デビューしたばかりのHYBE新人ガールズグループ「TUIDE(テュイド)」。
彼女たちのデビューアルバム『TUNE & PLAY』が音楽的な完成度を高く評価され、2026年のK-POPガールズグループシーンで鮮明な存在感を示している。
さまざまな音楽的要素をバランスよく組み合わせたデビュー作を通じ、音楽性と大衆性の両方をつかんだとの評価だ。
TUIDEは、HYBE内でガールズグループに特化したレーベル「ABD」が初めて送り出したチームだ。
各レーベルの独立した専門性と自律性を強化してきたHYBEのマルチレーベル戦略のもとで発足したABDでは、ハン・ソンスMP(マスター・プロフェッショナル)が制作全般を統括した。
デビューアルバムの1曲目に、レーベル名と同じ「ABD」を配置した点も象徴的だ。A、Bの次にCではなくDを思い描くように、決められた順序や公式に縛られることなく、TUIDEならではの感覚で新たな流れを作っていくという意志が込められている。
貫く音楽的カラー「ソウルトロニック」

アルバムにはGroovyRoomをはじめ、ZIN CHOI、KWACA、BOYCOLD、Dalchongなど、それぞれ異なる音楽的世界を持つクリエイター陣が多数参加した。
それぞれの音楽的個性を生かしながらも、TUIDEの健やかなエネルギーと穏やかなチームカラーを自然に融合させ、一つの完成度の高いアルバムへと仕上げている。
異なるクリエイターたちの感覚とアイデアが各トラックで多彩な雰囲気を生み出し、アルバムの幅広いサウンドを形作っている。
音楽評論家のキム・ソンファン氏は、「TUIDEのアルバムは、優れたインフラが整えば創造的な音楽アイデアが生まれ得ることを証明した事例」とし、「HYBE特有のマルチレーベルシステムの中で、自然に創作のネットワークが構築された効果だ」と分析した。
音楽評論家のファン・ソノプ氏も「新鮮な展開や大胆な音楽的選択を、固有のチームカラーへとつなげられるマルチレーベルシステムのインフラが、アルバムの完成度を支えている」と指摘した。
『TUNE & PLAY』を貫く音楽的なカラーは、「ソウルトロニック(Soultronic)」だ。ソウルの温かく感性的なメロディーに、エレクトロニックの洗練されたサウンドを加えたスタイルといえる。
アンプラグドサウンドを土台とした生々しい感性と温もり、耳を優しく包み込むメロディー、そして自然と体を委ねたくなるグルーヴが特徴だ。過度に力を込めるのではなく、余白を残したサウンドによって、TUIDE特有の明るく健やかなエネルギーも自然に表現されている。
音楽評論家のチェ・スンイン氏は、「『TUNE & PLAY』は、比喩的にいえば、一つの川から分かれた支流を一度に聴かせるようなアルバム」とし、「電子音が前面に出る楽曲にも、アンプラグドの温もりが込められている。細かなジャンルがいくつに分かれていても、その根源が変わらないため、アルバム全体が一貫したサウンドとして聴こえる強さがある」と説明した。

タイトル曲『SUN KISS』は、こうした「ソウルトロニック」の魅力を最も鮮明に示す楽曲だ。荒々しさを感じさせるトラックと、余裕のあるトップラインの対比が躍動感あふれるサウンドを作り出し、ダイナミックなリズムと変則的な展開が没入感を高める。曲全体で繰り返される「Ba-da ba-ba-ba, ba-ba-da-ba」というフックも、直感的な中毒性を加えている。
デビューに先駆けて公開された収録曲『GRLS』は、弾力感のあるUKガラージのリズムを基盤に、生き生きとしたエネルギーを盛り込んだ楽曲だ。メンバーが一人ずつ自己紹介するように滑らかにつながるパート構成と、繰り返される「GRLS」のフックがかみ合い、軽快な流れを完成させている。
別の収録曲『Flip-Flop Girl』は、ゆったりとしながらも洗練されたサウンドを、TUIDEならではの感覚で再解釈した楽曲。重厚なベースと鮮明に伸びていくリードシンセを中心に強固なグルーヴを構築し、余裕のある雰囲気の中でも軸を失わないエネルギーが曲全体を引っ張っていく。異なるリズムとサウンドを前面に押し出した楽曲を通じ、デビューアルバムが持つ多彩な音楽的側面を順に見せている。
収録曲にも注目したいワケ
そのほかの収録曲も、アルバムの音楽的な幅を広げている。
1曲目の『ABD』は、ヒップホップのグルーヴに1990年代のR&Bソウルとローファイの感性を加え、アコースティックギターとミニマルなリズムによって抑制の効いた雰囲気を作り上げた。
『Echo』は、アカペラで始まり、アコースティックサウンドを経て力強いビートへと移行する流れが印象的な楽曲で、ディープハウスとアップテンポなクラシックハウスの感覚を盛り込んでいる。特に、ジャネット・ジャクソンのヒット曲『All For You』のメロディーをインターポレーションし、現代的な感覚で新たに表現している。

韓国ジョージ・メイソン大学教授でグローバルKカルチャーセンター長を務めるイ・ギュタク氏は、「収録された5曲はヒップホップ、ハウス、R&Bなど多様なジャンルを包括しているが、一つのアルバムとしてのまとまりを感じさせる」とし、「一貫した雰囲気を感じられるよう、サウンドの色彩と感性がよく整えられている。“洗練されたレトロ感”と“温かさ”、“自然体”という要素が、それぞれ異なる楽曲を自然につないでいる」と評価した。
音楽評論家のキム・ユンミ氏も、「アコースティックの温かな質感、力を抜いたゆったりしたボーカル、自然とリズムに乗りたくなるグルーヴは、アルバム全体を貫く感覚」とし、それぞれ異なるリズムが滑らかにつながっていると分析した。
音楽的完成度への高い評価は、実際の成果にもつながっている。
『TUNE & PLAY』は初動売上11万枚を突破し、歴代ガールズグループのデビューアルバム「トップ10」に入った。
『SUN KISS』のミュージックビデオは、YouTubeの「デイリー人気ミュージックビデオ」韓国チャートで1位を記録したのに続き、計11カ国・地域のチャートにランクインした。韓国YouTubeの「急上昇音楽」、Melonの「HOT 100」、Apple Musicの「トップ100:韓国」など主要チャートではアルバム収録曲すべてがランクインし、タイトル曲だけでなく収録曲も幅広く支持を得ている。
キム・ユンミ氏は、「デビュー作で多彩なサウンドを無理なく取り込める音楽的可能性を示しただけに、このアルバムを出発点とするTUIDEの音楽が、今後どのような形で広がっていくのか期待される」と展望した。
■「歴代10位」でもHYBEでは“過去最低” TUIDEが途切れさせた「30万枚」の系譜



