【ひとりでいけるもん!Vol.6】漢の寒中水泳、海は貸し切り | RBB TODAY
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【ひとりでいけるもん!Vol.6】漢の寒中水泳、海は貸し切り

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人がほとんどいない冬の海にやってきました!
  • 人がほとんどいない冬の海にやってきました!
  • 寒中水泳中止の可能性を信じて雨雲をチェックするも雨雲なし
  • 気温は8度。体感温度は6度。文句なしの寒中水泳日和にガッカリ
  • 覚悟を決めて冬の海に向かう!
  • 振り向いたら三脚の向こうにカップル。いろんな意味で暖かそう!
  • 海に入ると意外と楽しい! 寒いけれど!
  • 潜ってみたりもした! 空も曇天で水も結構濁っていた!
  • 寒中水泳後に浜辺に上がると結構な達成感で清々しかった!
 河川や海岸で行われる冬の風物詩「寒中水泳」。寒水とも言われ俳句では冬の季語にもなっている。別段難しいことではなく冬の海で泳ぐだけのことである。もっとも簡単なのは説明だけで、実際にやるとなると簡単ではない。なぜなら寒いからだ。

 一般に海や川で泳ぐのは夏の暑い日の出来事。それを冬にやるとなると、かなりの覚悟が必要だ。だって寒いから。冬の海岸に行っても夏のように人がいないのはそのためだ。

 しかし、今の私にはスマホがある。スマホがあれば、寒中水泳だってすんなりできてしまうのではないだろうか。スマホとはあらゆる可能性を与えてくれるのだ、と自分に言い聞かせ、冬の海へと向かった。

■人がいない冬の海!

 夏の海水浴はどうにもひとりでは行く気がしない。それはひとりで行く海水浴というハードルの高さもあるし、人が多くて自由に泳げないという理由もある。

 それがどうだろう。冬の海は夏のにぎわいはどこか遠く、人はいないに等しい。遠くにはサーフィンなどのマリンスポーツを楽しむ人はいるけれど、夏のように浜辺で泳ぐという人は皆無。そんな浜辺に寒中水泳を行いに私はひとりやって来たわけだ。

 寄せては返す波の音が聞こえる。その音を打ち消すかのように冷たい冬の海風が私を攻める。夏の海と冬の海、どちらが自分に馴染んでいるかと考えると、残念ながら冬の海ではあるが、とにかく寒い。これはもう冬の海に来た、という事実だけで、どうにか終わりを迎えることはできないかと模索し始める。要するに寒くて寒中水泳をしたくないのだ。

 その模索に役立つのがスマホである。たとえば雨が降り出したらどうだろう。それは危険だ。いくら私が寒中水泳をしたくても、雨が降ったら海に近づいてはダメなのだ。スマホがなかった時代は、その可能性に賭けて寒い浜辺で雨を待ったことだろう。しかし今は便利なものでスマホで雨雲の様子をリアルタイムで知ることができる。浜辺で待つ必要はないのだ。

■雨は降らない

 「雨かしら?」というアプリで雨雲の様子を見た。日本全国の雨雲を地図上に表示するアプリだ。そして分かったのは、いくら待っても雨は降らないという事実である。寒中水泳を公式にあきらめることができるのは天気くらいなので、これでやめるという望みはほぼ絶たれたことになる。

 わずかな可能性を信じて「Thermo」という現在地の気温が分かるアプリで今の気温を調べる。万が一、気温が15度くらいあったら、秋くらいの気温なので寒中水泳にはならない気がする。だったら泳がない。寒中水泳をしに来たのだから10度は切ってないと。そう思ったのだけれど気温は8度だった。体感温度は6度らしい。スマホは友達と思っていたが、どうも違うらしい。より厳しい現実を突きつけてくれた。

 波が高いと無理だよな、と思ったけれど、それはスマホを必要とするまでもなく目視で分かる。低い。カップルだらけのところにひとりで行くのもツラいが、こういうタイプのひとりもツラい。別に寒中水泳大会というわけでもないので、寒中水泳後に豚汁があったりするわけでもない。ひとり冬の海に来て、ひとり冬の海で泳ぎ、ひとり冬の海から帰って行くのだ。

 それと完全な余談ではあるが、この日、朝起きたら信じられないことに我が家の電気が止まっていた。そのためなのか、冬の海がますますよく似合った。泳ぐとさらに似合う気がした。寒中水泳を行う条件は全て揃ってしまった感がある。

■冬の海で泳ぐ楽しみ

 もう寒中水泳をするしかないと覚悟を決め、コートを脱ぎ、ズボンを脱いで、半袖シャツにハーフパンツという泳げるスタイルになる。その時点で寒いのに、これから海に入る事実が自分でも飲み込めない。でも、この寒中水泳は誰かにやれ! と言われたのではなく、冬の風物詩ということで自分でやると言い出したので仕方がない。

 撮影用に波打ち際に三脚を立て、カメラのタイマーを仕掛け海へと入った。水が噛み付く。冷たいを通り越して痛い。そんな痛さに耐えつつ、カメラの方を向かなきゃ、と振り向くとカップルが手をつないで歩いていた。何だろう、この差は。向こうは二つの意味で暖かそうだ。こっちは家の電気まで止まっているのに。

 とは言いつつも、海に入ってしまうと意外にも楽しい。潜ったり、バタ足してみたり、夏の人が多い海では感じることができないであろう、「この海は俺の貸し切り」という感覚が味わえるのだ。もっとも寒さを忘れることができるかというと、それは全く別の話で、キチンと寒い。なので、長い時間は無理だった。

 寒中水泳を終え、浜辺に上がって来た時の達成感が素晴らしい。入る前にスマホを使ったおかげでダラダラとしていない分、自分が男でなく漢になった感じがするのだ。漢中水泳なのだ。なんだか清々しい気持ちで家に帰ることができた。スマホで寒中水泳、アリだ。もっとも家に帰ったら電気が止まっているので、物理的にも心理的にも暗くなってしまったが、それは別の話だ!

ひとり寒中水泳
オススメ:★★★
ハードル:★★★★
漢:★★★★★
《地主恵亮 》
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