歌手ユ・スンジュンが韓国政府を相手取って起こした訴訟の控訴審で勝訴した。
3度目のビザ発給拒否処分取り消し訴訟の司法判断で、再び有利な結果を得たわけだ。
しかし、2002年の“兵役逃れ”をめぐる騒動から24年という長い歳月が流れた現在も、韓国国内の世論は依然として冷ややかだ。
ソウル高裁行政8-2部は10月2日、ユ・スンジュンが在ロサンゼルス韓国総領事を相手取って起こした旅券・査証発給拒否処分取り消し訴訟で、被告側の控訴を棄却し、1審と同様に原告勝訴の判決を下した。
行政機関が裁量権を行使する際には、比例原則と平等原則を守らなければならないとした最高裁の従来の判断趣旨が、改めて反映された結果だ。
司法の判断は明確な法理と手続きに基づいている一方で、判決の趣旨はユ・スンジュンの過去の行為に免罪符を与えるものではないこともはっきり示している。

1審裁判部もユ・スンジュン側の主張を認めながら、「この判決が、過去のユ・スンジュンの行為が適切だった、あるいは国家共同体の構成員として道徳的責任を果たしたと判断するものでは決してない」と明記していた。
法的な問題を理由に行政処分を取り消しただけで、兵役逃れそのものを正当化したわけではない、ということだ。
世論の反応も冷ややかなままだ。
オンラインコミュニティやポータルサイトのニュースコメント欄には、「法的にビザを発給せよということと、国民が彼を許すことは別問題だ」「青春を費やして国防の義務を果たす多くの若者たちが感じる喪失感はどう埋めるのか」といった批判的な反応が多く見られる。
特に20年以上前、「軍隊に行く」と公言した後、突然アメリカ市民権を取得して出国した当時の裏切られたという感情が、今も韓国社会に強く残っている。世代や時代を問わず、「公正」と「兵役義務の公平性」という敏感な問題に触れているとの見方だ。
仮に最高裁で判決が確定し、在外同胞(F-4)ビザが実際に発給されたとしても、ユ・スンジュンが望むとされる「韓国内での活動や芸能界復帰」は、事実上かなり難しいとの見方が放送業界内外で支配的だ。
地上波や主要放送局の出演停止対象に含まれているうえ、強い反発や不買の動きまで覚悟して彼を起用する制作陣や企業はほとんどないとの評価も出ている。
ある放送関係者は、「ビザの発給を受けて入国することは、個人の法的権利の問題かもしれない。しかし、大衆の支持と信頼を基盤に活動する芸能人としての復帰は、まったく別の領域だ」としたうえで、「ユ・スンジュンについた“兵役逃れの象徴的芸能人”というイメージは、裁判で勝っても簡単には消えない」と指摘した。
長い訴訟の末、法的なハードルは下がったのかもしれない。
それでも、24年間閉ざされたままの「国民感情」という、さらに高い壁を前に、ユ・スンジュンの完全な復帰は今なお遠いように見える。
◇ユ・スンジュン プロフィール
1976年12月15日生まれ。1997年に1stアルバム『West Side』でデビューし、『Gaui』『Na Na Na』『Passion』『I Love You Nuna』『Wow』など数多くのヒット曲を出してトップスターに。入隊を控えていた2002年、韓国国籍を放棄してアメリカ市民権を取得し、兵役義務を回避。すると同年、韓国法務部から入国制限処分を受けた。以降、20年以上も韓国に入国できずにいる。英語名はスティーブ・ユ。
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