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USEN、ナムコから子会社の日活を買収へ

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 USENとナムコは、ナムコの子会社である日活の発行済み株式の過半をUSENに譲渡する検討を始めることで合意した。併せて、さまざまな面における協業の可能性についても検討を始める。

 1911年(大正元年)に設立された日活は、1956年(昭和31年)の映画『太陽の季節』『狂った果実』など、数多くの映画を製作・配給して来たが、1993年に会社更生手続開始の申し立てを行い、事実上倒産。1996年に更生計画が認可され、1997年にはナムコの子会社となり、2001年に更正手続が終結している。

 総合エンターテインメント企業であるナムコは、日活(当時は「にっかつ」)への支援の過程で、1996年に開業した昭和30年代をテーマとするテーマパーク「ナムコ・ナンジャタウン」において日活のコンテンツ資産を活用するなどの効果を上げた。1997年には新資本金30億円を投資して子会社化し、グループ内の映画・映像事業の中核と位置づけて、ナムコのデジタルコンテンツとのシナジー効果を追求して来た。

 USENは有線放送事業、カラオケ事業、FTTHによるブロードバンド事業の3事業を軸に展開しており、昨年から「デジタルコンテンツプラットフォーマー」構想を掲げ、ギャガ・コミュニケーションズ(以下、GAGA)のグループ化、無料ブロードバンド放送「GyaO」の開始など、デジタルコンテンツの流通に注力している。

 今回の株式譲渡の検討は、USENがブロードバンド上でのコンテンツ配信事業において日活の有する映像コンテンツを活用することをナムコに提案し、ナムコもインフラを兼ね備えたUSENがイニシアチブを取ることが日活にとって良策であると判断したことによるものだという。

 USENは日活を買収する意義として、ブロードバンドでのコンテンツ配信事業における日活のコンテンツ資産の魅力に加え、GAGAを中心とする映像・コンテンツ事業に対して日活の有する事業、スキルにおける補完関係が大きいことを挙げる。GAGAでの洋画を中心とした買い付け・配給モデルから、邦画制作も行うバランスのとれたポートフォリオを確立し、制作から劇場公開、ビデオ・DVDなどの2次利用まで一貫して手がけるモデルの確立を構想する上で、日活の撮影所や興行網などが必要であるとしている。資金は手元資金で行なう予定だという。

 一方、ナムコは先月にも連結子会社で飲食事業を行うイタリアントマトの株式を一部売却して今期の連結から外すなど、エンターテインメントビジネスを核とした事業再編を行っており、今回の譲渡の検討もその一環であるとしている。今後は同社のコア事業であるコンテンツ事業とロケーション事業に集中的に資源を投下し、さらに強化を進めるという。

 なお、今回は両社から譲渡の検討に入ることが発表されたのみで、具体的な進展があった時点で、改めて発表するとしている。
《小笠原陽介》
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