世界最大のSNS「マイスペース」が日本上陸〜孫正義氏やマードック氏が記者会見 | RBB TODAY
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世界最大のSNS「マイスペース」が日本上陸〜孫正義氏やマードック氏が記者会見

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ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏がマイスペースのサービスを説明
  • ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏がマイスペースのサービスを説明
  • ニューズ・コーポレーションとソフトバンクとが50%ずつを出資しマイスペースを設立する
  • 孫正義氏とルパート・マードック氏がひさびさの2ショット
  • マイスペースInc創業者のクリス・デウォルフ氏、トム・アンダーソン氏。マイスペース会員なら誰もが知っている「Tom」だ
  • SNSの基本である「自己表現したい」「発見したい」「つながりたい」という3要素を重視したサービスを実装している
  • マイスペースの特徴は音楽サービスの充実。マドンナなどアーティスト本人も多数登録しているが、日本からは中島美嘉の参加がまず発表された
  • 左より、ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏、ニューズ・コーポレーション会長兼CEOのルパート・マードック氏、ニューズ・コーポレーション社長兼COOのピーター・チャーニン氏、マイスペースInc.CEO(共同創業者)のクリス・デウォルフ氏、マイスペースInc.社長(共同創業者)のトム・アンダーソン氏、マイスペース代表取締役社長の香山誠(こうやま・まこと)氏
  • 最後はスタートを記念して、関係者同士で握手
 ソフトバンクと米ニューズ・コーポレーション傘下のF.I.M.インターナショナルB.V.は7日に、世界最大のSNS「マイスペース」の日本版「マイスペースジャパン」(βサービス)の提供を開始した。合弁会社であるマイスペース株式会社を設立し運営を行う。資本金は5.9億円で出資比率はそれぞれ50%ずつ。

 「マイスペース」(MySpace.com)は、世界最大といわれるSNS(ソーシャルネットワークサービス)。登録者数は1億2,500万人を越えており、現在も1日当たり30万人のユーザが増加している。月約350億のページビューがあり、ヤフーについで世界2位のサイトだ。

 SNSとしては、自己紹介を中心としたマイページをデザイン細部まで自由にカスタマイズできるのが特徴。画像や音楽、動画などもレイアウトできる仕組みとなっている点が、他のSNSとの大きな違いとなる。また、いわゆる「招待制」ではなく、誰でも利用可能な「登録制」を採用している。したがって、これまでも日本からの登録はできたが、英語圏でのサービスであったため日本語の使用ができなかった。本日7日から提供が開始された日本版「マイスペースジャパン」(jp.myspace.com)は完全日本語対応であり、今後はユーザの意見を反映した日本独自の機能やサービス提供も検討されている。

 7日に都内で行われた記者会見には、ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏、ニューズ・コーポレーション会長兼CEOのルパート・マードック氏、ニューズ・コーポレーション社長兼COOのピーター・チャーニン氏、マイスペースInc.CEO(共同創業者)のクリス・デウォルフ氏、マイスペースInc.社長(共同創業者)のトム・アンダーソン氏、マイスペース代表取締役社長の香山誠(こうやままこと)氏が出席、日本でのマイスペースサービス開始にあたり、その概要を説明した。

 ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏は「マイスペースは2年間で急成長を遂げ、1億人以上のユーザを獲得した。人類の歴史でも初めてのメディアとなった」と最大級の讃辞を送り、その後、マイスペースの各機能の説明に移った。“自己表現したい”“発見したい”“つながりたい”という欲求を満たすシステムとしてSNSを位置付け、デザインカスタマイズ、テキスト・画像・音楽・動画OKの利点から「マイスペースはこれからのSNS」と、既存SNSに対する優位を説明した。

 マドンナ、U2、ビヨンセ、マライア・キャリーなどの有名アーティストをはじめとした300万アーティストが登録しており、音楽に強い点もマイスペースの特徴だ。実際に海外では、“Ad Profile”(広告用プロフィール)を登録することで、音楽や映画の広告にマイスペースは活用されている。国内アーティストとしては「中島美嘉」の参加が発表され、今後もさまざまな邦楽アーティストの参加を予感させた。

 マイスペースジャパンの開始を記念して「Secret Shows」の開催も発表された。登録ユーザ600人限定で、オアシスのノエル・ギャラガー&ゲムのシークレットアコースティックライブに招待するというもの(11月15日に都内某所で開催)。こういった仕掛けもSNSならではだ。

 続いて、ニューズ・コーポレーション会長兼CEOの“メディア王”ルパート・マードック氏が挨拶。「海外サービスの日本化に定評のあるソフトバンクと、マイスペースジャパンを始めることで、日本の生活・文化に大きく貢献したい」と述べた。続く登壇者たちも「マイスペースは世界にインパクトを与えている。日本は7番目のマイスペースの国となる。日本の皆さん全員に参加してほしい」(ピーター・チャーニン氏)、「Yahoo!で実績があるソフトバンクは、日本のユーザを巻き込むのに最適のパートナー」(クリス・デウォルフ氏)といずれも日本進出に大きな期待を寄せる。

 その後の質疑応答では、正式サービスは来年春を予定しているが、「SNSというのは永久にβ版。つねに新しい機能を付け足していく」(孫氏)とした。米国で盛んな楽曲の使用における著作権の問題については「違法な物はいっさい認めないし行わない」(デウォルフ氏)、「すでに関係各所と話合いを進めている」(香山氏)として、JASRACなどと調整を図っているようすを伺わせた。

 また注目度の高い携帯電話への対応については「(グループ会社である)ソフトバンクモバイルに限らず、あらゆる携帯会社に対応していく。ただ相手もいることなので、これからの話合いとなると思う。ソフトバンクモバイルについては、2年前から携帯SNSを独自開発していたが、これをベースにマイスペース用に切り替えて提供するといった方策も考えている」(孫氏)との回答。そのほか、Googleとの関係(米では、ヤフーのライバルとなるGoogleとMySpaceは提携している)、日本でのYahoo! DAYSとの差別化あるいは提携、マイスペースの上場などについても、基本的には「現時点では何も決まっていないが、可能性がないわけではない」と回答するに留まった。

 eBayなどの海外サービスの日本進出失敗から、マイスペースを危惧する声も記者から上がったが、「失敗したところは、すべてソフトバンクと組んでいない。成功したのはソフトバンクと提携したところだ(笑)」と孫氏が会場の笑いを誘う。最後に、従来のSNSでも問題となっている、低年齢利用者の問題については「14歳以下は登録不可、14歳・15歳はプロフィール非表示、18歳以下は検索できないようにしている」(デウォルフ氏)、「年齢認証は、そもそも今までのインターネットにはなかった。それをコントロールして技術的に解決しようとすること自体、重要なステップ」(孫氏)と米マイスペースの状況を説明し、日本でも技術的に同じようにしたいとした。ただ、その具体的な方法については説明はなく、今後の課題として残った。

 いよいよやってきた“黒船”マイスペース。日本では、先行するmixiが圧倒的なユーザ数を誇っているが、マイスペースには登録制およびカスタマイズ性の高さという大きな利点もある。実際にマイページを見ると、各人各様にデザインが施され、個性が爆発している。そういう点では、mixiを見慣れた目には「壮大なカオス空間」にさえ見えてくる。日本にこのスケール感が根付くかどうか、引き続き注目したい。
《冨岡晶》
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