【進化するオフィス】社員が1つのフロアに集い、コミュニケーションを活性化! パーソナルスペースを確保する工夫も……ブレインパッド | RBB TODAY
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【進化するオフィス】社員が1つのフロアに集い、コミュニケーションを活性化! パーソナルスペースを確保する工夫も……ブレインパッド

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【進化するオフィス】社員が1つのフロアに集い、コミュニケーションを活性化! パーソナルスペースを確保する工夫も……ブレインパッド
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 フリーアドレスの導入など、ハイブリッドワークが浸透するなかで進化を遂げているオフィスを紹介する本連載。今回はビッグデータ活用やプロダクトサービスで企業の経営を支援する、ブレインパッドの本社オフィスを紹介する。


オフィス移転の目的は「社員全員を顔の見える場所に集める」こと


 ブレインパッドは六本木一丁目にオフィスを構えており、連結従業員数は535名(23年3月現在)。顧客企業のデータ活用やデータ分析を行うデータサイエンティストが200人超在籍しており、そのほかエンジニアやコンサルタントなど、デスクワークを主とする人材が社員の大半を占めている。

 同社では2022年5月に本社を現在の場所に移転し、これまで2拠点4フロアだったオフィスを、1拠点2フロアに統合した。コーポレートユニット副統括の新木菜月氏によると、その大きな目的の一つは「社員全員を顔の見える場所に集めること」にあったという。

「フロアが部署ごとに分かれていると、異なる職種の人が出会ったり、話をする機会がありません。私たちの業務では、プロジェクトごとに様々な職種の人間が部署の垣根を越えて集まり、上流から下流までの業務を一気通貫して行います。なので、社員間のコラボレーションはとても重要です。そこで大事にしたかったのが、社員同士が自然とすれ違って立ち話をしたり、その様子が他の社員の耳に入るような環境でした」(新木氏)

 ブレインパッドではオフィスを移転した際に、全社でフリーアドレスを導入。そのオフィスには、「なるべく柱などの障害物のない、見通しの良いフロアであること」にこだわったという。これは、社員が出社した際に、「今日はどのぐらいの人が来ている」、「あそこで誰と誰が話している」といった情報を、一目で分かるようにするためのもの。気軽に仕事の話ができる距離感を作るとともに、マネジメントの視点からも社内の状態を判断しやすい環境を追求しているという。

席を立つと、フロアの奥まで見渡せる開放的なオフィス。柱やパーティションなど視界を遮るものがない


 フリーアドレスを導入した会社では、席を予約制にして、誰がどこに座っているかをシステムで管理しているところもある。ブレインパッドでも移転を計画した当初は、そういう話も出ていたが、「あれはうまくいかない」という結論に至ったようだ。

「誰かの居場所を調べるぐらいの重要な案件であれば、それはもうメールやチャットでやり取りをした方が早いですよね。それよりもっと気軽な会話は、偶発的な出会いから生まれると思うんです。だからこそ、今日は誰が来ていて、どんな様子で過ごしているかが“見て”わかる環境を重視しました」(新木氏)


A~Dの4エリアで、様々な社員のニーズに対応する


 ブレインパッドが新オフィスへと移転するにあたり、もう一つ気を配ったのがハイブリッドワークへの対応だ。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言によって、同社では一時ほぼ完全なテレワークに移行。会社全体でも1日に10人ぐらいしか出社していない状況を見て、経営陣は「IT業界においてハイブリッドワークは不可逆的なものになる」と判断した。そのため、今回の移転にあたってはハイブリッドワークでの利便性を追求するとともに、「社員が出社したくなる、一目見て驚きを与えられるようなオフィス」を目指したという。

 ブレインパッドがオフィスを移転した時点で、テレワークが始まってから2年近くが経っていた。社員はすっかりテレワークの環境に慣れ親しんでいて、このままオフィスを移転しても「社員が戻ってくるかが疑問」だったという。

 同社ではハイブリッドワークの運用について継続検討中であり、出社率は社員によってまちまちというのが現状だ。このままでは、せっかくオフィスをリニューアルしても、社員間でのコラボレーションは生まれない。

 そこで、ブレインパッドではオフィス移転の際に、必要となる什器とそのレイアウトをコクヨに依頼。まずは、2フロアあるオフィスのうち、1つ目のフロアは全席フリーアドレスの業務用スペースとして、これを以下の4つをテーマにエリア分けしている。

・Action !
・Base Camp
・Ignition Circle
・Dive!

