[開催報告]9月熊本支援活動・富山&福岡の仲間と共に - DreamNews|RBB TODAY
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[開催報告]9月熊本支援活動・富山&福岡の仲間と共に

能登から、熊本へ。
受け取った支えを、次の被災地へ手渡す。
一般社団法人ボディセンス・インスティテュート(代表理事:高橋由紀、所在地:富山県富山市)が発足した能登震災支援チーム「能登にエール」は、2026年9月2日~5日にかけ、熊本地震の被災地(熊本県八代市・宇城市)にて心と身体のケア支援を行いました。 2024年の能登半島地震の際、熊本から能登へ寄り添い続けてくれた仲間たちへの「恩送り」として、そして能登の現場で培った知見を次の被災地へ生かすために――。 支援の連鎖を生み出す新たな取り組みとして、福岡のBSI修了生らとともに現地でケアを届けました。

開催概要
活動名:地震 被災地支援活動(心と身体のケア)
日程 :2026年9月2日(水)福岡にて準備 / 9月3日(木)熊本にて準備 / 9月4日(金)大田郷コミュニティセンター / 9月5日(土)午前 大田郷コミュニティセンター・午後 うきのわハウス [計4日間]
活動地域:熊本県八代市 大田郷コミュニティセンター / 宇城市豊野町 うきのわハウス(光照寺駐車場内) / グランモッコヴィレッジ
実施体制:能登にエール(一般社団法人ボディセンス・インスティテュート/代表理事 髙橋由紀)+ 富山チーム + 福岡BSI修了生チーム
活動内容:ヨガによる身体のケア/ハンドマッサージ/理学療法士によるコンディショニング(Care and Cure)/お茶とお菓子を囲む「癒しのサロン空間」/子どもたちの遊びの支援(元高校球児による野球指導)/被災された方々の「生の声」のヒアリング
参加者:計9名 ── 富山から4名(うち小学生1名)/福岡から5名(うち大学生1名)
骨盤調整ヨガ・ロディヨガ講師、理学療法士、看護師、介護士、柔道整復師を目指す大学生 ほかPART 1
なぜ、熊本へ行ったのか
能登で受け取った「支え」を、次の被災地へ ── 恩送りとしての支援活動

2024年1月の能登半島地震のあと、私たちの炊き出しや復興支援の現場には、九州から何度も駆けつけてくださった方々がいました。遠く熊本から能登へ ── 10年前に自分たちが経験した被災の記憶を胸に、「今度は自分たちが」と動いてくださった皆さんです。

2026年、その熊本が再び大きな地震に見舞われました。私たちにとってこの活動は、「支援」という言葉だけでは足りません。能登で受け取った支えを、今度は熊本へ手渡す「恩送り」であり、能登の現場で積み上げてきた実践知が、他の被災地でも機能するのかを確かめる機会でもありました。

「有事に自ら動ける人」が、福岡にいた
今回の活動を可能にしたのは、福岡のBSI修了生と、そのまわりに広がるコミュニティ(つなぐるコミュニティ)の存在です。代表理事 髙橋由紀の呼びかけに応じ、ヨガ講師・理学療法士・看護師・介護士、そして医療系専門職を目指す学生まで、福岡のメンバーが集まりました。9月2日に福岡で、3日に熊本で準備を整え、4日・5日の2日間、八代市の大田郷コミュニティセンターと宇城市豊野町のうきのわハウスで現地支援を共に実施しました。

私たちは能登での経験から、「専門家を育て、現地に送り届け、継続する」ことを復興支援の核に据えてきました。全国にいるBSIの修了生は、ヨガや運動療法の指導者であると同時に、被災地で心と身体のケアを提供できる専門家です。富山の実践知と、福岡・九州の地の利とネットワークが掛け合わさったことで、発災から間もない被災地に、必要とされるケアを届けることができました。





PART 2
現地で見えたこと、聞かせていただいた声
発災から1カ月以上 ── 支援が届きにくい地域で、心と身体はすり減っていた

八代インターに近づくにつれ、波打つ高速道路、倒壊した家屋が目に入ってきます。メンバーの多くが、言葉を失いました。私たちが伺った八代市・宇城市には、まだ支援が十分に行き届いていない地域が多くありました。特に田舎の地域では、被災から1カ月以上が経っても片付けが進まず、高齢の方を中心に、心も身体も限界に近い状態の方が数多くいらっしゃいました。

お話のなかで聞かせていただいた、被災地の現実

『片付けが終わらない』
暑さで作業時間が制限され、家の片付けが思うように進まない。全身疲労で足のむくみが強い方も。

『眠れない』
余震が心配でしっかり眠れない。ご自身も被災しているのに、地域のために走り回っている方ほど疲弊している。

『水と食事』
水道が使えずペットボトルの水が頼り。調理ができず、お店の品揃えも整わず、食生活が偏りがち。

『医療へのアクセス』
地域で唯一の病院が被災し、高齢の院長先生は「もう続けられない」と。隣町まで行く手段がない方も。

『身体を痛めた方の避難生活』
大腿骨頸部骨折の術後に早期退院となり、歩行もままならないまま避難所で暮らす方。腰椎ヘルニアで苦しむ方。避難所に行けず倉庫で生活する方。

