
本エッジ生成AI BOX(以下、「本AI-BOX」)は、Ambarella社のAIビジョンプロセッサ「CV72」を搭載した「Cooper Mini」をベースに構築されています。CV72は先進の5nmプロセス技術を採用し、第3世代のCVflow(R)アーキテクチャを搭載。CVflow(R)は畳み込みニューラルネットワーク(CNN)やディープニューラルネットワーク(DNN)処理だけでなく、生成AIに不可欠なTransformerニューラルネットワーク向けのアクセラレータも内蔵しています。AI処理の高いパフォーマンスを発揮しながらも低消費電力を実現します。

Ambarella社製 Cooper Mini
本AI-BOXは、LLM(Large Language Model)をエッジで動作させることが可能で、「CLIP」や「Bunny」といったVLMを利用することができます。CLIP(Contrastive Language-Image Pre-Training)は、画像とテキストのペアデータを用いて学習されたニューラルネットワークで、特定のタスクに最適化することなく、画像に関連する自然言語を高精度で予測するゼロショット性能が特徴です。一方、Bunnyは、軽量でありながら高い性能を発揮するマルチモーダルモデルとして、BAAI-DCAIによって開発されました。
本AI-BOXは、サーバーに依存せず、デバイス単体で高度なAI機能を完結する仕組みを提供することで、通信遅延の削減やプライバシー保護を強化します。また、低消費電力と高性能を両立しており、さまざまな分野での活用が期待されます。
■主な応用分野
- セキュリティ分野:従来の人物・物体検知を超えるVLMを利用し、不審者の経路分析や異常行動の早期発見など、高度な行動検知が可能です。
- 産業機器分野:製造ラインでの製品の微細な異常検知や設備の摩耗・劣化状況の分析を実現。これにより、品質管理の自動化や予知保全の精度向上、さらにはダウンタイムの削減や生産効率の改善が期待されます。
- 車載分野:VLMを活用した自然言語によるコミュニケーションや行動予測が可能となり、新たなアプリケーションの実現が見込まれます。たとえば、ドライバーへの状況説明や複雑な運転環境での意思決定支援に役立ちます。
また、本AI-BOXは、アットマークテクノが提供する「Armadillo Base OS(ABOS)」を搭載しており、高いセキュリティとソフトウェアアップデート(OTA: Over The Air update)に対応しています。ABOSはLinuxをベースにコンテナエンジンを搭載し、長期運用を見据えた多面的なセキュリティ対策が実装されています。不要なインターフェースを無効化する機能などを備え、「IoT製品のセキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)★1」に適合するための仕組みを提供しています。JC-STARはIoT製品を狙ったサイバー攻撃の増加を背景に、セキュリティ機能を評価・可視化する目的で新設されたラベリング制度です。ABOSは毎月アップデートがリリースされ、SBOM(Software Bill of Materials)も提供されます。このABOSを搭載したデバイスは、クラウドサービス「Armadillo Twin」と連携することで、デバイスの稼働監視、遠隔操作、ソフトウェアアップデートを可能にし、長期にわたる高いセキュリティ維持に貢献します。

Armadillo BaseOSとArmadillo Twin
今回の「エッジ生成AI BOX」の参考出展は、両社が目指すIoT/AI社会の実現に向けた重要な一歩です。アットマークテクノは、ABOSとArmadillo Twinを活用し、セキュアで長期運用可能なエッジAIプラットフォームの提供をさらに強化します。一方、伯東は、Ambarella社製SoCをはじめとする最先端のAI技術とソリューションを市場に展開し、お客様の多様な要件に応えるとともに、セキュリティ、産業機器、車載分野における新たな価値を創出します。両社は本AI-BOXを通じて、迅速かつ安全なエッジAIの普及を推進し、社会課題の解決やイノベーションの創出、さらにはデジタルトランスフォーメーションの加速に寄与することを目指します。
「EdgeTech+ West 2025」では、伯東およびアットマークテクノの両社ブースにおいて、本AI-BOXのデモ展示を実施します。ご来場の皆様には、サーバーに依存しないエッジ処理による高度なAI機能を体験していただけます。「EdgeTech+ West 2025」は、2025年7月24日(木)~25日(金)、グランフロント大阪 北館 B2F コングレコンベンションセンターにて開催されます。
伯東株式会社について
伯東株式会社は1953年の創業以来、最新の情報や最先端の技術をお客様に提供する技術商社として、また生産効率化のための工業薬品を製造するメーカーとして発展してきました。企業活動を通じて「人と技術と自然環境の共存」を目指し、先進のテクノロジーが人々の暮らしと地球に活力と潤いをもたらし、より豊かな社会の実現に貢献することを使命としています。
・伯東株式会社の詳細情報 https://www.hakuto.co.jp/
株式会社アットマークテクノおよび「Armadillo」について
株式会社アットマークテクノは、組み込みプラットフォームのリーディングカンパニーとして、独自ブランド「Armadillo(アルマジロ)」を展開しています。「Armadillo」は2001年に初代機を開発して以来、20年以上にわたり累計80万台を超える省電力CPUボードとIoTゲートウェイ、その関連技術を提供し、データロガーや通信機器、産業機器の操作盤や情報端末など、IoT機器プラットフォームとしてご採用いただいています。
・株式会社アットマークテクノの詳細情報 https://www.atmark-techno.com
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