ネットワークの性能劣化を検知し原因か所も特定できる技術を富士通研究所が開発 | RBB TODAY
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

ネットワークの性能劣化を検知し原因か所も特定できる技術を富士通研究所が開発

エンタープライズ その他
 富士通研究所は、ネットワーク性能の劣化と、その原因のか所が特定できる診断技術を開発した。すでに実環境で検証作業が行われており、実際にネットワーク上の異常なルータや劣化したアクセス回線の特定などの実績を上げている。

 これまでのネットワーク監視システムは、ネットワーク上に設置された多数のルータやサーバの統計情報を集約させることで、集中管理を行っていた。しかしこの手法だと、「Webへのアクセスが遅い」や「IP電話の品質が悪い」など「動いているが性能的に問題がある」といった障害に対しては十分に対応できないのが現状だ。

 今回、開発された技術では、性能分析と原因か所を特定できるため、このような障害でも即座に対応できるようになるとしている。

 この技術は大きく分けて2つの技術で構成されており、1つめはプロトコル処理も含めたパケットの送受信や流れを分析し、ネットワーク全体の状況を“量的”に把握するというもの。具体的には端末やサーバにて、パケットの往復にかかる時間、パケットロス率、ウィンドウサイズなどの値を取得する。さらにこれらの値をもとに、すべてのネットワーク機器が正常に動いていると仮定したスループットもシミュレーションできるようになっている。

 もう1つは、テスト用のパケットをネットワークに送信し、その挙動を分析することで、劣化の原因とか所を特定する技術。これにより、パケットロスの発生区間、ルータの設定ミスやメモリ容量不足、伝送路の劣化などがピンポイントで把握できるようになる。

 なお、富士通のサポート部門でもこの技術の実運用を開始しており、同社が提供する業務システムのプラットフォーム「TRIOLE」にも組み込まれる予定だ。
《安達崇徳》
【注目の記事】[PR]

特集

page top