『子どもたちの変化』
何かに怖がるようになった子。言葉が出にくくなった子。食生活の偏りで体型が変わった子。唯一の遊び場だったグラウンドは、被災家具の集積場に。

『実りが落ちたまま』
ブドウや梨の季節なのに、収穫されずに落ちたままの果実が数多くあった。

『次の世代を案じる声』
「自分は高齢だけれど、この先10年20年後が大変よ」── 90歳の方が、ご自身ではなく次の世代のことを案じていらっしゃった。

「現実に戻りたくない……」── しばらくお話をした方が、ぽつりと口にされた言葉です。私たちはこの後、富山へ、福岡へ帰ります。その逆の立場にいらっしゃる方を前に、メンバーは何とも言えない気持ちを抱えました。
PART 3
私たちが届けたもの ── 心と身体のケア
「物」ではなく、身体に触れ、話を聴き、一緒に笑う時間を

能登での経験から、私たちは「支援者側が自己完結すること」「被災地の資源を使わないこと」を絶対条件としています。福岡と熊本で2日かけて準備を整え、いつもの私たちの空間 ── ヨガのクラス、ハンドマッサージ、お茶とお菓子のあるサロンの雰囲気 ── をそのまま現地に持ち込みました。

Care ── 身体をほぐす
ヨガによる全身のケアとハンドマッサージ。足のむくみ、ガチガチに固まった身体を、対話をしながらゆっくりとほぐしていきました。

Cure ── 専門職の視点で
理学療法士が、術後の方・腰痛の方・強い浮腫のある方など、お一人おひとりの身体に触れて状態を確かめ、「これから前に進むためのコンディショニング」を行いました。

Community ── 話す・遊ぶ・笑う
お菓子を食べながら話を聴くサロン空間。子どもたちの遊びの支援。野球が大好きな少年に、元高校球児のメンバーが野球を教える時間も生まれました。
お話をするうちに、皆さんの表情が少しずつ変わっていきます。「ありがとう」の言葉に戸惑い、泣きそうになるメンバーもいました。現地の方からは「また、子どもたちの遊びの支援もしてほしい」という声をいただいています。



PART 4
参加したメンバーの声
支援に行った私たちが、被災地から受け取ったもの

陽子
骨盤調整ヨガ・ロディヨガ講師|つなぐるコミュニティ運営
「私が行っても大丈夫なのか?」── その一歩を踏み出せたのは、仲間の経験とパワーがあったから。

やっさん
理学療法士・骨盤調整ヨガ講師
笑顔になってくれた人を見て、「これが僕の仕事なんだ」と再確認した。ありがとうの一言は、やっぱり嬉しかった。

まり
介護士(やっさんの妻)
恥ずかしながら初めて、災害が「他人事ではない」と強く感じた。この日のご縁で、行動が変わる気がしています。

あかね
看護師|つなぐるコミュニティ在籍
何かを与えられたとは思っていません。逆に、私が熊本の方々からパワーと元気をもらいました。

真之介
柔道整復師・トレーナーを目指す大学生(陽子の息子)
「誰か指示してくれないかな」から、「今、自分にできることをやろう」へ。言葉が多くなくても、誰かの力になれる。
PART 5
支援する側にもたらされた、学びと気づき
被災地支援は「与える」だけの活動ではない ── 5人の声から見えてきたこと

今回の活動でもっとも強く実感したのは、被災地支援が支援をする側にも、大きな学びと気づきをもたらすということです。「何かを与えられたとは思っていない。逆に、私が熊本の方々からパワーと元気をもらった」── 看護師のメンバーの言葉は、それを端的に表しています。参加メンバー5人の声には、共通する4つの変化がありました。

(1) 「他人事」が「自分事」に変わる
画面越しの被災地と、目の前の被災地はまったく違います。倒壊した家屋を自分の目で見て、被災された方の声を自分の耳で聴くことで、「いつ自分が被災者になってもおかしくない」という感覚が、頭ではなく身体に刻まれます。この感覚こそが、平時の備え ── 自助・共助 ── を「知識」から「行動」に変える出発点です。

(2) 自分の専門性と、仕事の意味を再確認する
ヨガ講師、理学療法士、看護師、介護士、そして学生。それぞれの専門性が、被災地で確かに誰かの役に立つ。「ありがとう」の一言に戸惑いながらも、「これが自分の仕事なんだ」と再確認する体験は、日常の仕事に戻ってからの意味づけと質を変えていきます。専門職としての自己効力感を取り戻す機会でもありました。

