東芝とNEC、不揮発性磁気メモリ(MRAM)の大容量化に必要な基盤技術を確立 | RBB TODAY
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東芝とNEC、不揮発性磁気メモリ(MRAM)の大容量化に必要な基盤技術を確立

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 東芝とNECは、256Mbit級の大容量MRAMに必要とされる基盤技術を共同で開発したと発表した。今回の技術は、2003年度から続けられていたNEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のナショナルプロジェクト「不揮発性磁気メモリMRAM実用化技術の開発」の当初の目標を達成するもの。東芝とNECは2002年度からMRAMの共同開発を開始し、2003年度からはNEDOの助成を受けて、0.13μm CMOS技術と0.25μm強磁性体トンネル接合技術を利用した256Mbit級MRAM実現のための基盤技術開発を目指していた。

 両社は、書き込みの制御性を高める新開発のプロペラ型素子形状を利用し、MTJ素子の形状や構造を最適化することで誤書込を防止する技術を開発。また、配線構成の改良や電流駆動の最適化により低電圧動作と高速書き込みを実現したほか、MRAMの微細加工に必要な磁性体のエッチング技術など各種プロセスを確立した。これらの技術を用いた16Mbitチップを利用して、256Mbit級まで高集積化した場合でも動作することを検証し、さらに書き込み電流値を世界最小の約4mAにまで低減した。

 MRAMとは、素子の磁化方向によって情報を蓄積する不揮発性メモリで、無限回数の書き換え耐性を持つため不揮発で完全なRAM動作が実現できることやMTJ素子は半導体プロセスを終えた後でも作製可能で、CMOSデバイスと混載しやすいこと、1V級の既存メモリの中でもっとも低いセル動作電圧を実現できること、既存メモリに比べて高温環境下での動作も可能という特徴を持つ。しかし、実用化するには、書き込み制御性の大幅な向上、回路技術の改良による低電圧化・高速化、磁性薄膜の加工技術などの磁性体集積化プロセス技術の確立が課題となっていた。

 両社は、今後もさらなる大容量化や高速化に向けてプロセス基盤技術の共同開発を継続する。
《富永ジュン》
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