
2025年5月15日
ハリマ化成グループ
ハリマ化成グループ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:長谷川吉弘、以下、当社)は、再生可能天然資源である松由来の「タイヤ用軟化剤」を開発し、タイヤ産業での環境負荷低減をはじめとしたサステナビリティへの取り組みに寄与していきます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202505148777-O4-4IqgZ60h】
世界的に環境保全意識が高まるなか、各タイヤメーカーでは2030年までにタイヤ材料の30%~40%をサステナブル材料に置き換え、さらに2050年までに100%サステナブル材料に置き換える目標を掲げています。タイヤ用ゴムは複数の原料から作られており、軟化剤はゴム、充填剤に次いで多い構成要素であるため、タイヤの性質に大きく影響します。軟化剤はゴムを柔らかくし、ゴム中のほかの配合剤を均一に混ぜ合わせることで成形加工性を高めます。市販の軟化剤のほとんどは石油系であり、サステナブル材料への置き換えが求められている一方、既存のバイオマス系軟化剤は各種性能が不十分で、置き換えには至っていません。タイヤの安全に直結するため、性能を損なわずに環境負荷が低減できるバイオマス素材が求められています。
今回開発した製品は、従来品と同等の性能を持つに加え、松から得られるロジンをはじめとしたバイオマス原料を99%以上含んでおり、サプライチェーン全体の低炭素化に貢献します。ラインナップには、国際持続可能性カーボン認証ISCC PLUS取得製品もあり、トレーサビリティが確保された、より信頼性の高い選択肢を提供しています。機能面では、既存のバイオマス系製品では十分に発揮できなかったグリップ性を上げることに加え、石油系軟化剤と同等の性状であり、顧客評価でもゴムの基礎物性については代替可能レベルとの評価を得ています。また、従来品に比べ約10%高い耐摩耗性を備えているため、タイヤの寿命を延ばすとともに、タイヤ交換の頻度を抑えることにより、使用者のコスト削減や廃棄物の削減に繋げます。さらに、重量が重いため、より高い耐摩擦性・摩耗性が求められる電気自動車のタイヤにも効果的です。
今後、新しく開発したタイヤ用軟化剤に加え、その他バイオマス素材を活かした製品の開発を加速させ、サステナブルな製品の事業拡大を通じてSDGsなど社会的課題解決に取り組んでいきます。
関連情報
・国際持続可能性カーボン認証ISCC
(International Sustainability and Carbon Certification)
環境意識の高まりを背景に生まれた国際的な認証制度で、バイオマス原料やリサイクル原料などといった素材が、サプライチェーン全体で適切に管理されていることを証明するもの。ISCC PLUSはバイオマスやリサイクル原材料を対象とする認証プログラムで、化学工業を含む対象事業領域が広く、全世界で取得が可能。当社は松由来の出発原料である粗トール油の調達から当社製品販売までの流れを対象として取得。
詳しくは、2025年2月3日当社リリースをご覧ください:
https://www.harima.co.jp/newsroom/2025/0203090000.html