リサーチとプランニングを手掛けるQO株式会社(代表取締役社長:恒藤優/本社:東京都中央区、以下「QO」)は、2025年8月7日に生活者見立て通信の第11回「脳ぐされ時代に広まる“アナログ手応え体験”という処方箋」を公開しました。

生活者見立て通信は、主にマーケティングの戦略立案に関わる方々を対象に、世の中のトレンドや生活者インサイトを、QOのプランナー独自の「見立て」で解説し、マーケティング活動のヒントを提供するレポートです。
資料は以下URLからご覧いただけます。
●生活者見立て通信#011「脳ぐされ時代に広まる“アナログ手応え体験”という処方箋」(PDF)
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【概要】生活者見立て通信#011「脳ぐされ時代に広まる“アナログ手応え体験”という処方箋」
■着目した生活者動向:“脳ぐされ”の拡大で、メンタル的な不調を抱えやすい土壌が形成
今回の生活者見立て通信は「脳ぐされ」という生活者動向に注目しました。
脳ぐされ(“Brain Rot”)とは、何時間もネットサーフィンを続け膨大な量の情報に触れることで精神的・知的に衰退した状態を指し、2024年にはイギリスのオックスフォード大学出版が公表する流行語に選ばれています。全米に展開する若年成人向けのメンタルヘルス治療センター「NEWPORT INSTITUTE」の発表においても、「何時間もネットサーフィンやスクロールをすると、膨大な量の無意味なデータ、ネガティブなニュース、そして友人や有名人の完璧に加工された写真に接し、自分の無力感に苛まれます。膨大な量のコンテンツを吸収し、対処しようとすると、精神的な疲労が生じます。そして、特に若い人においては、モチベーション、集中力、生産性、そして活力の低下につながる可能性があります。」とあるように、若年層への脳ぐされの影響について指摘しています。インターネットやSNSの進化で情報過多の社会となっており、生活者の脳は常に過稼働状態にあり、メンタル的な不調を抱えやすい土壌が形成されています。(*1)
QOで実施した検証調査(*2)でも、「見聞きする情報量がここ数年でとても増えたと思う」への共感度は72.6%、「消化すべき情報やコンテンツの量が多く、メンタル的な疲れを感じることがある」への共感度は57.3%と、動向を裏付けられる結果となりました。

■QOプランナーの見立て:“脳ぐされ”時代の脳に偏った過剰な情報刺激を、身体に逃がす“アナログ手応え体験”という処方箋
QOプランナーは、これらの生活者動向を踏まえ、裏側にあるインサイトを読み取り、下記のように見立てています。

これは、効率を優先する暮らしの中で膨大な情報にさらされ、“脳ぐされ”状態に陥る現代人にとって、あえて時間をかけたアナログ体験への没頭が、脳の過剰刺激を和らげる手がかりとして生活者から求められているという見立てです。
昨今の「編み物ブーム(*3)」においても、編み物に没頭することで、「デジタルデトックスにもなる」に加え、「仕上がった時の満足感がある」などの意見もあがっており、自己肯定感の向上や精神的な安定にも繋がっているようです。(*4)
この見立てについて、検証調査では、63.9%の共感度を得ることができました。また、“脳ぐされ”の体感や、それをゆるめる夢中になるものを探したいという声も見られました。

