」では、 僧侶ファッションショーを開催

満席だった20代若者による死生観トークセッション「青春×死」
数字が示す変化──“口コミで広がる死の対話”
今回の開催では、以下のような成果が見られました。- 来場者数:延べ5.040名(2025年:4,200名から800名以上増)
- プログラム数:90(2025年:68から22増)
- メディア取材数:27社(2025年:14社からほぼ倍増)
- 登壇者数:103名
- 出展事業者数:46社(※主催企画を除く)
特筆すべきは、参加のきっかけの56%が「知人からの紹介」だった点です。
人から人へと伝わるかたちで「死を語る場」が広がっていることは、本フェスが“共感を媒介としたムーブメント”へと変化しつつあることを示しています。
参加者の声
今年はZ世代の学生から社会人、40~50代、そしてシニア層まで、職業や性別を問わず多様な方々が来場されました。会場で見られた世代を超えた対話の様子は、本フェスが普遍的な価値を持ち始めていることを示しています。・「色々なブースがあって面白かったし、死について考えることは普段中々しないし避けてしまうけれど、気軽に参加できたのがよかったです」(20代・女性・学生)
・「初めて来ましたが、考えるきっかけになりました。納棺体験が新鮮でしたし、明るい雰囲気で皆さんの人柄を知れました」(20代・男性・会社員)
・「展示も新鮮かつ体験型のものがあり、現地参加する価値をとても感じました。名前こそDeathフェスですが、死に向き合うことでむしろとても前向きな気持ちになれ、読後感はフレッシュでした」(30代・男性・会社員)
・「棺桶に入る時に『お疲れ様でした』と言われて涙が出た。本番も気持ちよくあの世に行けそうだと思えた。生きてる今をよりよいものにしたいと思いました」(40代・女性・専業主婦)
・「私もケアマネとして人の死に関わる仕事をしております。同じ関心を持っている人たちの場に参加できて、ひとりではないと感じることができました」(50代・女性・自営業)
・「『多死社会日本』のリアルを聞いて、元気な今こそ人のつながりを大切にすること、と意識してつながりを作っていこうと決めました。学びが多かったです」(70代・男性・専門職)
今後の展望
「特異点」となった渋谷から、日常、地域、そして世界へ3年目の開催を終え、Deathフェスは一つの大きな転換点を迎えました。今後は渋谷での開催を、死生観のアップデートが加速する「特異点」と位置づけ、今後はここでの熱量を一過性のものにせず、日常に近い場や日本各地、そして世界へと広げていくフェーズへと移行していきます。
国内では札幌や大分でのポップアップや地域間連携を検討しているほか、11月にはニューヨークでのイベント開催、そのほかインドでのリトリートや、国際都市で開催される死や多死社会に向き合うイベントの視察ツアーも計画。日本の精神性や独自の死生観、そして世界に先駆けて多死社会を迎えている日本の動向への注目を受け、これからは「文化的な発信と交流」の観点からも、国境を越えた新たな連帯を築く段階に入っています。
また、DeathエデュケーションやDeathリテラシーを高めるためのプログラムの体系化、さらには死にまつわる政策や制度への提案も視野に入れ、活動を社会実装の段階へと引き上げていきます。今回創刊したジャーナル『414!(よいし!)』や、死生観を育むウェルネスボックス 「AWAI」、五感で味わう「ひとくち死生観クッキーDeath!」といったプロダクトを通じ、学術・体験・感性の多角的なアプローチで、死生観をより身近な文化へと定着させていきます。
主催者コメント

共同代表 市川望美(左)、小野梨奈(右)
2024年から「想いと勢い」で始まったDeathフェスですが、少しずつですが確実に広がってきているという手ごたえを感じています。「来年は出展したい」「連携を検討したい」といった声からは、「物珍しいイベント」から「具体的な成果・価値が想像できる場」になりつつあるということが考えられますし、TV番組をご覧になってすぐに会場に足を運ばれ、「あれがやりたい」「これが欲しい」と行動できるシニアの方々のパワーや、死をきっかけに生をとらえようとする若者たちの姿からは、死をタブー視するのではなく、自然に訪れるものとしてとらえ、そのプロセスに前向きに取り組む方が、確実に増えてきていると実感しています。
また、「死をきっかけにつながる場」「コミュニティとしてのDaethフェス」への関心の高まりは、死が遠ざかった現代日本の日常の中に、死をどう再接続していけるかを考える大きなヒントになりえるのではないでしょうか。事務局やカツギテ(プロボノ)、ボランティアを中心としたあり方を大切にしながら、さらなる広がりを見据えた「新たな共創の形」へと移行する可能性を感じます。多様なパートナーと共に「生も死もウェルビーイングな社会」をデザインしていきたいと思います。これからのデスフェスにもご注目ください。
共同代表 市川望美 小野梨奈

一般社団法人デスフェスについて2023年4月、NPO法人ETIC.の越境プログラム「Beyonders」に参加しアイデアを発表。8月よりSHIBUYA QWSのプロジェクト「Deathフェス実行委員会」として活動開始。毎年4月14日を「よい死の日」として、タブー視されがちな「死」というテーマに出会いなおし、生と死のウェルビーイングについて考えるイベント「Deathフェス」を提案。様々な人の協力を得ながら2024年4月より渋谷ヒカリエで開催。年間を通して、死や死生観に関する対話の場づくりや、社会課題解決のためのオープンイノベーションの場「リビングラボ from Death(Deathラボ)」などを展開している。
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