【IP.net速報】ネットワーク家電は大きなインフラとして成長する —東芝などがネットワーク家電の可能性を探る(前編) | RBB TODAY
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【IP.net速報】ネットワーク家電は大きなインフラとして成長する —東芝などがネットワーク家電の可能性を探る(前編)

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【IP.net速報】ネットワーク家電は大きなインフラとして成長する —東芝などがネットワーク家電の可能性を探る(前編)
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 「IP.net JAPAN 2003」では、PC以外の機器向けのセミナーも開催されている。その中で、家電の将来を扱った「ネットワーク家電の可能性を探る」の模様をレポートする。前編の本稿では、東芝と日立の戦略を紹介する。

 東芝はすでに、ネットワーク家電の「FEMINITY」シリーズを発売している。東芝家電機器LIFE NETクリエーション部事業推進担当グループ長の一色正男氏は、講演でネットワーク家電のメリットとデメリットを浮き彫りにした。

 大きなメリットは、「より家電が分かりやすくなる」ことだ。たとえば、細かい洗濯コースをアイコンで選んだり、エラーコードを日本語で表示できるようになる。同氏は「フリースジャケットの洗濯コースを誤って衣類を傷めることがあったが、FEMINITYならホーム端末から操作するだけで簡単に洗濯できる」と具体例を挙げた。もちろん、サーバと通信することで、新しい衣類に対応する洗濯コースも追加できる。

 ネットワーク家電は、サポートでも大きなメリットがある。家電が通信機能を持つことにより、故障の自動診断・通知が可能になるのだ。現状の故障対応について、一色氏は「故障の連絡をもらっても型番が特定できない。購入時期などを基に型番を推測して、訪問修理に伺うのが実情」と漏らす。しかし、ネットワーク家電なら、エラーコードと機器情報をメーカーに送ることにより、型番はもとより故障箇所まで簡単に把握できる。

 とはいえ、ネットワーク家電はメリットばかりではない。家電もネットワークにつながれば、クラッカーからの攻撃の対象になりうる。PCへの攻撃と異なり、白物家電への攻撃の被害は深刻だ。たとえば、電子レンジやファンヒーターなどを不適切に使用すれば火災になりかねない。

 この問題に対し、一色氏は「セキュリティは悩ましい問題。FEMINITYでは、リモートから家電を動作しないように設計している」と語った。


一色正男氏
東芝家電機器社
LIFE NETクリエーション部
事業推進担当グループ長
一色正男氏


 続く、「日立のネットワーク家電システムについて」では、日立ホーム&ライフソリューション ネットワーク家電システム事業ユニット ユニット長の加藤隆夫氏が、家電に必要なネットワーク特性のほか、他業種との協力について語った。

 まず加藤氏は、ネットワーク家電のインフラとなる「ホームネットワーク」について、「PC系」「オーディオ・ビジュアル系」(AV系)「白物系」の3つに分けて考えるべきと提唱した。これは、機器によって必要なネットワーク特性が異なるため。AV系は帯域が必要とされるが、1〜2フレーム欠落してもバッファでカバーできる。これに対し、白物系は通信を家電の制御に使うため、帯域が狭くても確実に行なう必要があるという。加えて、家電には複数の物理層に対応できる、家電向けのプロトコルが必要と訴えた。

 さらに同氏は、「インフラの問題が解決されても、ネットワーク家電は成り立たない。ネットワーク家電はコンテンツと無縁ではないのだ」と述べ、「電子レンジにレシピを配信するビジネスも考えられる。ネットワーク家電は機器だけを提供するのではなく、サービスまで提供する新しい製品。ネットワーク家電の実現には幅広い協力が必要」と他業界の参加を呼びかけた。

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加藤隆夫氏
日立ホーム&ライフソリューション
ネットワーク家電システム事業ユニット
ユニット長
加藤隆夫氏

(山本浩司)
《RBB TODAY》
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