俳優クァク・ドウォンが、芸能活動に復帰する。2022年に飲酒運転が発覚して活動を自粛して以来、およそ3年ぶりの動きとなる。
劇団「縁側」は8月5日、演劇『欲望という名の電車』を10月9日・10日に国立劇場タルオルム劇場で上演すると発表した。出演者リストにはクァク・ドウォンの名前も含まれており、事実上の復帰作となる見通しだ。
『欲望という名の電車』は、アメリカの劇作家テネシー・ウィリアムズの代表作で、映画化作品としても広く知られている。日本では2024年に沢尻エリカ主演で舞台上演されたことも記憶に新しい。
クァク・ドウォンが演じるのは、“欲望と暴力の象徴”と評される、兵隊あがりの工場労働者・スタンリー。日本版では伊藤英明が演じた役だ。ヒロインのブランチ役はソン・ソンミとハン・ダガムがダブルキャストで務め、ステラ役にはオ・ジョンヨン、ミッチ役にはペ・ギソンが名を連ねる。
主演映画の監督も苦言
なお、クァク・ドウォンは2022年9月、済州島(チェジュド)で飲酒運転の疑いにより立件された。当時、済州市内を約11kmにわたって酒気帯び状態で運転し、信号待ちの際に車内で眠っていたところを発見されて摘発された。
済州地裁は2023年6月、道路交通法違反で1000万ウォン(約100万円)の罰金を科す略式命令を下している。その後、クァク・ドウォンはすべての芸能活動を自粛し、映画界からも姿を消していた。

主演映画『消防士 2001年、闘いの真実』は昨年に韓国で公開されたが、制作報告会やインタビューなどには一切登場しなかった。当時、監督のクァク・ギョンテクは「もっと大きな責任を負うべきだ。憎くて悔しい」と厳しい言葉で批判し、距離を置く姿勢を見せていた。同作は今夏、日本でも公開されている。
こうした経緯から、今回の舞台はクァク・ドウォンにとって、観客の反応を久しぶりに直接確認できる機会となる。映画やドラマといった大衆メディアへの本格復帰に先立ち、限られた観客との接点を選んだ形だ。
業界関係者の間では「この舞台が復帰の第一歩になるのではないか」と見る声もあり、今後の動向に注目が集まっている。