インテル、7年後のエクサスケール時代に向けたデータセンター事業戦略「Cloud 2015」 | RBB TODAY
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インテル、7年後のエクサスケール時代に向けたデータセンター事業戦略「Cloud 2015」

エンタープライズ ハードウェア
MIC搭載の開発用PCIカードKnights Ferryを手に説明するスカウゲン氏
  • MIC搭載の開発用PCIカードKnights Ferryを手に説明するスカウゲン氏
  • オープニング
  • インテル コーポレーション 副社長兼 データ・センター事業部長のカーク・スカウゲン氏
  • インテル コーポレーション 副社長兼 データ・センター事業部長のカーク・スカウゲン氏
  • インテル コーポレーション 副社長兼 データ・センター事業部長のカーク・スカウゲン氏
  • インテル コーポレーション 副社長兼 データ・センター事業部長のカーク・スカウゲン氏
  • 東京大学 情報基盤センター長 の石川裕氏
  • 東京大学 情報基盤センター長 の石川裕氏
 インテルは31日、都内で「インテル・エンタープライズ・アップデート」を開催した。今回は、インテル コーポレーション 副社長兼 データ・センター事業部長のカーク・スカウゲン氏が来日してプレゼンテーションを行った。

■エクサスケール時代には現在の最高性能スパコンより100倍以上の性能が要求される

 今回のプレゼンテーションでは、インテル メニー・インテグレーテッド・コア(以下MIC) のアーキテクチャー アップデートを中心として、同社のデータ・センター戦略「Cloud 2015」ビジョンとエクサスケール時代に向けた取り組みを紹介。さらに、東京大学の大学院情報理工学系研究科 コンピュータ科学専攻 教授で、情報基盤センター センター長である石川裕氏が「メニイコア搭載クラスタによる高性能計算環境」をテーマに講演した。

 まずスカウゲン氏は、インテルのデーターセンター事業のビジョン「Cloud 2015」を説明。「ユーザー数、デバイス、データ量がこの数年で急速に増加しており、インテルでは2015年には2009年比でストレージ出荷容量は6.7倍、トラフィックは1000エクサバイト以上になると予想している」(スカウゲン氏)。こうした中で、インテルでは開かれたデータセンターの推進を目指して「Open Data Center Alliance(ODCA)」を組織、業界の協業によるIT部門の支援に取り組んでいく姿勢を表明した。

 このODCAは、クラウドに対するユーザーニーズを文書化し、利用モデルの策定、クラウド普及を妨げる問題の解決、アライアンスメンバー間の協力による投資促進といった活動を行う。さらに同社では、データセンターをはじめとするクラウド・インフラストラクチャーの構築や運用を容易にするための業界横断的な取り組みである「インテル クラウド・ビルダーズ」を紹介。ホスティング・サービス会社、通信事業者、サービス・プロバイダーなどの支援のため、インテルが先頭に立ってこのオープンソリューションを主導し、クラウド業界の多くの大手企業を集めてノウハウを蓄積し、リーダーシップを発揮していくことを表明した。

 次いでスカウゲン氏は、エクサスケール時代への以降を加速させるための取り組みを披露。「7年後の2018年にはエクサスケール(エクサは10の18乗)を実現する」(スカウゲン氏)と明言するが、その条件には、現在最速のスーパーコンピューターの100倍のパフォーマンスを2倍程度の消費電力で実現しなければならないという。

 インテルではMICアーキテクチャー採用の製品とXeonプロセッサーの組み合わせによってエクサスケールの世界を手元に引き寄せようとしている。インテルMICは、高度な並列パフォーマンスと22nmプロセスへの微細化による消費電力の低減、さらに幅広いプログラミングモデルが特徴のx86開発ツールが利用できるといった利点をもつからだ。


■並列処理の性能向上で大規模データ解析をより容易に

 今回ゲストとして、MICアーキテクチャーを組み込んだシステムを実際に運用している東京大学の情報基盤センター長、石川裕教授が講演した。

 石川氏は「現在の研究においては数値計算のみならず大規模なデータ解析が主流を占めており、研究においてはI/O性能のみならず、浮動小数点演算や並列処理の性能も要求される」と説明。インテルのMICを選択した理由として、はx86アーキテクチャの持つ汎用性や、システムアーキテクチャを開示しているインテルの姿勢やサポートも評価したと述べた。

■オープン化とアライアンスを主導し、エクサスケールへの取り組みを継続

 石川氏のスピーチが終わると再びスカウゲン氏が登場し、これまでのXeonのロードマップを説明。最新の「Sandy-Bridge-EP」の開発コードを持つ最新モデルは、最大8コアや拡張命令セットの「インテルAVX」等によりパフォーマンスの向上を図るとともに、PCI Expressの統合によるレイテンシーと消費電力の削減、 6Gb SASのプラットフォーム統合によるローカルメモリーの効率向上を実現している。「インテルでは今後も、標準規格に基づいたオープンなクラウド環境の実現に向けて、各社と協力してエクサスケールに向けた取り組みを引き続きおこなっていく」として、プレゼンテーションを締めくくった。
《北島友和》
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