すぐそこに巨大な鹿も!知床斜里町のスゴすぎる大自然実態を知る | RBB TODAY
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すぐそこに巨大な鹿も!知床斜里町のスゴすぎる大自然実態を知る

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すぐそこに巨大な鹿も!知床斜里町のスゴすぎる大自然実態を知る
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 2005年、知床半島とその沿岸海域は世界自然遺産に登録された。筆者も昨年、家族旅行で知床を訪れた際に宿泊したホテルで、窓のすぐ外に野生のシカが現れたのだが、あまりにもごく自然に現れたその様子に、知床の手つかずの自然を再認識したものだ。

 そのような状況からは想像しにくいが、知床の魅力の源泉ともいえる豊かな自然を守る活動への寄付金が大きく減少しているという。

 知床の自然保護活動「しれとこ100平方メートル運動」(http://100m2.shiretoko.or.jp/)が始まったのは、もう40年ほど前の1977年のことだ。70年代初頭に始まった日本列島改造論の余波が、道東の知床まで至り、リゾート開発のための土地買収の手が伸びていた。



 この状況を懸念した斜里町(知床がある町)の藤谷豊町長(当時)は、新聞で目にしたイギリスのナショナル・トラスト運動をお手本に、自分たちの手で土地を買い集めて、乱開発から守る運動を始めた。これが、「しれとこ100平方メートル運動」(http://100m2.shiretoko.or.jp/)だ。一口8,000円の寄付で10メートル四方、すなわち100平方メートルの土地を確保し、自分たちの手で守りませんか、という呼びかけは、公害問題や自然環境への関心が高まっていた世論に受け入れられ、順調に土地を買い集めることになる。

 当時、その運動に参加した家族の話を聞くことができた。東京都八王子市に住む頓所(とんしょ)武伸さん、潔子さん夫妻は、今から約30年前の1985年、寄付をすることで運動に参加し、知床との関わりを持った。「新聞で運動のことを見かけて、3人の子供たちの名義でそれぞれ一口8,000円づつ寄付をしました。それから1年後に、せっかくだから家族で知床を見に行こうということになりまして、寄付した人たちのネームプレートが掲示してあるところに、自分たちの名前を見つけた時は嬉しかったですね」。



 それから30年たったいま、頓所さんの長男である天野耕太さん(旧姓:頓所)の所属する会社が「知床財団」に協賛していたことがきっかけで、再び知床にかかわりを持つことになる。今年、天野さんの子供たちも含めた親子三代で知床を訪れ、ネームプレートを確認してきたそうだ。「またご縁があって、今度は孫たちも一緒にみんなで知床を訪れることができて、世界遺産にもなりましたし、本当に寄付しておいてよかったです。次は孫たちの名前で寄付をしようかと思っているところです」と潔子さんは嬉しそうに話す。



 現在の「しれとこ100平方メートル運動」(http://100m2.shiretoko.or.jp/)は、土地の買い集めがほぼ完了した1997年以降、知床の独特な生態系や針広混交林の復元を目指す、新しいフェーズに入っている。運動の現地業務を担う知床財団の松林良太さんは「世界遺産に登録されたのも、このような自然保護の持続的な取り組みが評価されてのこと。この先100年200年、何年かは分からないが、自然を守り、森を本来の姿に復元していくことが大事なことです」と語る。

 では具体的に、どのような活動をしているのだろうか。「エゾシカ対策が大きな課題」と松林さんが語るように、知床のエゾシカの数は、2000年ごろには過去にないレベルにまで増加し、街中に頻繁に出没したり、畑を荒らしたりするばかりか、せっかく再生し始めた若い樹木を食べてしまうなど、その影響が無視できないところまで来ていた。「再生中の森の中にエゾシカが入らないように、防鹿柵を張り巡らしたり、樹皮を保護するためのネットを巻くなど様々な対策をしています」。





 そして、一番の目的である自然の保護と復元については、苗木の育成や移植を中心に、防鹿柵の設営やメンテナンスなどと並行して進められている。この点は、ボランティアの力に負う部分が大きい。「どうしても畑や土木作業が多いので、ボランティアの人手を借りることが不可欠」なのだ。聞くところによると、しれとこ100平方メートル運動は、ボランティアのベテラン参加者に好評だそうだ。「手応えのある重作業をお願いすることになりますし、なにより知床の世界遺産のなかで、某テレビ番組のような畑作業、土木作業を体験できることが理由だと思います」と松林さんは説明する。

 例えば週末に募集しているボランティア活動は、1日だけでも参加でき、宿泊の場合はウトロの施設で一泊500円で宿泊できる。また、森づくりワークキャンプという5泊6日の合宿イベントは18歳以上が条件で、参加費は18,000円。これには宿泊費や食材費等も含まれる。食事は参加者同士の自炊で賄われ、合宿生活が楽しいというリピーターも多いようだ。参加者は大学生のグループからご年配の方まで。日本全国から集まる。



 そのほか、子供向けには知床自然教室というキャンプイベントがある。親元を離れ、電気ガス水道といったライフラインのない、まったくの自然の中で一週間を過ごすものだ。実は松林さんも小学生の時に神奈川県横浜市からこの知床自然教室に参加し、それがきっかけで、大人になった20年後に知床に移住し、いまや財団に参加しているという経緯の持ち主だ。もともと松林さんの親世代からこの運動にかかわり、いまは松林さんの子供も参加されているという。前出の頓所さんと同じように、親子三世代がこの知床にかかわっている形だ。

 この知床自然教室は今年で37回目。松林さんのほかにも、子供のころにキャンプに参加した人たちが親となり、自分の子供をキャンプに参加させているというケースもよくあるそうだ。



 自然の保護と復元は、終わりのない活動である。きっかけはキャンプでも、ボランティアでもいい。世界遺産の大切な自然を守る運動を持続的に続けるため、資金面の協力がいま求められている。現在、斜里町役場では自然の再生を目指すため、1口5,000円で寄付を募っている。一方で、このように長く続く自然保護の活動を通じて、親から子へ、大切な価値観を伝えるきっかけとして、このような運動に参加するという好事例もある。頓所さん、松林さん親子のように。

「しれとこ100平方メートル運動」寄付のサイト
《RBB TODAY》
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