【新幹線ネットVol.3】UQ WiMAXは使えるのか? ニンテンドーDSは!? | RBB TODAY
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【新幹線ネットVol.3】UQ WiMAXは使えるのか? ニンテンドーDSは!?

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N700系のぞみ(名古屋駅にて)
  • N700系のぞみ(名古屋駅にて)
  • ニンテンドーDSでもアクセスポイントを認識できた
  • 鉄道旅行派は大判時刻表を携帯する。いつでも「駅から時刻表」にアクセスできれば、重い時刻表を持ち歩く必要はない
  • 名古屋駅新幹線改札付近。パンフレットでインターネットサービスをPRしていた
 東海道新幹線の東京〜大阪間で無線LANシステムによるインターネット接続が始まった。Vol.1ではWeb閲覧からオンライン対戦ゲームまでの用途を、Vol.2ではスピードテストの結果や新幹線インターネットで改善すべき部分の提案を行った。最後は、UQ WiMAXとニンテンドーDSを試してみた。

◆「UQ WiMAX」&「UQ Wi-Fi」は良さそうだ

 今回は帰りの列車で「UQ WiMAX」の実験も行った。「UQ WiMAX」のサービスエリアは東京・横浜で始まっているという。JR東日本のプレスリリースによると、山手線内の各駅や京浜東北線の品川〜横浜間の各駅で使えるとのこと。UQ WiMAXの公式サイトでは新幹線では小田急江ノ島線を越えた東京寄りがサービスエリアになっていた。実験では新横浜駅到着5分前あたりから電波を受信し始めた。ただし、サービスに接続してもすぐに切れてしまう。

 その後、1分ごとにダウンアップを繰り返し、新横浜駅では接続できなかった。新幹線ホームとアンテナの間に障害物が多いのかもしれない。品川駅までもダウンアップが続き、品川駅停車中はアンテナマーク1本、速度は下り2.96Mbps・上り366kbpsだった。品川を出ると走行中でも接続を維持できた。速度は下り3.1Mbps、上り748kbps。アンテナマークは3本で、プレスリリース通りの環境になっているようだ。有楽町付近で一度ダウンしたので、電波の届きにくいところがあるのかもしれない。

 もっとも、この結果は「UQ WiMAX」本来の使い方ではない。無線LANの実験で「UQ Wi-Fi」が表示されたように、UQコミュニケーションズは「UQ WiMAX」の契約者に無料で「UQ Wi-Fi」を提供する予定である。今年秋以降、新幹線車内では「UQ Wi-Fi」を使えばいい。「UQ WiMAX」は今年夏までに名古屋、大阪に対応するとのことなのでエリアが広がった際に、新幹線で出張するスタイルで月額定額サービスを契約するなら、「UQ WiMAX」がベストチョイスとなりそうだ。実験で東京駅の銀の鈴で接続できたように、今回の調査では地上でのアクセスが格段によかった。実は東京駅の無線LANスポットでは「UQ WiMAX」の電波が届かなかった。しかし、ここは「UQ Wi-Fi」で利用できる。

 「UQ WiMAX」月額料金は4,480円と他の公衆無線サービスよりも高いけれど、都内に自宅があってUQ WiMAXが利用できるなら、固定回線が要らなくなるので割高感は薄い。ちなみに筆者が住む東京大田区では下り3.01Mbps・上り248kbpsだった。高画質動画やファイル転送には厳しいとはいえ、Webとメール程度の用途ならUQ WiMAXだけで足りる。今後定額のモバイルアクセスサービスを検討するなら「UQ WiMAX」も有力候補となりそうだ。

◆ニンテンドーDSも使用可能だが……

 最後に余談として、筆者の趣味で行ったもうひとつの実験に触れておく。それはニンテンドーDSによるWi-Fi接続だ。こちらは速度のテストができないので、とりあえずネット対戦が可能なゲームソフトを使ってみた。先に結論を書くと、ネット接続はできるものの、ゲーム対戦は不可だった。公衆無線LANに接続する場合、自宅の無線LANとは違って、WEPキーのほかに接続サービスのIDとパスワードが必要だ。ところが、ニンテンドーDSのゲームソフトにはログイン機能がない。これは当然のことで、ほとんどのゲームソフトはニンテンドーDS同士、あるいは自宅の無線LANでのネット対戦を考慮した設計になっている。

 ニンテンドーDSで公衆無線LANからインターネット接続ができるソフトは、今のところ「ニンテンドーDSブラウザー」のみである。筆者の無知をさらけ出すようで恥ずかしいけれど、Wi-Fiと聞いてニンテンドーDSなど携帯ゲームを連想する人が他にもいたら、残念ながら新幹線車内と友人宅間のゲーム対戦はできないと心得よう。遠く離れた友人宅へ新幹線で行く場合、ビクトチャットで待ち合わせ場所の地図を送ってもらえたら便利だし、楽しいと思ったけれど、できない。

 ただし、まったく手段がないわけではない。ノートパソコンに「ニンテンドーUSBコネクタ」を挿せば、ノートパソコン経由で公衆無線LANにアクセスできそうだ。親子で新幹線に乗り、親はノートでインターネット接続、子はニンテンドーDSで退屈しのぎ、という場面もあるかもしれない。しかし、私が親だったら、車中で子と対話を試み、景色を見せて鉄道旅行の楽しさを体験させるだろうが。

◆通信速度の維持に期待

 筆者はカバンの中に大判の時刻表を持っていた。それにもかかわらず、気が付くと、自分が乗っている新幹線の運行時刻を「えきから時刻表」で調べていた。mixiもメールも携帯電話の小さな画面よりPCの大画面の方が使いやすく、操作も早い。新幹線車内からのインターネット接続は快適だった。自宅でできることのほとんどが新幹線車内でもできる。

 この便利さが伝わり、利用料金や区間延長などの工夫があれば、今後はもっと利用者が増えるだろう。しかし、今後のN700系の増備や利用者増によって、通信速度は現在よりも低下する可能性はある。なんでもできるのは今のウチで、今後はJR東海が説明するとおり、「ビジネスユースには十分対応できる通信速度」に落ち着くのかもしれない。いや、その通信速度はぜひ維持してもらいたい。
《杉山淳一》
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