TWICE・ダヒョンの映画初出演・初主演作となる『あの夏、僕たちが好きだったソナへ』が、8月8日より日本全国で公開される。本作でW主演を務めた俳優ジニョンは、共演者として彼女の演技をどう見つめていたのだろうか。
『あの夏、僕たちが好きだったソナへ』は、台湾映画『あの頃、君を追いかけた』(2011年)を原作とした韓国リメイク版。2002年の韓国を舞台とし、ノスタルジックな青春の日々と淡い恋の記憶を描いたラブストーリーだ。ダヒョンは成績優秀でクラスの憧れの的であるソナを演じ、俳優デビュー作にしてヒロイン役を任された。
ジニョンが語るダヒョンの「新人らしくなさ」
そんなソナに想いを寄せる男子高校生ジヌ役を演じたジニョンは、『雲が描いた月明り』や『初恋は初めてなので』、『警察授業』、『Sweet Home -俺と世界の絶望-』シーズン2&3、『あやしい彼女』などで知られる実力派俳優。数々の作品で多くの俳優と共演した彼は、映画初出演となったダヒョンの演技をこう振り返る。
「正直、私からアドバイスするようなことはなかったです。準備もしっかりしていましたし、本当に演技に一生懸命な方だったので、むしろ私の方が学ぶことが多かったです。徹底した姿勢に感動しましたし、この場を借りて感謝を伝えたいですね」
新人らしい一面として印象に残っているのは「大事なシーンの前にとても緊張していたこと」。しかし、「いざカメラが回るとまったく緊張しなくなる」というダヒョンの演技には驚かされる場面もあったという。
「作中でダヒョンさんが涙を流すシーンがあるのですが、そのシーンの撮影が終わった後も込み上げる感情を抑えきれず、カットがかかってからも泣き続けていました。その姿を見て、本当にそのシーン、その瞬間に深く没入していたんだなと感じました」
「本当に今、この瞬間が幸せ」
演技活動の一方で、アイドルとしても多忙を極めるダヒョン。所属するTWICEは7月に4thフルアルバム『THIS IS FOR』をリリースし、同月から6度目のワールドツアーがスタートした。すでに終了した大阪公演含め4都市を回る来日公演もこなすなか、8月27日には日本6thアルバム『ENEMY』のリリースも控えている。
対するジニョンもかつてボーイズグループ「B1A4」のリーダーとして活動し、現在は俳優・音楽プロデューサーなど幅広い分野で活躍する“演技ドル”の先輩だ。自身の経験から“アイドルと俳優の両立”にやりがいや難しさがあるのか聞くと、「アイドルとして活動することと、俳優として演技することに違いはないと思います」としてこう続けた。
「本当に自分が好きなことをしている、自分が夢見てきたことを実際にやっている時は、他のことは何も考えなくなるんです。自分が今まさにやっていること自体に夢中になり、本当に幸せに感じているので、この仕事をすればするほど“もっとこの仕事をしていきたい”という渇望がどんどん大きくなっていくんですね。なので、“本当に今この瞬間が幸せだ”、そんな表現が合うと思います」
ジニョンとともに、本作でかけがえのない青春物語を紡いだダヒョン。初挑戦の演技にも真摯に向き合い、淀みなくソナの感情を表現した彼女の姿は、日本でもスクリーンを通して観客の胸に確かな印象を残すだろう。
ダヒョンはすでに映画『全力疾走』(原題)やドラマ『Love me』(原題)など次回出演作も決定している。それでも、『あの夏、僕たちが好きだったソナへ』が俳優としての第一歩を踏み出した記念すべきデビュー作として、多くの人々に愛されることを願うばかりだ。
(取材・文=姜亨起/ピッチコミュニケーションズ)
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