「IS03は好調。だが他社へ追いつくには時間が必要」……KDDI田中社長就任会見 | RBB TODAY
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「IS03は好調。だが他社へ追いつくには時間が必要」……KDDI田中社長就任会見

エンタープライズ 企業
KDDI 田中孝司代表取締役社長
  • KDDI 田中孝司代表取締役社長
  • 「IS03の販売は好調だが、他社へ追いつくにはまだ時間がかかると思っている。ラインアップという形でユーザーに浸透しなくてはならない」とコメント
  • KDDIの今後の成長に関連する5つの変化
 「2007年度までの右肩上がりの時代に慢心してしまった。これを反省し、今後はお客様に一番近い通信事業者を目指していく」。

 18日に発表された個人向け携帯電話サービスの顧客満足度調査にて、2年連続で死守したトップの座をドコモに明け渡したことを指摘されたKDDIの田中孝司代表取締役社長は、このように述べた。

 1日に実施された田中社長の就任会見にて、同氏は経営方針を語った。その中で今後の方向性として、固定ネットワークやモバイルネットワークなど、同社のマルチネットワーク、マルチデバイスをベースにした新たなビジネスモデルの創造や、海外市場におけるコンシューマー事業の拡大などをあげた。また田中社長は同社の今後の変化の要素として、「デバイス」「ネットワーク」「競争軸」「ビジネスモデル」「グローバル化」の5つに触れた。

 まず「デバイス」面で起きている変化として、フィーチャーフォンやスマートフォン、タブレット端末、通信機能を搭載した家電などが登場し、マルチデバイス化が起きていると述べた。田中社長は、今後もスマートフォンのラインナップを強化していく点を改めて強調。来期の前半における、全端末の半分以上の機種がスマートフォンになる予定だという。販売台数に関しては、今後の販売状況を見ながら決めていくとしている。IS03をスマートフォン販売における巻き返しのきっかけにしたいとしたうえで、「IS03の販売は好調だが、他社へ追いつくにはまだ時間がかかると思っている。やはりこの世界は、ラインナップという形でユーザーに浸透しなくてはならない。ただ我々は必ずや追いつくつもりでいる」と語った。

 「ネットワーク」については、現在同社がFTTHを提供する固定ネットワークや、モバイルネットワーク、さらにはWiMAXや2012年ローンチ予定のLTEなど、様々なネットワークを保有している点を強調。これらのマルチなネットワークを利用して、新たなビジネスモデルを創造していくとした。また今後スマートフォンの普及によりトラフィックの増加が見込まれるが、同社の複数のネットワークをシームレスに利用してコントロールしていくという。

 マルチネットワーク保有によるシステムの運用コストの増大が懸念されるのでは、との記者からの質問に対して田中社長は、「3Gの時代には、全国ネットワークの敷設に1兆円はかかるというレベルだったが、WiMAXのネットワークであれば、現在のカバー率60~70%を1,000億円程でできている。また3.9Gなどの次世代ネットワークではノードのコストが非常に安い。そのため複数の無線システムがあっても、コスト面では問題ではない」との認識を示した。

 また「ビジネスモデル」としては、前述のように、同社保有の複数のネットワークを元にした新しいオープンなビジネスモデルを作っていく必要があるとした。

 「グローバル化」においては、ビジネスモデルを国内中心からグローバルへ広げていく意向を表した。特に現状ではプレゼンスが弱い、海外市場におけるコンシューマ向け事業の拡大を目指すという。特に文化や距離が近いアジアの国々に重点を置き、現地企業とのM&Aも視野に入れていく。

 2008年に小野寺正元社長が、5年以内に海外売上2,000億円を目指すとした点について、田中社長は「小野寺が言った2,000億円というのは、法人向けの海外戦略をベースした数字。今回は海外におけるコンシューマービジネスも含めているので、数字については上方修正する可能性がある」と述べたうえで、「(2,000億円は)数年前にあげた数字なので確実に達成していく自信がある」と強調した。コンシューマービジネスも含めた海外市場での売上額については、来年の4月の決算発表時に紹介する予定だという。
《RBB TODAY》
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