「幼稚園児でも知っているようなこと」とまで怒りをぶちまけた。
しかし、指摘された韓国国旗は、実は間違っていなかった。
SUPER JUNIORのヒチョルが、韓国・仁川(インチョン)市が掲出した光復節(8月15日)記念の横断幕に描かれた韓国国旗を「逆さまだ」と受け取り、強く批判したものの、その後、自身の誤解だったとして謝罪した。
一見すると、少々気まずい“早とちり”にも見える。
ただ、ヒチョルがなぜそこまで敏感に反応したのかをたどっていくと、最近の韓国で頻発している、なんとも落ち着かない「国旗をめぐるドタバタ」が見えてくる。
「幼稚園児でも知っているようなこと」と批判
事の発端は、第81周年光復節を前に仁川市が設置した記念横断幕だった。

そこには、独立運動家が両手で韓国国旗を掲げる姿が描かれていたが、SNS上で「国旗の上下が逆なのではないか」との指摘が浮上した。
ヒチョルもその画像を見て、かなり強い表現で批判。さらに、さらに、「幼稚園児でも知っているようなこと」「外国のファンですら韓国国旗の正しい配置を知っている」といった趣旨の言葉まで口にした。
ところが、実際には国旗そのものに間違いはなかった。
仁川市によれば、横断幕は独立運動家が国旗を振る姿を「下から上へ見上げた構図」で描いたものだった。見る角度によって通常とは異なる配置に見えただけで、中央の赤と青の模様や四隅の「乾(けん)・坤(こん)・坎(かん)・離(り)」も正常に表現されていたという。
誠信(ソンシン)女子大学のソ・ギョンドク教授も、詳しく見れば「厳密には間違った太極旗ではない」と説明した。
ただし、誰もが一目で見れば「逆さではないか」と誤解しかねないデザインだったとして、仁川市側にも工夫の余地があったと指摘している。実際、仁川市も市民に誤解を与える可能性があるとして、問題の横断幕を撤去した。

そして、激しく反応していたヒチョルも謝罪した。「空間認識能力の不足と性急さが招いた、明らかな自分の過ちだ」と認めたうえで、「深く見ずに判断してしまった」と頭を下げた。
では、なぜヒチョルはここまで早合点してしまったのか。
本人はその理由について、最近、韓国国旗を逆さに掲げたり、間違って描いたりする事例を相次いで目にし、「自分のなかに怒りがたまっていたようだ」と説明している。
実際、その言葉にも背景はある。
本当に“間違い”が続いていた
つい最近も、世界的ハンバーガーチェーン「シェイクシャック」のワールドカップ記念グッズで、韓国国旗の誤表記が見つかった。
UAE・アブダビで販売されたグッズにはW杯出場国の国旗が並べられていたが、韓国国旗は中央の赤と青の模様が本来とは異なり、さらに四隅にあるはずの「乾・坤・坎・離」まで描かれていなかった。
韓国国旗と呼ぶにはかなり不完全なデザインだった。

さらに、グローバルファッションブランド「Superdry」が販売していた「Seoul」の文字入りTシャツでも問題が発覚した。
背面には「KOREA」の文字とともに韓国国旗を象徴する四卦が配置されていたが、その形や配置が実物とは異なっていた。ブランド側はデザイン上の誤りを認め、販売を中止。修正版へと切り替えている。

ほかにもニューバランスの商品で韓国国旗のデザインに誤りが見つかり、韓国法人が謝罪して返金対応を行ったケースが報じられた。

しかも、問題は海外企業だけではない。
8月6日には、韓国国内の有名な伝統市場で、中央の赤と青の配色を取り違えた韓国国旗風のアクセサリーが販売されていたことも明らかになった。光復節関連のSNSイベントでも、「乾・坤・坎・離」を誤って配置した画像が複数使われていたという。


ソ教授が「海外の有名ブランドばかりを批判するのではなく、まず私たち自身から意識を改めるべきだ」と苦言を呈したほどだ。
日の丸と比べると、かなり複雑
日本人からすると、「自国の国旗をそんなに頻繁に間違えるものなのか」と少し不思議に感じるかもしれない。
日の丸は白地に赤い円という極めてシンプルな構成であり、多少デザイン化しても、国旗そのものの構造を間違える余地は比較的少ない。
一方、韓国国旗はそう単純ではない。
中央には赤と青からなる模様があり、その周囲にはそれぞれ形の違う“四卦”が決められた位置に配置されている。
赤と青の向きが違っても、四卦の線が一本違っても、本来の韓国国旗とは異なるものになってしまうのだ。

韓流ブームによって「韓国」をモチーフにした商品や広告が世界中で増えれば、それだけ国旗のデザインが使われる機会も増える。結果として、知識が不十分なまま“韓国らしいデザイン”として加工され、間違いが生まれる機会も増えているのかもしれない。
そして今回、少し皮肉なことが起きた。
実際に間違った韓国国旗が相次いでいたため、「また間違えたのか」という空気が生まれ、ついには間違っていない国旗まで間違いだと疑われてしまったのだ。
ヒチョルも、その空気のなかで強く反応した一人だった。
もちろん、確認せずに強い言葉で批判した以上、本人が認めた通り性急だったことは否めない。
ただ今回の騒動は、ヒチョル一人の“早とちり”だけでは説明できないだろう。間違った国旗が次々と登場し、それを指摘する騒動が繰り返されるうちに、今度は正しいものまで疑われるようになったからだ。
「また間違えた」と思ったら、今回は間違っていなかった。韓国国旗をめぐる最近のドタバタを象徴するような、なんとも皮肉な一件だった。
■【写真】「30分も待たされ、料理も生臭かった」日本での食事を韓国女優が酷評