 このうち、最も広いエリアが「Action !」だ。ここでは机や椅子のレイアウトに仕掛けがあり、ほとんどの座席が“横並びにならない”ように配置されている。さらに、机と机の間に観葉植物を配置することで、“座っている時は目が合わない、でも立てば周囲の席に座っている人の顔が見える”ようにエリアを設計。周囲を気にせずに作業するためのパーソナルスペースを確保しつつも、社員同士が顔を合わせてコラボレーションするための空間を目指している。

 実際に椅子に座らせてもらったが、机が十字やYの字のような並びで配置されているせいか、周囲のデスクに座っている人の気配を感じさせなかった。中には、長机に椅子を横並びに配置した席もあったが、机の天板と椅子の高さを上げることで、フロアにいる他の人とは目が合いにくいように配慮されている。

机を十字やYの字に配置した席では、観葉植物を配置するなどして、隣の席の人が視界に入らないようにしている


長机を置いた席は、椅子の高さを上げて、周囲の人と目線が合いにくくなっている


 その一方で、集中して作業に取り組めるようにと、「図書館をイメージして作った」というのが「Dive!」エリアだ。この席では私語や電話、ビデオ会議は厳禁。リクライニングシートや自動昇降デスクなども用意して、ストレスなく作業に没頭できる空間づくりを行っている。

図書館をイメージしたという「Dive!」エリア。静かな空間の中で作業に没頭できる


リクライニングシートも完備


コクヨの「fore」という、吸音性の高いパネルブースシステムも配置


 ちなみに、「Action !」と「Dive!」の両エリアは、ブレインパッドという社名にちなんで、右脳と左脳をイメージした関係性になっているという。この両エリアを繋ぐ脳梁のような役割を果たし、社員同士のコラボレーションを活性化しているのが「Ignition Circle」エリアだ。

 このエリアはカフェをイメージした空間となっており、実際にランチを食べたりするなど休憩スペースとしても利用できる。新木氏によると、フリーアドレス導入後も利用する席をほぼ固定している社員がいるが、そういう人も「Ignition Circle」を利用することで、別のエリアにいる社員とも交流しているようだ。

カフェをイメージした「Ignition Circle」。コーヒーサーバーや自販機などが設置され、主に休憩用のスペースとして利用されている


テーブルは移動式となっており、利用する人数に合わせて柔軟な対応が可能


 そして、全エリアの中でも最も眺望がよい、角部屋のように周囲と切り離されているのが「Base Camp」エリア。こちらはブレストやディスカッションなど、ちょっと発想を変えてアイディアを出す時などに利用されているという。

「Base Camp」エリア。眼下に首都高の谷町JCTを見下ろす、眺望と日当たりのよいスペースになっている




“見渡しの良い空間”のために、各エリアの区切りにもこだわりが


 新オフィスの選定にあたっては、「柱などがない、見渡しの良い空間」にこだわっているが、その思想は什器のレイアウトにも生かされている。

 先ほども説明したように、「Action !」と「Dive!」の両エリアは、「Ignition Circle」エリアを角として、L字に配置されている。これらの間をパーティションなどで区切らず、それでも直感的に分かるようにエリア分けするため、「Ignition Circle」エリアでは床上げを行った。什器の色もエリアで分けており、「Action !」エリアでは明るい白を採用。「Dive!」エリアは黒を基調に、落ち着いた雰囲気を演出している。

 さらに、“ここから「Dive!」エリア”だと一目でわかるように、「Ignition Circle」エリアとの境界にはロッカーを配置した。これによって、その先に足を踏み入れた人が、集中モードへと頭を切り替えられるというわけだ。

「Ignition Circle」エリアは、他のエリアよりもフロアが一段高くなっている


「Dive!」エリアと「Ignition Circle」エリアの境目にはロッカーを配置


 その一方で、クライアントの機密情報を扱う上では、機密性が保たれる空間が必要になるため、2つあるフロアのうちの1つは、ほぼ全てのスペースを会議室に充てている。その内訳は以下の通り。

