韓国ドラマ『涙の女王』財閥一家が田舎暮らしをしたら……?案の定面白かった! | RBB TODAY
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

韓国ドラマ『涙の女王』財閥一家が田舎暮らしをしたら……?案の定面白かった!

エンタメ 映画・ドラマ
Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中
  • Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中
  • Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中
  • Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中
  • Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中
  • Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中





 韓国ドラマ『愛の不時着』の魅力の一つは、“異文化交流”にあったと思う。北朝鮮に不時着した韓国人の財閥令嬢と北朝鮮の人々の温かな交流、将校を連れ戻すために渡韓してソウルに馴染んでしまう北朝鮮の軍人たち。その土地の人にとっての日常は他所から来た人にとっては驚きの連続である。そのような要素を時折織り交ぜたことで、回を増すごとに面白さが増していった。となると、同じ脚本家パク・ジウンの新作『涙の女王』にて、財閥令嬢ホン・ヘイン(キム・ジウォン)と地方出身ペク・ヒョヌ(キム・スヒョン)という出自の異なる主人公2人の家族が大集合するとあれば、否が応でも期待が膨らんでしまう。そして迎えた9・10話、その期待は確信へと変わった。
(以下、ネタバレあり)

■筆者プロフィール
山根由佳
編集者・写真家のマネージャーなど複数の草鞋を履くフリーライターであり、海外ドラマ&映画の熱狂的ウォッチャー。観たい作品数に対して時間が圧倒的に足りないことが悩み。ホラー、コメディ、サスペンス、ヒューマンドラマが好き。X(Twitter):@ymndayo


ホン家を救うため奔走するヒョヌ



Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中


 まず9・10話のあらすじを大まかに振り返ると、長年機会を伺っていた前科者モ・スリ(イ・ミスク)とその息子ユン・ウンソン(パク・ソンフン)、ウンソンと同じ児童施設出身のチョン・ダヘ(イ・ジュビン)、エステサロン経営者グレイス・コ(キム・ジュリョン)の企みにより、無一文で家から追い出されたホン家は、ヒョヌの助けによってパパラッチから逃れ、龍頭里(ヨンドゥリ)村へ雲隠れすることに。こうして、縁が切れたはずのホン家とペク家による奇妙な共同生活が始まる。

 ヒョヌは引き続きクイーンズの法務理事を務めつつ、ウンソンが手がけたリゾート開発にまつわる投資詐欺の証拠集めをしていく。一方、ヘインの部屋にあった病院の診察券を使い、彼女が末期患者だと知るウンソン。ヘインの家族になれば助けられようになると、クイーンズ百貨店の社長職復帰という条件を提示し、ヘインに結婚を迫る。それにより、クイーンズ百貨店の社長を狙っていたスリとウンソンは決別。ウンソンは昏睡状態のホン・マンデ会長(キム・ガプス)を転院させ、スリの立場を脅かす。スリとホン家の面々は、それぞれ会長の転院先探しに追われることになる。

様々な“すれ違い”にヤキモキ



Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中


 すでに離婚したのにも関わらず、家族ぐるみで過ごすことになるヒョヌとヘイン。ヘインが病気で倒れたと知れば、ヒョヌは足を滑らせながら駆けつけ、ヒョヌが顔に傷を負って帰宅すれば、ヘインは怒りながら手当をする。他にも、何気ない振る舞いに相手を思いやる気持ちが溢れている2人だが、良い雰囲気になると「あなたときちんと別れるのが目標」、「あなたまで心配する余裕がないから自分で解決する」とヘインは線引きをしてしまう。ヒョヌからの愛情を感じる様々な言動に目を潤ませるが、涙を流さなかったのは本心を隠したいからであろう。こんなにも愛し合っているのに素直に元サヤに戻らぬ彼らに焦ったさを感じると共に、最終的に結ばれた時の感動はひとしおになりそうだと、これまた期待が高まっていくばかり。