■QOプランナーのコメント
今回担当した岩城氏、土師氏、黒川氏は、今回の生活者動向や裏側のインサイト、見立てについて以下のようにコメントしました。
「効率と生産性を最優先する社会において、私たちの脳は常にフル稼働し「早く・多く・ムダなく」こなすことで、膨大な情報やタスクに追われる「脳の過稼働」状態に陥っています。絶え間ない情報の流入によって集中力や創造力が奪われる「脳ぐされ」も指摘されています。
そんな時代に、「編み物ブーム」や「お家抹茶習慣(*5)」など、あえて時間をかける「身体性のあるアナログ体験」への没頭が注目されているのは、非常に興味深い現象です。これは単に「楽しいから」「癒されたいから」「デジタルデトックスしたいから」というだけでなく、「アナログ手応え体験」が、過剰な情報刺激によって疲弊した脳を優しくほどく「処方箋」のような役割を果たしているからではないでしょうか。無意識のうちに生活者が、脳と身体の情報刺激バランスを整えたいと願っている表れだと考えられます。」
生活者見立て通信の詳細は、以下URLよりご覧いただけます。
●生活者見立て通信#011「脳ぐされ時代に広まる“アナログ手応え体験”という処方箋」(PDF)
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*1 出典:リンクタイズ株式会社・Forbes JAPAN、2024年『オックスフォードが選ぶ2024年の言葉「脳の腐敗(ブレインロット)」』
出典:NEWPORT INSTITUTE,2024,“Brain Rot: The Impact on Young Adult Mental Health”
*2 検証調査概要
調査対象者:全国の15-69歳 ※中学生以下は除く
回答者数 :1,236人
割付方法 :性年代別に均等回収
調査方法 :インターネットリサーチ
調査期間 :2025年7月16日(水)~17日(木)
調査企画 :QO株式会社
調査委託先:株式会社マクロミル
*3 編み物ブーム:韓国のアイドルグループメンバーが火付け役となり、今ではトレンド感のある趣味として話題に。
*4 出典:株式会社東洋経済新報社、東洋経済ONLINE、2025年「令和での「編み物ブーム」なぜ人気が続くのか 《ルセラフィムのSAKURAが火付け役》 平成の編み物ブームとの違いは?」
*5 お家抹茶習慣:茶筅で泡立てたりする過程が「自分を整えるルーティン」として注目。(出典:株式会社集英社・Marisol、2021年「【贅沢ひとり時間】自宅で抹茶を楽しむ」)
【ご参考】公式noteで「生活者見立て通信 編集部こぼれ話」を発信中
QO公式noteでは、生活者見立て通信の執筆にあたってのこぼれ話をご紹介しています。QOのプランナーがめぐらせた思考過程や苦労したこと、「見立て」をつくるコツなどざっくばらんにお届けしています。あわせてご覧いただけましたら幸いです。
https://note.com/qo__note/n/n75fc273463d2
【ご参考】サイト「MITATE Insight Lens」内でもご紹介中
生活者見立て通信を活用いただきやすくするために「MITATE Insight Lens」(通称:MIL(ミル))をオープンしています。これまでのテーマも含め、QOプランナー独自の「見立て」をレポート形式で解説した見立て通信のアーカイブなどを掲載しています。ぜひご覧ください。
https://mitate.insight.lens.q4one.co.jp/

【担当者】岩城 亮(Ryo Iwaki)、土師 ゆきの(Yukino Haze)、黒川 正昭(Masaaki Kurokawa)
QO株式会社 マーケティングプランナー
岩城 亮
2019 年マクロミル入社し、2020 年からHMM(現QO)出向。
その後、リサーチャーからプランナーに職種変更し、博報堂のPixelチーム常駐。
QO株式会社 マーケティングプランナー
土師 ゆきの
マーケティング会社を経て、現職。生活者インサイトの見立てやトレンド、市場リサーチを強みに様々な業界のマーケティング活動を支援。
QO株式会社 アカウントマネージャー
黒川 正昭
QOの前身であるTSRから数えて数十年、外食企業や小売業様を主に担当し、パートナーとしてクライアントの様々なビジネス課題、マーケティング課題を支援。
【QO株式会社 会社概要】
QO 株式会社は、人と社会のために問いを探究する、リサーチとプランニングの会社です。
博報堂のストラテジックプラニングの知見と、マクロミルのデータアセットおよびリサーチケーパビリティを掛け合わせたJV 企業として、マーケティング機会の発見、戦略策定、コンセプト開発、施策実行のPDCA まで一連のマーケティング活動に伴走します。
代表取締役社長:恒藤優
本社:東京都中央区京橋2-7-19 京橋イーストビル9F
設立:1965年6月
事業内容:リサーチソリューション事業、マーケティングプランニング事業
URL :https://www.q4one.co.jp/
【本件に関するお問い合わせ先】
QO株式会社 広報室
MAIL:corporate.info@q4one.co.jp
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