(3) 「指示を待つ」から「自分にできることをやる」へ
「何をしたらいいんだろう」「誰か指示してくれないかな」── 初めて被災地に立った学生の正直な心の声です。しかし避難されている方が次々に来られたとき、彼は「今、自分にできることをやろう」と動き出しました。看護師のメンバーは「指示なく、各々がやれることを率先してやる。それで成り立っていた空間が心地よかった」と振り返ります。この「自ら動く」経験こそ、私たちが地域防災人材育成プロジェクトで育てたい力そのものです。

(4) 次の行動が生まれる
「募金しかしたことがなかった自分」が、片付けや瓦礫撤去、栄養面の支援へと関心を広げる。「今回の経験を私たちだけのものにせず、これからの支援につなげたい」と語る。一度現地に立った人は、支援を「一度きりのイベント」ではなく「関心を持ち続けること」として捉え直します。看護師の視点からは、手浴・足浴・温タオルなど「巡りをよくするケア」の提案も生まれました。ここから、地域で自ら動ける人が育っていきます。

学術的な視点から
他者を支援する行動(ボランティア・利他的行動)が、支援者自身の主観的幸福感や自己効力感、社会的つながりの実感を高めることは、国内外の心理学・公衆衛生学の研究で繰り返し報告されています。また、災害支援に携わった人が、困難な経験を通じて価値観や人生観を深める「心的外傷後成長(Posttraumatic Growth)」に近いプロセスを経ることも指摘されています。今回のメンバーの声は、まさにこうした知見と重なるものでした。私たちは今後も、監修者・特別講師陣(医師・大学研究者)との連携のもと、支援活動が「支援する側」に与える影響についても、体系的に記録・検証していきます。

能登の実践知は、熊本で機能した
「支援者側の自己完結」「被災地の資源を使わない」「病気を持ち込まない」── 能登の現場で徹底してきた原則は、熊本でもそのまま活きました。そして何より、全国のBSI修了生が「有事に自ら動ける専門家」として機能することが、今回の福岡チームによって実証されました。これは、私たちが地域防災人材育成プロジェクトで目指している「動ける人を各地域に育てる」というビジョンの、ひとつの確かな成果です。
PART 6
これからの熊本支援
一度きりで終わらせない ── 現地の声から見えてきた、次の一歩

私たちが伺えたのは、ほんの一部の地域です。それでも、現地で見て、聞いて、触れたからこそ、「まだまだ必要とされていることがある」と強く感じています。現地の声と、メンバーの気づきから、次の活動として以下を検討しています。

子どもの遊びの支援
「また来てほしい」との声を受け、子どもたちが思いっきり遊べる時間と場所を継続的に提供(ロディヨガ・運動遊び・野球指導 等)

心と身体のケアの継続
ヨガ・ハンドマッサージ・理学療法士によるコンディショニングを、福岡チームを中心とした体制で定期的に実施。看護師の提案を受け、手浴・足浴・温タオルなど「巡りをよくするケア」の組み合わせも検討

栄養面の支援
調理ができず、食生活が偏りがちな現状を踏まえ、能登での炊き出し・チルド食配食の知見を活かした食の支援を検討

身体を動かす作業の支援
片付けや瓦礫撤去など、マンパワーが必要な作業への協力

関心を持ち続けること
活動報告の継続発信と、熊本のBSIファミリー・支援団体との連携体制づくり

感謝をこめて
現地でお話を聞かせてくださった皆さん、仮設の支援拠点を運営されている皆さん、そして福岡で準備から現地支援まで共に動いてくださった福岡チームの皆さん、富山から駆けつけてくれたチームの皆さん。本当にありがとうございました。

結び ── 支えは、めぐる。
能登が支えてもらったから、熊本へ行く。熊本で受け取った学びを、次の誰かへ手渡す。被災地支援とは、一方通行の「与える」行為ではなく、関わる人すべての心と身体を育てる、循環のいとなみなのだと、今回あらためて実感しました。

次の災害は、どこで起きてもおかしくありません。だからこそ私たちは、今日の支援を「一度きり」にせず、全国のBSIファミリーとともに、「有事に自ら動ける人」を一人でも多く育てていきます。7世代先の子どもたちが、安心して暮らせる社会のために。

一般社団法人ボディセンス・インスティテュート 代表理事
髙橋 由紀



団体概要団体概要
名称:一般社団法人ボディセンス・インスティテュート
代表理事高橋由紀
所在地:富山県富山市黒瀬北町2-1-2 D-BASE 2階
拠点:Roots of Life TOYAMA(ルーツオブライフトヤマ)
事業内容:子育て支援者研修・ボディワーカー/ヨガインストラクター育成・講師派遣
URL:https://bodysence.jp

本件に関するお問い合わせ
担当:広報 曳田彩加(ひきた あやか)
TEL:050-5536-7809(受付 10:00~16:00 / 土日祝除く)
E-Mail:[email protected]


配信元企業:一般社団法人ボディセンス・インスティテュート
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