GKキム・スンギュ（34）のFC東京加入は、ホン・ミョンボ監督率いる韓国代表にとって“プラス”に働くかもしれない。
FC東京は6月7日、キム・スンギュの完全移籍加入を発表した。かつて2016～2019年にヴィッセル神戸、2020～2022年に柏レイソルでプレーしたキム・スンギュは、日本で3クラブ目となるFC東京で新たな挑戦に臨む。
そもそも、今回のFC東京移籍はキム・スンギュにとって“再起”の意味を持つ。
キム・スンギュはアジアカップ期間の昨年1月18日、右膝の前十字靱帯断裂という大怪我を負った。
その後、昨年8月に当時所属したサウジアラビアのアル・シャバブで実戦復帰し、同年10月には韓国代表にも選ばれていたが、同年11月に再び右膝の前十字靭帯を断裂。2024年の1年間だけで2度も同じ部位を負傷、それも前十字靭帯断裂という重傷を経験していた。
FC東京で「復活」なるか
ただ、キム・スンギュは懸念されたよりも早い時期に新天地が見つかった。
現在、FC東京はJ1リーグで降格圏内の20チーム中18位に沈み残留争いの真っただ中。さらには、GK野澤大志ブランドン（22）のベルギー移籍も確実視されている。そんななか、“負傷歴”こそあれど豊富なJリーグ経験とアジアトップクラスの技量が認められ、キム・スンギュが迎えられることになった。
キム・スンギュのFC東京加入は、韓国代表にとって大きな朗報と言える。
キム・スンギュはA代表通算81試合出場の実績を持ち、2014年ブラジル大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会と3大会連続でワールドカップを経験した。特に、直近のカタール大会では正守護神として韓国の12年ぶりベスト16進出に大きく貢献した。
そんなキム・スンギュが不在となって以降、韓国代表のゴールマウスはGKチョ・ヒョヌ（33、蔚山HD）が守っている。瞬発力を活かした安定感のあるセービングに加えて課題のビルドアップ力も向上しており、「8年連続Kリーグ1最優秀GK」の実績にふさわしく、“国内No.1GK”として確固たる地位を築いている。
また、チョ・ヒョヌのバックアップとして、現在のホン・ミョンボ監督体制の韓国代表ではGKキム・ドンホン（28、金泉尚武）、GKイ・チャングン（31、大田ハナシチズン）、GKキム・ギョンミン（33、光州FC）らが招集を受けてきた。
仮にキム・スンギュがFC東京で本来のパフォーマンスを取り戻せば、ホン・ミョンボ監督もW杯本大会に向けてGKの選択肢を増やすことができる。
現在は事実上の“チョ・ヒョヌ一強体制”だが、キム・スンギュ復帰で競争をもたらし、個々の技量向上にも期待できる。
2026年北中米W杯を1年後に控えた今、キム・スンギュがFC東京で“復活”を果たし、韓国代表に再び名を連ねることができるか。慣れ親しんだ日本の地で好パフォーマンスを披露してくれることを楽しみに待ちたい。
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