WiMAXで日本のモバイルもIMTファミリに——WiMAX Forum日本オフィス | RBB TODAY
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WiMAXで日本のモバイルもIMTファミリに——WiMAX Forum日本オフィス

エンタープライズ その他
WiMAX Forum副代表 モハマンド・シャクリ氏、日本オフィス副代表 庄納崇氏(インテル 研究開発本部主幹研究員)、日本オフィス代表 齊藤忠夫氏(東京大学名誉教授)
  • WiMAX Forum副代表 モハマンド・シャクリ氏、日本オフィス副代表 庄納崇氏(インテル 研究開発本部主幹研究員)、日本オフィス代表 齊藤忠夫氏(東京大学名誉教授)
  • “IMTファミリ”への仲間入り
  • モバイルWiMAX技術のビジョン
  • 標準化プロセス
  • 3G携帯とWiMAX
  • WiMAX Forumボードメンバー 沖中秀夫氏(KDDI 執行役員技術渉外室長)
 「WiMAX Forum」の日本オフィスが9月3日、同組織の活動内容を紹介する記者発表会を開催した。

 WiMAX Forumは、WiMAX製品の普及と認定を目的としたNPO法人で、今年末までにメンバー数が500を突破すると見られている。「世界のWiMAX加入者は今後4〜5年で5,000〜6,000万規模になり、WiMAX対応家電の急増が予想される」(WiMAX Forum副代表 モハマンド・シャクリ氏)状況のなか、モバイルWiMAXの機器認証が今年末から開始、最初は2.5GHz、3.5GHzに焦点を置くが、2009年にはIMT-Advancedとしての「802.16m」の標準化を目指す。

 日本オフィスは今年6月、世界で4番目のオフィスとして設立され、事務局はインテル社内に置かれている。代表には東京大学名誉教授 齊藤忠夫氏、副代表(技術担当)には慶應義塾大学環境情報学部教授 小檜山賢二氏、そして副代表(企画担当)にはインテル 研究開発本部主幹研究員 庄納崇氏がそれぞれ任命されており、現在のメンバー企業は20社。

 日本オフィスでは、国内におけるWiMAXの技術とサービスの普及促進を図り、全国規模でのWiMAX展開を目指した活動に重点を置く。当面の活動としては「国内の普及に際し直面する課題の解決を行う」(副代表 庄納氏)という。すでに2つのワーキンググループが活動しており、「テクニカル&レギュラトリーWG」では、オープンなWiMAXネットワーク普及に障害となる規制問題や技術的課題に対して取り組み、具体的には端末スペクトルマスクの国際的調和や電波利用料、ユーザー/端末認証をターゲットとする。また「アプリケーション&マーケティングWG」では、魅力的なアプリケーションを見い出すこと、モバイルWiMAXが全国バンドの2ライセンスに割り当てられること、を目指し、セミナー開催や書籍出版などの積極的なマーケティング活動を行っていく。

 日本オフィス代表の齊藤氏は、「インターネット型の標準化は、まず実装製品をつくってから標準化し、その次からは最初の製品と相互接続させる、というだけのプロセス。WiMAX Forumはこういったプロセスではなく、従来型の標準化、すなわち“標準化─詳細標準(プロファイリング)─テストの標準化─実装─コンフォーマンステスト─相互接続試験”というプロセスをたどり、きっちり相互接続させていく」と語った。また3G携帯のシステムと対比させ、端末とサービスが独立した、各レイヤプロトコルの相互接続性をとっていくオープンシステムであるとも述べた。

 来賓として挨拶したインテル 代表取締役共同社長 吉田和正氏は、「Wi-Fiで普及したモバイル環境を、WiMAXで長距離化することによりさらなる利用形態の広がりを図ることが、インテルの使命である」と述べ、WiMAX Forumに引き続き日本オフィスの活動も積極的にサポートし、WiMAX製品の提供に注力するとした。

 またWiMAX ForumボードメンバーであるKDDI 執行役員技術渉外室長 沖中秀夫氏も登壇し、「日本の携帯電話は、モバイルでありながら海外で使えない」ことに言及し、「WiMAXが日本にとって初めての、同じ仕様・同じ周波数の規格」と語った。しかしながら現状、日本では2.5GHz帯の前後に衛星通信があるため、これによる制約が生じる。沖中氏は「日本の制約を世界共通のプロファイルに反映し、また逆に世界のプロファイルを日本に反映していく」と日本における役割を語った。
《柏木由美子》
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