【FOE 2009 Vol.5】自治体との独自取り組みも九州地方で展開——QTNetのFTTH接続サービス「BBIQ」 | RBB TODAY
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【FOE 2009 Vol.5】自治体との独自取り組みも九州地方で展開——QTNetのFTTH接続サービス「BBIQ」

ブロードバンド その他
九州通信ネットワーク(QTNet)経営企画部長である阿部高己氏
  • 九州通信ネットワーク(QTNet)経営企画部長である阿部高己氏
  • BBIQの概要
  • BBIQの提供エリア。九州の43市27
  • BBIQの料金施策。利用料金は月額5,775円で、BBIQ光電話は月額315円と安価に設定している
  • BBIQ光電話の概要。0AB〜JのプライマリIP電話で、NTTの固定電話からのナンバーポータビリティが可能。BBIQ光電話の加入者同士の通話は無料となっている
  • BBIQ光テレビの概要。提供は鹿児島市内のみ。BBIQ、BBIQ光電話を契約しても合計で月額9,975円だ
  • BBIQレセプトオンライン接続サービスの概要。医療機関や薬局と審査支払機関をBBIQで接続する
  • 【左】九州のブロードバンドの普及率とエリア。普及率は43.2%で全国の56.9%よりも低い。また、ブロードバンドが提供されていない町村が7つある【右】都道府県別のFTTH普及率。九州では、福岡県が唯一、全国平均レベル。ほかの県は、全国平均よりも低い
 光ファイバーの総合イベント「第9回 ファイバーオプティクス EXPO」では、21日、九州通信ネットワーク(QTNet)経営企画部長である阿部高己氏によるセミナー「九州通信ネットワーク(QTNet)のブロードバンド事業戦略」が行われた。

 QTNetは、九州電力などが出資する通信事業者。通信の自由化により1987年に設立された。法人向けには専用線やVLANなどを、個人向けには2002年から最大100MbpsでISP一体型のFTTH接続サービス「BBIQ」を提供している。

 BBIQは、九州地方の43市27町で55%の世帯をカバー。2008年12月末現在で25万世帯が加入している。オプションサービスとしては、電話サービス「BBIQ光電話」のほかに、鹿児島市内では鹿児島光テレビと共同で多チャンネルテレビサービス「BBIQ光テレビ」も提供している。

 また、戸建て向けの利用料金が月額5,775円と安価であるのが特徴だ。また、BBIQ光電話の基本料金は月額315円で、ADSLで加入電話とインターネットを契約するよりも安い。そのほかに、マカフィーのウイルス対策ソフトが5台まで無料で利用できる。

 BBIQ光電話は、緊急通報などもできる0AB〜JのプライマリIP電話。NTTの固定電話からのナンバーポータビリティが可能で、加入者同士の通話は無料。BBIQ光テレビは、58チャンネルが楽しめる「ベーシック」と69チャンネルが楽しめる「プレミア」の2つのコースを用意。オプションチャンネルやPPVも利用できる。

 付加サービスとしては、音楽配信などのコンテンツ、PLCモデムのレンタル、PCの設定サービスなどがあるが、医療機関や薬局向けの「BBIQレセプトオンライン接続サービス」が特徴的だ。2011年度以降、医療機関や薬局、保険組合などでやりとりを行う診療報酬明細書(レセプト)をオンライン化する必要がある。BBIQレセプトオンライン接続サービスは、これを手助けする付加サービスで、医療機関や薬局と、レセプトの送信先である審査支払機関とを接続する。

 BBIQが展開する九州地方だが、ブロードバンドの普及率は43.2%で、全国普及率の56.9%よりも低い(2008年9月現在)。FTTHの普及率についても「福岡県が全国平均。宮崎県、佐賀県、長崎県は低い」という状態だ。さらに、全国でブロードバンドがないのは21町村だが、そのうち7町村は九州にある。

 世帯カバー率は55%で今後もエリアを拡大する計画だが、採算などを考慮しどこまでエリアを広げるかが問題だ。この問題を解決するため、QTNetと自治体では新しい取り組みを行っている。福岡県添田町では、局舎から光スプリッタまでのネットワークを自治体が構築。インターネットから局舎までと、光スプリッタからユーザ宅までのネットワークは、QTNetが設置した。これにより、採算がとれない地域でもFTTHが提供できるようになる。

 同社では、これらのほかにも自治体との連携を深めている。「ふくおかギガビットハイウェイ(FGH)」は県内の主要9都市に配置したアクセスポイントを設置し、2.4Gビットの光ファイバ回線を提供。企業に無料で開放。宮崎県では「宮崎情報ハイウェイ21」として、県内8ヶ所のアクセスポイントを拠点に、県と44市町村すべてを光ファイバーで接続している。

 阿部氏は、今後ブロードバンドが普及していくために、ハイビジョンでの映像系サービス(トリプルプレイ)などFTTHならではのキラーコンテンツの登場、パソコンだけではなくテレビ・ゲームなどの“ノンパソコン”利用者の増加も必要で、これらとともにサービス提供エリアの拡大と満足度の向上を行っていくことが不可欠だ強調した。
《安達崇徳》
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