足回りを生かした事業展開こそがCATVの鍵。CATVの反撃始まる(前編) | RBB TODAY

足回りを生かした事業展開こそがCATVの鍵。CATVの反撃始まる(前編)

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足回りを生かした事業展開こそがCATVの鍵。CATVの反撃始まる(前編)
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 国内においてブロードバントを作り出したインフラ。それこそがCATV事業者だ。テレホーダイが始まる前から数百kbpsという常時接続ラインをリーズナブルな価格で提供してきた。最近は、ADSLがシェアを延ばし、光サービスが登場したことで、ブロードバンドという市場を形成したCATVと市場を広げたADSL、次世代のインフラである光という図式で表されることが多い。さらに、最近では地上デジタル放送の登場により、CATVならではの美しい映像という特徴も他のインフラでも置き換えられるようになってきた。とはいえ、CATV業界はしっかりとしたインフラを所有する産業だけに、巨大インフラを使ったビジネスが動きだすと、世間に対して大きな影響をあたえ始める。そういう意味では、時代が切り替わろうとしている今こそが、CATVのチャンスともいえる。

 かつてCATV事業者が仕組んだ、「日本にブロードバンド環境を根付かせる」手段は、世間の概念をすべてひっくり返したものとなった。それまでのインターネット接続というと、接続時に従量の電話料金を支払い、インターネット接続料金も従量で支払うという2重の課金構造をもっていた。しかし、CATV事業者は接続インフラもインターネット利用料金もすべてが定額というを新たな概念を導入した。それができたのも、基幹も足回り回線もすべて自前だからだ。エンドユーザに100kbps以上の速度を定額で提供したというそのモデルは、日本のインターネット接続の概念をすべてをひっくり返した。事実、NTTはテレホーダイを提供し、やがてフレッツISDNを世の中に投入することになる。

ZTVの吉田氏。実はCATVに定額サービスを仕込んだ張本人


■もう一度原点にもどろう。CATVの優位性は足回りと遠隔地への安定した通信にある

 CATV事業者が既成概念をひっくり返す完全定額という料金設定ができたのは、テレビ番組配信とネットワークサービスを融合したからだ。仕組み自体は簡単で、テレビ番組の再配信用として地域内に張りめぐらさせた光ファイバと同軸ケーブルネットワーク網にインターネットのデータを流す周波数帯域を確保することで、番組の配信とデータ通信を両立させた。本来は番組を流すべきチャンネルを減らし、かわりにインターネットのデータを流したというわけだ。この技術はADSLと似たようなものであるが、ADSLと根本的にちがう部分は、長距離でも速度が落ちずに利用できるようなプロトコル設計になっていることとだ。また、本来は番組再配信のために利用すべきチャンネルをデータ通信用に利用しているため、品質が保証されている。つまり、CATVインターネットの場合は、局から離れているから速度が出ないとか、回線品質が悪いので速度が出ないという言い訳は通用しない。

 そもそも、ほとんどのCATV事業者は、高品位の番組送信とデータ通信を実現するために、基幹部分を光ファイバで構築し、足回り部分を同軸ケーブルとするハイブリッドタイプの設計になっている。本来はクオリティを下げずに番組を再配信するものであったが、実はデータ通信を実現できるだけの品質を持ったネットワークインフラがそこにはある。

 もうひとつ、CATVならではの特徴がある。それは、各家庭への足回り回線を所持しているという点だ。NTTは全国規模で電話という足回り回線をもっているが、CATVは各社の提供エリア内で各戸へ番組を配信するための足回り回線をもっている。足回り回線をもっているということは、IP電話のようなピア-ピアのサービスを提供する場合、価格、サービス、品質で上位にたてる。CATV事業者は、巨人NTTに対抗できる足回り回線を所持する、数少ない事業者でもあるわけだ。むしろ、このメリットを大きく生かすことができるのであれば、CATV事業者は新たなビジネスを生み出すこともできるはずだ。≫ 後編へ
《公家幸洋》

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