【IDF Fall 2006 Vol.1】Quad-Coreプロセッサを今年11月に出荷へ | RBB TODAY
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【IDF Fall 2006 Vol.1】Quad-Coreプロセッサを今年11月に出荷へ

ブロードバンド その他
Paul S.Otellini, President and Chief Executive Officer, Intel Corporation
  • Paul S.Otellini, President and Chief Executive Officer, Intel Corporation
  • AppleのSenior Vice President of Worldwide Product Marketing, Phill Schiller氏。事前の噂として、CEOのSteve Jobs氏が登場してノート型上位機種へのCore 2 Duoプロセッサ採用を公表するのでは、とも言われていたが、Jobs氏の登壇も新型ノートの発表も行なわれなかった。
  • 世界初のTFLOPS級スーパーコンピュータとなったASCII Red(1996年)
  • Tera Scale Computingの研究成果であるTFLOPS級プロセッサのプロトタイプを公開するOtellini氏。ウェハーには80個のTFLOPS級プロセッサが載っている。
  • ノートPC用プラットフォーム「Santa Roza」(次世代Centrino)の構成
  • ウルトラモバイルPC(UMPC)のデモ
  • ステージに独フォルクスワーゲン(VW)の実車が登場し、UMPCベースのエンターテイメントシステムのデモを行なった
  • VWの車載エンターテイメントシステム。要はインテリジェントなカーナビだと考えてよい。UMPCとネットワーク接続し、UMPCで検索したルートを転送することなども可能
 9月26〜28日の3日間、米国San Franciscoで「Intel Developer Forum(IDF)Fall 2006」が開催されている。初日の26日の最初の基調講演には、Intelの社長兼CEOのPaul S.Otellini氏が登壇した。

 同氏はまず、米PC Magazineの記事などを参照しながら、「プロセッサの演算速度が再び重要になってきている」という認識を示した。その上で、2001年にクロック周波数の追求という方針から電力消費効率の向上へと大きく転換したことを振り返り、それ以後、第1世代Pentium M(2003年)、第2世代Pentium M(2004年)、Core Duo(2006年)、Core 2 Duo(2006年7月)と、消費電力削減と性能向上を着実に果たしてきた実績を強調した。そのうえで、出荷が開始されて間もないCore 2 Duoプロセッサが達成した成果として、「出荷開始から60日以内に500万個以上の出荷を達成した」と紹介した。これは、インテルの歴史上でも最高の初期出荷数だという。

 大成功を収めたCore 2 Duoの次は何か? ということで同氏が紹介したのがQuad-Core(4コア)プロセッサだ。まず、Core 2 ExtremeのQuad-Core版が今年11月に、続いて2007年第1四半期にCore 2 Quadが出荷されることを明らかにした。Quad-CoreのCore 2 Extreme QX6700は、デュアルコアのCore 2 Extreme x6800との比較で、SPECint_rateベンチマークで70%高速という結果が出ているという。

 また、フィンランドに本拠を置くゲームメーカーのRemedyの創立者兼会長のMarkus Maki氏が登壇し、Quad-Coreプロセッサを前提に開発中のゲームのデモを行なった。あたかも実写のように見える精細な画像で、薄暗がりや日の出などの複雑な光線状況が正確に再現されている様子や、竜巻に巻き上げられた小屋が破壊され、断片化して飛び散っていく過程がすべて正確な物理計算に基づいた動きになっていることなどを紹介し、「正確な物理演算を行うと同時にレンダリングを実行し、高精細な画面をリアルタイムに更新していくのはシングルコア・プロセッサでは無理で、Quad-Coreが必要だ」と語った。

 マイクロアーキテクチャの今後の進展に関しては、2006年現在、65nmプロセスを前提にCoreマイクロアーキテクチャが採用されているが、2008年には45nmプロセスでNehalem、2010年には32nmプロセスでGesherと呼ばれるマイクロアーキテクチャがそれぞれ製品化される、というロードマップも紹介された。

 このほか、Otellini氏はIntelが現在取り組んでいるさまざまな活動について紹介した。まず紹介されたのが“Tera Scale Computing(テラスケール・コンピューティング)”だ。これは、TFLOPS級の演算速度、TB級のデータサイズ、Tbps級のI/O速度を持つコンピュータの実現を目指した研究活動で、既にIntel社内ではTera Scale Computingに関連する研究開発プロジェクトが100以上実行されているという。

 Otellini氏は、世界で初めてTFLOPS級の演算速度を実現したスーパーコンピュータとして1996のASCII Red(Pentium Proプロセッサを10,000個接続)を紹介した後、ASCII Redと同等のTFLOPS級の演算速度を持つプロセッサの試作品として、80個のプロセッサ・ダイが乗ったウェハーを見せた。フロアを占有した巨大なスーパーコンピュータがやがて指先に載るサイズになる、というイメージだろうか。

 また、ノートPC用のプラットフォームとして開発中の「Santa Rosa」(Centrinoの後継)や、ウルトラモバイルPCのプロトタイプと、独フォルクスワーゲンの実車を使った車内エンターテイメントシステムとの連携機能のデモなども公開された。

 最後に紹介されたのは、発展途上国などを対象としたデジタル・デバイドの解消に関する取り組みで、Intelはこの事業に対して10億ドル以上の投資を5年にわたって行うことを表明している。また、ウルトラモバイルとよく似た構成の“Classmate PC(クラスルームPC)”も公開され、さらにナイジェリアで実際に生徒にClassmate PCを提供して教育を行った実地テストの模様がビデオで紹介された。
《渡邉利和》
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