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インテル、新モバイルプロセッサー2種と対応チップセットを発表

エンタープライズ モバイルBIZ
発表されたプロセッサーとチップセット
  • 発表されたプロセッサーとチップセット
  • インテル株式会社代表取締役共同社長の吉田和正氏
  • 世界でノートPC市場は順調
  • 家庭/個人用のDuoとネットワーククライアント用のPro
  • PCベンダー各社が登壇し、新テクノロジーを祝福した
  • Core 2 Duoプロセッサの新機能
  • グラフィック性能が向上
  • HDMIにも対応する
 インテル株式会社はインテルCentrinoプロセッサー・テクノロジーの次期製品を発表した。モバイルPC用のプロセッサ・チップセットを中心とした新技術で、本日より同製品が搭載されたPCも発売が開始された。

 新しいモバイルプロセッサ・テクノロジーは、インテルCentrino Duo プロセッサー・テクノロジーとインテルCentrino Pro プロセッサー・テクノロジーの2種類。どちらもインテルCore 2 Duoプロセッサを採用し、グラフィック機能と省電力機能を向上させる新チップセット、インテル965Expressチップセットファミリーを組み合わせる。“Centrino Duo”に企業ネットワークの管理機能に対応するテクノロジーが“Centrino Pro”となる。家庭用、個人ユースのモバイルパソコンには“Centrino Duo”、企業が一括導入するようなモデルには“Centrino Pro”が適している。また、この他にも新世代のモバイルコンピューティングに関する新技術が発表された。

 インテルCentrino Duo プロセッサー・テクノロジーの核となるインテルCore 2 Duoプロセッサは、従来の667MHzのシステム・バスを800MHzに高速化した。バスクロック周波数の切替とコア電圧の低下を動的に行うことで、CPUの負荷が小さい場合に超低周波数モードに入り、電力消費を軽減する。さらに拡張版インテル・ディーパー・スリープテクノロージにより、チップセットとの協調動作を改善してCPUアイドル時の消費電力をさらに低くした。また、マルチプロセッサに対応していないアプリケーションの動作速度を改善するため、シングルスレッドアプリケーションの処理にあたり、CPU自らがオーバークロックを行うインテル・ダイナミック・アクセラレーション機能が追加されている。インテルCore 2 Duoプロセッサのラインアップは1.40GHzから4.40GHzまでの6種類。

 モバイル インテル965Expressチップセットファミリーは、グラフィックス機能を内蔵したGM965/GM960と、グラフィックス機能を持たず、外部のビデオチップと連動させるPM965の2種類が提供される。グラフィックス機能内蔵版にはIntel Graphics Media Accelerator X3100を搭載。DirectX9に対応し、Windpws Aeroの機能が利用できる。グラフィックスコアの周波数は従来の250MHzの倍の500MHzとなり、384Mバイトのビデオ・メモリに対応する。マルチメディアや3Dグラフィックスで作られたPCゲームに適している。

 ワイヤレスネットワーク機能はインテル Next-Gen Wireless-Nによるオプションで提供される。802.11a/b/g/Daft-Nのクワッドモードに対応し、最大300MHzのデータ転送が可能だ。ワイヤレス技術では他にも、802.11iによるセキュリティー機能、ワイヤレス Intel Active Management Technologyによるワイヤレスネットワークによるリモート管理機能、シスコと協力して誕生した総合WLANソリューションHigh Density Networkingに対応する。

 このネットワーク機能をふまえてオンライン管理機能を追加した仕様がインテルCentrino Pro プロセッサー・テクノロジーだ。これはインテルが既にデスクトップPC用に提供しているインテルvProテクノロジーのノートPC版だ。ノート用であるため有線LANだけではなく無線LANからも運用できる。クライアントPCのセキュリティ状態や設定変更を遠隔操作するシステムで、記者発表では遠隔操作で数台のノートPCのセキュリティソフトのバージョンをチェックし、遠隔操作ですべてを最新版にアップデートする様子が公開された。サスペンド状態のPCも対象になるほか、電源がOFFのPCの場合はWake on LAN機能で電源を投入して応答させる。“vPro”と“"Centrino Pro”が揃ったことで、企業のネットワーク管理者は単一のコンソールからすべてのクライアントPCを保守管理できるようになる。

 また、フラッシュメモリーを搭載し、ディスク領域やメインメモリ領域とは別にキャッシュメモリとして使うインテル ターボ・メモリーもオプションで提供される。これはWindows Vistaで採用されたReadyBoost機能に似た仕組み。ReadyBoostは高速USBメモリを接続することでディスクキャッシュ領域にする技術だが、そのUSBメモリがノートPCにあらかじめ搭載されているような仕組み。インテルにてビジネスシーンを想定したバッチファイルを作成して測定したところ、アプリケーションの読込と実行時間が2倍ほど高速化されたという。起動時間も20パーセント程度高速化する。

 新テクノロジーの発表に先立ち、インテル株式会社代表取締役共同社長の吉田和正氏が挨拶した。PCの販売が鈍化していると言われているが、世界のノートブックPC市場は2ケタ成長が持続している。日本は特にノートPCを好む市場で、全PCの出荷の6割がノートブック型になるという。日本市場は小型化、省電力化に関心が高く、ノートPCのテクノロジを応用した先進的デザインのデスクトップPCが開発されている、などの認識を示した。その上でノートブックPCに求められる性能は、パフォーマンス、ワイヤレスネットワーキング、デザイン、バッテリー持続時間であり、ビジネスの場ではこれにセキュリティとネットワーク管理機能が求められていると説明した。今回のインテルCentrino Duo/Pro プロセッサー・テクノロジーは、こうした市場の声に応えた製品である。
《杉山淳一》
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