楽天発のSNS「楽天広場リンクス」の狙いとは? メディア向けレクチャー会で説明
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まず、執行役員でポータル・メディア事業カンパニー コミュニティ事業本部長の和田圭氏から、楽天のコミュニティサービス戦略における「楽天広場リンクス」の位置づけについて、詳細な説明があった。
ショッピングモールからコンテンツ、オンライン証券、クレジットまで網羅し、それをポータルで結び付けるという、楽天全体としての戦略姿勢を定義、そのうえで、「コミュニティとはCGM(Consumer Generated Media)であり、消費者がコンテンツを作成していくメディアである」と位置付けた。具体的には掲示板・ホームページ・ブログ・レビュー・SNSであり、より「個人」度合いや情報信頼性が高くコミュニティ活性度が高いのがSNSであるとし、今後の重要な分野として楽天が取り組むという方向付けが解説された。
和田氏によれば「日本で一番最初にブログをはじめたのは楽天(2001年8月楽天広場リリース)」とのことで、CGMへの取り組みの流れでSNSに取り組んだということだった。実際、SNSを行うべきかどうかについては楽天内でも半年から1年近く議論が重ねられ、実際に着手したのは昨年末12月に入ってからとの説明もなされた。
CGMとしてのSNSを見ると、訪問者数(UU数)では劣るmixiが、ブログアクセス数(PV数)ではダントツを誇っている現状がグラフで提示され、1人の訪問者が多くのページを巡回して見るSNSの特質を明示した。ブログアクセス数トップの楽天としては、今後SNSの枠組みを利用してコミュニティを形成、獲得した新規ユーザをアフィリエイトなどにより楽天グループの他サイトに送客、それらがリピータとなり、さらに共通の趣味・話題でコミュニティを強化するというスパイラルなビジネスモデルで、相乗効果メリットを見ていることを明らかにした。SNSモデルができ上がれば、セグメントされた広告を打つこともできるし、パーソナライズによるプライベートポータルとして楽天内の各種機能を呼び出すこともできるようになる。
続いて、同事業本部 コミュニティ事業部門 第一マーケティングコミュニティ事業部 プロデューサーの田中由紀氏から、「楽天広場リンクス」の各機能についての説明。基本的には楽天広場ブログ、楽天広場フォトを利用することで、シームレスに楽天の各サイトを活用できるようになっている。他社ブログを使っている人の取込などは将来的に検討していることが明らかにされた。
コミュニティ機能はまだないが、他社SNSにあるような機能は一とおり用意したいとして、現在もさまざまな角度で検討中とのことであった。ブログとフォトは公開設定できないが、これについても独自の機能が用意されたり、楽天広場リンクス独自のブログシステムが用意される可能性もあるとのこと。楽天広場リンクスの場合、友達をグルーピングして各種情報の公開範囲を変更できるため、ブログとフォトにも公開範囲設定機能がほしいところだ。ただし基本的には「楽天広場ユーザ・楽天会員のためのSNS」ということが第一義であり、mixiやGREEなどとは競合にはならないとの考えだ。
同事業本部 コミュニティ事業部門 第一マーケティングコミュニティ事業部 部長の星野俊介氏は開発担当ということで、技術的な質問について、適時回答いただいた。注目のコミュニティ機能については、「もちろん着手している」「今年以内には間違いなく、数か月のうちには」とのことで具体的な日程は明らかにされなかった。これは、通常機能で足りていないところ、コミュニティ、アフィリエイト、携帯電話対応、検索機能など、さまざまな案件との優先度決めによって前後する可能性が大きいためであろうが、「関わっている人数も、1人2人というような規模ではない」とのことなので、そう遠くない将来に、全貌が明らかになるだろう。
「コミュニティ」と「アフィリエイト」が純粋にグループ内で回転することで、投資としてSNSのサービス拡張を行える点が、楽天としての独自性となる。コミュニティ自体が流通を加速する仕組みだ。たしかに、こういったアフィリエイトなどを嫌うSNSユーザも多いが、実際にさまざまな業者がまぎれこんでいるような現状を見る限り、アフィリエイトの枠組みが用意されたほうが、フェアなコミュニティ形成ができるかもしれないし、良くも悪くも独自性を発揮できる部分だろう。
ともかく「mixiと同じことをやっても仕方ない」という認識は、楽天側もユーザ側も一致しているわけで、その独自性として打ち出したコミュニティ指向とアフィリエイトの組合せが、どれだけ使いやすく、ユーザメリットを感じさせるか、楽しいものに仕上がるかに、今後がかかっている。
ぜひ早期のコミュニティ機能の実現を期待したい。
[訂正しました] 初出時、和田圭氏の肩書きに誤りがありました。お詫びして訂正します。(2006/4/5 10:27 RBBTODAY編集部)