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【mobidec】通信と放送が融合した「MediaFLO」とは? -クアルコム

クアルコムジャパン株式会社 取締役会長(クアルコム本社 上級副社長) 松本徹三氏
クアルコムジャパン株式会社 取締役会長(クアルコム本社 上級副社長) 松本徹三氏
 Mobile Content Forum(MCF)が主催する「MCFモバイル・デベロッパー・コンファレンスmobidec 2005」が、11月29日、30日の2日にわたって秋葉原で開催された。mobidec 2日目の30日、「携帯電話向け放送サービスの将来像 〜MediaFLO〜」と題して、クアルコムジャパンが同社の「MediaFLO」サービスについて紹介した。

 3Gの技術を世界に先駆けて開発したクアルコムは、社員の約6割がエンジニアという技術開発集団である。しかし同社では、特定の技術に固執することなく、あらゆる技術を組み合わせてユーザーが求める最適解を生み出していくべきだと考えている。加えて、限られた周波数を有効利用し、多くの人に大きなメリットを与えられる技術であれば、各国の政治動向によらず、必ず認められる技術になると考え、同社が持つ技術の中枢は周波数の有効活用で占められているとも松本氏は述べる。

■テレビと携帯電話の接点を考えれば「放送と通信の融合」が見えてくる
 「放送と通信の融合」は、すなわち「テレビと携帯電話」の接点を考えることであると松本氏は言う。携帯電話でテレビ放送を楽しむだけでなく、携帯電話の画面をテレビに映し出して大勢で観たり、テレビで録画した映像を携帯電話にダウンロードして外出先で観たり、携帯電話をテレビの万能リモコンとして使ったり、あるいは、携帯電話をテレビショッピングや視聴者参加番組のアップリンクツールとして使ったり、テレビ番組の内容に関連する資料を請求したりと、その接点は多様にあるとしている。

 また、放送局は放送の双方向化を目指しているが、そのためには上り線をどうするかという大きな問題がある。しかし上り線を携帯電話に任せれば、追加投資や新しい技術開発をそれほど投入することなく、ユーザーにとって使い勝手のいい双方向サービスが実現する。放送にとって携帯電話は、味方でこそあれ敵ではない、と続ける。

■米国における「MediaFLO」サービス
 次に松本氏は、放送と通信の融合の一側面として、クアルコムが米国で展開する「MediaFLO」サービスを説明された。「FLO」は「Forward link only(下り線オンリー)」のことであり、下り線、つまり携帯電話における放送サービスをもっとも効率的に利用するための技術として「MediaFLO」を開発したと言う。

 自宅でテレビを見るのと、携帯電話でテレビを見るのでは目的が異なる。後者の場合は、待ち時間をつぶしたり、息抜きをするために見ることが多いはずで、そのコンテンツは最新ニュースやスポーツの試合経過など、短時間で完結する情報である。MediaFLOでは、あらかじめ自分が関心のあるジャンルを登録しておくことで、そのジャンルのニュースが携帯電話のメモリに逐次キャッシュされる仕組みになっているという。MediaFLO側は更新情報だけを送信すればよく、最新の情報パッケージを毎回送る必要はない。また、話題のイベントや、お気に入りの連続ドラマを見逃したくないというニーズに応える「リアルタイムのテレビ放送」も提供し、クリップキャストはこのリアルタイム放送の隙間を使って流すため、限られた周波数帯域を最大限活用できるとしている。

 クアルコムの米国本社はすでに、オークションによって全米における単一の周波数ライセンスを取得、MediaFLOサービスの提供に向けて放送会社を設立し、Verizonなどの通信キャリア向けの計画を進めている。MediaFLOサービスのビジネスモデルでは、ユーザー管理などの双方向通信を必要とするものは、ほかの付加サービスと同様、通信キャリアのネットワークで処理するため、放送会社は完全に下り線のみの送信ですむ。クアルコムは2005年末までにMediaFLOチップ(20ドル程度)のエンジニアリングサンプルを出荷予定で、2006年夏にフィールド試験を開始、2006年末には一部都市でサービスが開始する予定としている。

周波数を最大限活用できるTV放送とクリップキャスト 複数の通信キャリアへ同一のコンテンツを放送
(左)周波数を最大限活用できるTV放送とクリップキャスト(右)複数の通信キャリアへ同一のコンテンツを放送

クアルコムの展示ブースでは、米国におけるMediaFLOの例を紹介 MediaFLO端末
(左)クアルコムの展示ブースでは、米国におけるMediaFLOの例を紹介(右)MediaFLO端末

■日本におけるMediaFLO類似サービスの導入
 日本における周波数の現状に関しては、UHF帯53/54ch(710-722MHz)が放送と通信の境界線にある帯域として予約されており、これを双方の統合サービスにぜひとも利用して欲しいと松本氏は言う。その統合サービスの一例として、新しい放送会社が設立されるケースを想定したMediaFLO型のビジネスモデルが紹介された。クアルコムは、日本では自らが放送会社を設立することは行わず、既存あるいは新規の放送会社にMediaFLOの技術を提供していくとのことである。

 MediaFLOの技術は、携帯電話に搭載することを目的として開発されたため、その他のデジタル放送用の技術に比べて電力や連続視聴時間、チャンネル切り替え速度などにおいて優位性がある点もハイライトされた。最後に松本氏は、放送会社がMediaFLOと1セグ放送の両方に、フォーマットを変えて並行放送して欲しいとも語った。これによって視聴者数の増加につながり、全体的な効用をあげることができるとした。

MediaFLOと他のデジタル放送方式との比較 日本におけるMediaFLO型サービスの一例
(左)MediaFLOと他のデジタル放送方式との比較(右)日本におけるMediaFLO型サービスの一例
(柏木由美子@RBB 2005年12月13日 22:28)
キーワード: クアルコム

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