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[更新] 「ベンチャー企業の経営ノウハウをプロ野球球団にも」 〜ライブドア、球団買収交渉について記者発表

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[更新] 「ベンチャー企業の経営ノウハウをプロ野球球団にも」 〜ライブドア、球団買収交渉について記者発表
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 ライブドアの大阪近鉄バファローズの買収交渉は、事業拡大だけではなく、現在のプロ野球界に一石を投じたいという同社の堀江氏と宮内氏の胸の内があるようだ。同社は、東京証券取引所にて記者会見を開催した。

 まず、同社が同球団の買収に乗り出たのは「ベンチャー企業の経営ノウハウを球団に生かせれば、日本の国技とまで言われている野球を、今まで以上に発展させていくことができるだろう」(同社の代表取締役社長兼最高経営責任者 堀江貴文氏)との理由が挙げられる。

(左)同社の代表取締役社長兼最高経営責任者 堀江貴文氏(右)取締役最高財務責任者 宮内亮治氏


 さらに堀江氏は、一般論として「親会社ですら基盤が甘いのに、その親会社のを頼らないと経営できない球団はダメ」としたうえで、「独立してやっていけるような経営」で進めていくつもりだとした。その延長線上で、球団自体のIPOも目指しており「選手やOBにストックオプションを与え、真のパブリックな球団にしていきたい」と構想を語った。

 しかし、この買収には大きな壁が立ちふさがっている。同球団はすでにオリックス・ブルーウェーブとの合併交渉が順調に進んでおり、球界全体としても歓迎ムードにあるということだ。

 この合併だが、同社は激しく反対している。

 この合併が実現すると、現在のセ・リーグとパ・リーグの2リーグ制から1リーグ制に移行する可能性が高い。これに伴い、現在12チームある球団が10チームにまで再編されることも考えられる。これについて堀江氏は、「合併して1リーグ制になるということは、我々の世界では縮小し、ますます衰退していくということになる。Jリーグはチームを増やしているのに、これに逆行する行為だ」と強く反対した。

 このように、合併の流れを強く否定しているのには、これまでの交渉の過程も絡んでくるだろう。

 同社の取締役最高財務責任者である宮内亮治氏は、「2月にある証券会社から、大阪近鉄バファローズを買収しないか」との提案があったことを明らかにした。そのとき「ぜひ進めてください」と即答したものの「小さな会社なので、近鉄側(同球団の親会社である近畿日本鉄道)に相手にされなかったのがそのときの状況」だとしている。さらに話があったのが2月のため「シーズンに入ると話ができないので、終わったら話をしましょう」として、買収の交渉はここでいったん途切れた。しかし、シーズン中にもかかわらず大阪近鉄バファローズとオリックス・ブルーウェーブの合併が突然、発表された。

 そののち近鉄側にオファーを入れたものの、それに対する回答が無く、29日の夜には、各メディアが「ライブドアが大阪近鉄バファローズを買収する意向を示している」と報じたという過程だ。

 今回の会見は、この報道がきっかけになったのだが「この会見は、もともと我々の意志を伝えるために開こうと考えていた」(堀江氏)としている。この“意志”を伝える相手というのが、近鉄というわけだ。

 また、日本のプロ野球における旧体質も立ちはだかっている。「プロ野球の球団を変えたいと考えている会社はたくさんある」(堀江氏)と前置きをしたうえで、「ライブドアはお金も経営ノウハウもあるにもかかわらず、球団の買収の話が蹴られる。これは新規参入の阻害ではないか」とし、これに対抗する「覚悟はある」と力強く答えた。

 近鉄とはこのような状態だが「人間いつ気が変わるか分からない。金額的にいいオファーができる自信がある」(堀江氏)と今後も買収に向け交渉を進めていく意欲を見せた。なお、以前の話し合いでは「10億円から30億円」(宮内氏)との買収金額も示されたという。

 ちなみに旧グリーンスタジアム神戸は、ソフトバンクグループがネームライツを取得し「Yahoo! BBスタジアム」と改名した。さらに、楽天はJリーグの「ビッセル神戸」の大口スポンサーになっている。ライブドアは、ポータルサイトを核としたビジネスに移行しつつあるが、これらライバル企業が球団に関わりを持つ中、追随したいという思いも見えてくる。
《安達崇徳》
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