 “すれ違い”という点で言うと、ヘインと実母キム・ソンファ(ナ・ヨンヒ)の関係にも当てはまる。ホン家とペク家が勢揃いして朝食を食べていた時。「文武両道のヒョヌは(両親どちらにも似ていない)突然変異」、「ヒョヌの兄ペク・ヒョンテ(キム・ドヒョン)は父ペク・ドゥグァン(チョン・ベス)似」、「ヒョヌの姉ペク・ミソン(チャン・ユンジュ)は母チョン・ボンエ(ファン・ヨンヒ)似」、「ヘインの弟ホン・スチョル(クァク・ドンヨン)は父ホン・ボムジュン(チョン・ジニョン)似」と、“子どもたちが両親のどちらに似ているか”という話題になり、「ヘインはソンファ似だ」と言われるのだが、ヘインとソンファはニコリともせず黙々とご飯を食べるだけ。単に2人の仲が悪いというだけでなく、そもそもの性格が似ていることが窺える一場面だった。そんな似た者同士、プライドの高い2人だから、どちらもなかなか折れない。ソンファは、娘が義母と良好な関係を築いていることに嫉妬するが、それを素直に表現できず、逆に娘を口撃してしまう。ヘインも弟ばかり気にかける母に寂しさを感じ、まともに対話することすら諦めてしまっている。この2人の関係改善も、今後気になるところだ。

様々なサブストーリーの組み合わせが確定?



Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中


 何不自由なく暮らしてきた財閥家の面々が急に田舎暮らしをしたらどうなるのか。やはり色々と感覚がズレており、その筆頭はヘインの父ボムジュンだ。ペク家との最初の晩餐時、息子スチョルがヤカンからの水を拒んでアルプス産ミネラルウォーターを要求したところ、「ふつつかもの(な息子)で……」と謝りつつも、「ドイツ産でもフィジー産でも良い」と頓珍漢な譲歩をして周囲を呆れさせる。また、友人にお金を借りられなかったことではなく、財布に2,000万も入っていないことにショックを受けたと話し、ヒョヌの父ドゥグァンを驚かせる。無一文になる少し前、呑気にカタツムリを育てる姿を見てかなりマイペースな人物だと思ったが、その筋金入りのお坊ちゃまぶりがヨンドゥリ村で炸裂していて笑いを誘う。時折おかしな勘違いをするドゥグァンとは、何となく波長が合いそうである。ヘインの母ソンファは到着するや否や牛糞を踏んで大騒ぎし、村には短期間しか滞在しないとツンケンした態度を取っていたが、コーヒー代を稼ぐためにボンエの果実農園でアルバイトをすることに。おそらく初めてだったであろう肉体労働を経験後、脇目を振らずにご飯をモリモリと食べ、いびきをかくほど熟睡してしまう姿がなかなかチャーミングだった。今後、ヘインの両親は意外と村暮らしに馴染んでいく気がしている。

 何不自由なく過ごせているのが、ヘインの叔母ホン・ボムジャ(キム・ジョンナン)だ。刑務所にいたこともあるから塀の外ならばどこでも天国、というタチなのだろう。そんな彼女にとっての新たな文化(?)は、ヨンドゥリ村のカウンセラー的存在の男ヨンソン(キム・ヨンミン)だ。ボムジャが父のことで自責の念に駆られて泣いていた時、ヨンソンの認知症の母に慰められたのがきっかけで、2人は知り合いになる。ボムジャには彼の姿が俳優レスリー・チャンのように見えていたらしく、その時点ですでに恋に落ちていたと言えるだろう。(ちなみにヨンソン役のヨンミンは、映画『チャンシルさんには福が多いね』で、自称レスリー・チャンの幽霊をコミカルに演じている。)ボムジャがヨンソンの母から借りたハンカチを返した時、「辛い時に泣くのは三流、我慢するのは二流、辛い時に肉を食べるのが一流。次は泣かずに肉を食べなさい、たくましく」と言って去っていくヨンソン。良いとも悪いとも言えぬ珍アドバイスだが、そこでシャラララ~ンとトキメキを表す音色が流れるのがおかしい。

Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中


 スチョルは突如消息を絶った妻と息子のことで憔悴しきっていたが、予告編を見る限り、来週からはヒョヌの兄ヒョンテにボクシングを教えてもらう様子。こうして、ヘインの父ボムジュン×ヒョヌの父ドゥグァン、ヘインの母ソンファ×ヒョヌの母ボンエ(もしくは、ヘインの姉ミソンとその友人3人組)、ヘインの叔母ホン・ボムジャ×ペク家のご近所さんヨンソン、ヘインの弟スチョル×ヒョヌの兄ヒョンテ、という組み合わせが何となく決まった。この後はそれぞれのサブストーリーも楽しみである。
《山根由佳》
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

page top