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NEC社内のモバイル環境導入事例(前編)——利用者の9割が業務改善効果を実感

エンタープライズ モバイルBIZ
NEC IT戦略部マネージャーの中田俊彦氏
  • NEC IT戦略部マネージャーの中田俊彦氏
  • 2010年には自席以外で業務をすることが増えるであろうと予測
  • モバイルワーク活用状況
  • リモートアクセスインフラ
  • 最も頻繁にリモートアクセスを利用している時間帯が午前9時〜10時、午後17時〜18時
  • 無線LAN環境
  • 紙資料の持ち歩きが減った
 企業におけるモバイル活用の実態はどうなっているのだろうか?NECは都内で開催されたイベントにて、「モバイル環境の積極展開による社内ワークスタイル変革への取り組み」と題した社内導入事例を紹介した。

 NEC IT戦略部マネージャーの中田俊彦氏は、まず2010年のオフィスワーカーのワークスタイルについての仮説を挙げた。それによると、会社の自席以外の場所で業務を行う機会が増加し、社内会議室や拠点などでも業務を遂行するように。また、いわゆる通勤時間などの“すきま時間”に業務を遂行する機会も増え、業務用OAツールはPC(シンクライアント含む)と携帯電話(スマートフォン含む)の2つを使い分けるようになると予測している。なお、携帯電話でできる業務もしだいに増加するが、携帯電話がPCの代替ツールまでにはならないだろうとしている。

 NECではリモートアクセスのインフラ、無線LANをグループ共通のインフラとして使い、モバイルワークを推進している。また、携帯電話を業務用のOAツールとして活用。具体的には携帯業務活用基盤(モバイルポータル)によって、グループウェアや業務システム(交通費清算、出張承認)などとの連携がとられている。10月時点のデータとして紹介された規模は、NECグループで24,000人がリモートアクセスを、11,000人が無線LANを、3,800人がモバイルポータルを利用しているという。

 NECのリモートアクセスのインフラはイメージとワンタイムパスワードを融合させたマトリクス認証方式をとっているという。ユーザーがSSL-VPN機器を通してWEBにアクセスするとログイン画面およびワンタイムパスワード認証画面が表示される。IDおよびパスワードとして事前に登録しておいたイメージに当てはまる数字を入力してログインする。このほか、グループ(部門)単位で接続先IPアドレス、ポートを制限したり、利用ログのメール通知なども行っている。時間帯別の利用分布データを見てみると、最も頻繁にリモートアクセスを利用している時間帯が午前9時〜10時、午後17時〜18時となっており、直行・直帰の増加に寄与していると推定している。また、帰宅後の利用割合も多いのが特徴となっている。

 無線LANについては、音声・データをワイヤレスで統合したネットワークを実現し、NEC社内のディレクトリシステムと連携することで運用管理を集中化している。電話のインフラとしてみた場合には、無線IP携帯電話「N902i」1万台が110拠点で使われている。携帯電話の業務活用基盤(モバイルポータル)を構築し、メール、スケジューラ、グループウェアから人事関連の承認など業務システムまで、個別の認証が不要なシングルサインオンで使えるようになっている。このモバイルポータルは今月中に3キャリアに対応予定だ(現在はNTTドコモだけ対応)。このような無線LAN環境によって、利用者の9割が業務改善効果を実感しているという。また、会議室などへのPCの持込が日常化するとともに、ペーパレスでの会議スタイルが増え(紙資料の持ち込みが40%削減)、イントラネットへの接続時間が利用者一人当たり約100分/日増加したとしている。
《RBB TODAY》
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