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アドビシステムズ、Flashテクノロジの未来像を紹介

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ダイナミックメディア担当グループプロダクトマネージャ クリス・ホック氏
  • ダイナミックメディア担当グループプロダクトマネージャ クリス・ホック氏
  • Flash Videoの利点を「すぐに見られる」「カスタマイズ」「インタラクティブ」の3つのキーワードで紹介した
  • Flash Media Serverは、メディア配信者が安心・確実にFlashメディアコンテンツを配信できるプラットフォームであるだけでなく、様々なプラットフォームのユーザーが利用する、ソーシャルメディアアプリケーションの開発と配信を可能にすると語った
  • Flash Media Serverの提供方法は、ソフトウェアのライセンス販売と、ASP型のストリーミングサービスによるものの2種類用意される
  • 動画の編集をブラウザベースで行うことのできる「Photobucket」。広告収入で運営されており、ユーザーは無償で利用することができる
  • カメラで撮影した映像をリアルタイムでエンコードし、映像のストリーミング配信が行えるFlash Media Encorder
  • Flash Media Encorderの操作画面。画面上のメニューをマウス操作することで、細かい設定も簡単に変更することができる
  • Flash Media Encorderは右下に書かれたURLからダウンロードして使用することができる
 アドビシステムズは、「Flashテクノロジーによるリッチメディア配信・閲覧ソリューションの未来」と題したプレス向け説明会を開催し、Flash Videoのストリーミング配信サーバとなる「Flash Media Server」、カメラで撮影した映像をリアルタイムにストリーミング配信を行うことのできる「Flash Media Encorder」、Flash Video形式の映像をオンラインだけでなく、オフラインでも視聴することのできるメディアプレーヤ「Adobe Media Player」の紹介を行った。

 Flash Media Server、およびFlash Media Encorderの紹介を行ったのは、ダイナミックメディア担当グループ プロダクトマネージャのクリス・ホック氏で、冒頭にオンラインビデオ広告市場が拡大している点や、Flash Videoの利点について解説を行った。クリス氏がFlash Videoの利点として挙げたのは「すぐに見られる」「カスタマイズ」「インタラクティブ」の3つのキーワードだ。

 すぐに見られるというのは、Flash Playerが広く普及し、クロスプラットフォームの環境に対応しているため多くのユーザーをカバーできるということ。カスタマイズについてはコンテンツ提供者がFlash Playerのユーザーインタフェースを自由に変更できる事、インタラクティブに関しては他の動画形式と異なり、ユーザーの操作によって様々なアクションを起こす事ができるため、視聴者に積極的な関わりを持たせられるといった事だ。

 話はメディア配信者側へと移り、「Flash Media Server」はメディア配信者が安心・確実にFlashメディアコンテンツを配信できるプラットフォームであるだけでなく、様々なプラットフォームのユーザーが利用する、ソーシャルメディアアプリケーションの開発と配信を可能にするものであると言葉を続けた。そして、Flash Media Serverは、ソフトウェアのライセンス販売と、ASP型のストリーミングサービスの2種類の提供方法が用意されていることが紹介された。

 ソフトウェアのライセンス販売を選んだ場合、ユーザーはWindowsあるいはRed Hat Linuxが動作するシステムにインストールすることでFlash Media Serverの利用が可能となる。ASP型ストリーミングサービスを選択した場合、ユーザーはコンテンツ配信サービスを行う企業(国内はJストリーム)と契約し、用意されたFlash Media Serverの機能を利用することになる。

 次にクリス氏が紹介したのは、動画の編集をブラウザベースで行うことのできる「Photobucket」というサービスだ。Photobucketでは動画編集ソフトのようなインタフェースを操作することで、複数の動画を1本の動画にまとめたり、特殊効果を挿入したり、映像に合わせて音楽を入れるといったことが行えるそうだ。なお、Photobucketは広告収入を得ることによって運営されており、ユーザーはIDを登録すれば無償で利用する事ができるとのこと。

 続いてクリス氏が紹介したのはカメラで撮影した映像をリアルタイムでエンコードし、映像のストリーミング配信が行えるFlash Media Encorder(以降、FME)についてだ。これは、Windows Media Encoderや、Real Producerといったソフトの対抗製品といえるものだ。クリス氏によると直感的なGUIで使いやすく、動画のコーデックでVP6を選択可能としているため、高品質な映像を配信することができると語った。

 リアルタイムの動画ソリューションとしては、既存のFlashアプリケーション(SWF形式)とFMCの2つが存在することになるが、クリス氏はSWFは遅延の少ないSparkエンコーダを使用しているので、リアルタイムコミュニケーションが要求されるオンラインチャットなどに適し、一方のFMEはコンサート、スポーツイベント、Webキャストなどライブイベントでの利用に適しており、2つの技術が棲み分けられる事を紹介した。
 
 クリス氏の次に登壇したのは、ダイナミックメディア担当グループプロダクトマネージャのクレイグ・バーベリッチ氏で、4月に米国で開催された放送メディアの総合イベント「NAB(National Association of Broadcasters)」で発表された、動画再生用のアプリケーション「Adobe Media Player(以降、AMP)」の紹介とデモンストレーションを行った。

 AMPは名称から推察できるとおり、メディアの再生や管理が行えるほかに、コンテンツプロバイダのポータル的な役割も担っている。AMPでは複数のコンテンツプロバイダを切り替えると、ビジュアルテーマも切り替わるといった、直感的なユーザーインタフェースが採用されている。コンテンツはオンライン・オフラインいずれの状態でも再生可能で、コンテンツプロバイダは、ダウンロード、ストリーミング、ライブ配信など、用途に応じて様々な形態でコンテンツを提供することができる。

 なお、コンテンツは有償のものだけでなく、無償のものも用意され一部のコンテンツは、AMPに表示される広告を視聴することで無償となるといった事も可能とのこと。また、コンテンツはDRMによる著作権保護がされているため、ストリーミング映像のキャプチャや、ダウンロードで入手したコンテンツの改変、他のPCでの視聴などを防ぐことができるそうだ。

 クレイグ氏は、「インタラクTVと呼ばれるものは、これまで何年にも渡って語られ続けててきたが、Flash VideoとFlashテクノロジによって実現できるようになった」と語った。最後にクレイグ氏はAMPの北米での開発スケジュールについて触れ、夏までにベータ版を公開し秋には正式版を公開できるだろうと語り、日本語版については2008年の早い段階に提供できるだろうとしている。
《青木聡史》
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