・2人部屋:11部屋
・4人部屋:26部屋
・6人部屋:4部屋
・8人部屋:7部屋
・12人部屋:1部屋
・セミナールーム:1部屋 ※3部屋分割利用

 近年では“参加者のうち数名がオンライン”という会議も増えているので、2~4人程度しか入れない小規模な部屋を基本に、全部で52もの部屋を用意したという。10人以上が入れる大部屋は全部で1つだけ。セミナールームは主にイベントなどに利用しており、「18人×2部屋」+「24人×1部屋」の3部屋に分割することも可能だ。

 これによって、移転前のオフィスとはフロア面積こそ同じだが、先ほど紹介したフロアへと集約したデスクの数は大幅に減っている。これは、「概ね半分ぐらいの社員が出社しても対応できる」席数とのことで、今後も同社では50%程度の出社率を見込んでいるようだ。

2つあるフロアの1つは、受付以外のスペースが全て会議室で埋まっている


会議室は中の様子がボカして見えるように、壁のガラス面に特殊なフィルムを貼っている




社員が「出社したい」と思えるオフィスであるために


 ブレインパッドでは新オフィスの移転にあたって、社員に興味を持ってもらえるようにと、様々な取り組みを行った。

 社内ブログではオフィスの施工状態を逐一報告。「Action !」エリアではコクヨの「Monet(モネット)」という椅子を利用しているが、移転前に実際に社員に使ってもらった上で、選定を行ったという。他にも、Web会議ブースやコーヒーサーバーについても、複数の機種を用意して、社員による投票を行った。

「Action !」エリアにある椅子や、全部で13台以上あるWeb会議ブースは、社内でのアンケートをもとに選定している


 さらに、移転先のオフィスにおけるネットワーク機器は前のものを流用せず、全てを新規に購入した。移転作業はゴールデンウィーク中に行ったが、休み明けに新オフィスへと出社した際には、あらゆるネットワーク環境が完全に使える状態になっていたという。

「とにかく『ネットワークを止めないように』と、オフィス移転前に何度もテストを行い、新オフィスでもストレスなく作業してもらえることを重視しました。やっぱり『家での作業よりも仕事がはかどる』と思ってもらいたいので、全席にマルチモニター用のディスプレイを設置しているのも、その一つですね」(新木氏)

 ちなみに、アクセスポイントの数については、今回の移転に伴い大幅に拡充させたという。

【旧オフィス】
・白金台オフィス:24台(うちバックアップ用が9台)
・目黒オフィス:9台

【新オフィス】
・六本木オフィス:49台(うちバックアップ用が24台)

 このうちバックアップ用は、通常業務用のAPが利用不可能になった時に備えて、設置しているものとなる。同社の情報システム部では、ネットワークの管理においては「トラブル対応の即応性」を重視しているようだ。被害を最小限にとどめるために、ネットワーク構成や利用機器をシンプルに。万が一に何かが起きても、迅速に復旧できることにこだわっている。

 ただ、新オフィスの周辺には以前より多くのWi-Fiネットワークが存在したため、ネットワークの安定性を確保するには、かなりの苦労があったようだ。ネットワーク構築の際には、複数人のスタッフでフロアを歩き回って電波状況を数値化。接続が不安定な場所があった際には、APの電波調整や設置位置の変更などを行ったという。さらに、新オフィスへの移転後も、社員の利用するエリアに偏りがあるため、電波強度の調整を継続的に行っているようだ。

 なお、旧オフィスでは一部で米Extreme Networks社の「Aerohive」を利用していたが、新オフィスでは米Cisco社のAPに統一している。これについては「クラウド管理型のソリューションで、ネットワーク全体を一括管理・運用できる」ための選択とのこと。ファームウェアのアップデートも夜間にスケジュール設定できるので、社員の業務を邪魔せずに、セキュリティを維持できるという。実際に運用を始めてからも動作が安定しており、技術サポートがクラウドの管理画面と連動しているため、アクセスしやすいのも嬉しいポイントだそうだ。

 ブレインパッドの新オフィスでは、社員からの愛着や満足度を高め、様々な目的に使ってもらうための工夫が施されていた。テレワークに慣れた社員も、このオフィスであれば、日常的に出社することがストレスではなくなるだろう。
《とびた》
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