終戦70周年……節目の年に戦争映画続々 | RBB TODAY
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終戦70周年……節目の年に戦争映画続々

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ドローンを使用した現代の戦争の実態を描く『ドローン・オブ・ウォー』 (c)2014 CLEAR SKIES NEVADA,LLC ALL RIGHTS RESERVED.
  • ドローンを使用した現代の戦争の実態を描く『ドローン・オブ・ウォー』 (c)2014 CLEAR SKIES NEVADA,LLC ALL RIGHTS RESERVED.
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 今年8月15日の終戦記念日で、戦後70周年を迎える。節目となる今年も戦争をテーマにした作品が多数公開されているので、その幾つかを紹介する。

 まず初めに紹介する作品は、映画『鉄男 TETSUO』『悪夢探偵』などで知られる塚本晋也監督の最新作『野火』。第71回ベネチア国際映画祭コンペディション部門に出品された同作は、第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島に取り残された日本軍の戦いと、肺病のため部隊を追われた一人の兵士の姿を追う人間ドラマ。

 その他には8月8日より公開中の荒井晴彦監督の『この国の空』。芥川賞作家・高井有一の谷崎潤一郎賞受賞作を映画化した同作は、終戦間近の日本を舞台に妻子ある男性(長谷川博己)を想う二階堂ふみ演じるヒロインが女になっていく姿を描いている。役所広司、松坂桃李ら実力派俳優陣が名前を連ねる原田眞人監督の『日本のいちばん長い日』も今年の戦争映画の話題の一作。

 そんな中で、注目は10月1日より公開の『ドローン・オブ・ウォー』。本作は昨今、あらゆるメディアを賑わせている“ドローン”を軍事利用する現代の戦争を描いた作品だ。2015 年は“ドローン元年”とも呼ばれ、空の産業革命ともいわれ様々な分野での活用が期待される一方で、実はドローンをめぐる技術革新は、9.11以降の同時多発テロ以降、長年にわたって、軍事分野で着々と進められてきたものである。

 本作は米国の無人戦闘機ドローンの恐るべき実態を、ひとりのドローン操縦士の日常に焦点を絞り、現代における戦争の知られざる真実を暴き出した問題作である。メガホンを取ったのは『ガタカ』、『TIME/タイム』のアンドリュー・ニコル監督。主演には『ガタカ』『ロード・オブ・ウォー』以来、監督とタッグを組み、『6才のボクが、大人になるまで』アカデミー賞助演男優賞ノミネートの記憶も新しいイーサン・ホーク。

 現代の戦争の実態を描く本作をいち早く観た有識者からのコメントも到着した。

 「安倍首相必見!戦争が変わった。日本が組む相手はこいつらだ。日本はついていけるのか。地上テロ vs ドローンテロ」(立花隆/ジャーナリスト)

 「この映画は恐ろしい映画である。湾岸戦争後に米国で開発されたドローンはオペレーターが戦場と全く関係のない場所からクリック一つで世界中の至る所にある衛星でとらえた目標をピンポイントで撃破できる無人機システムである。これは従来の戦争や戦闘という概念を根本的に変化させるものである。米国と米国民を守るためのミッションだと言うが、国際法上許される行為なのか。米国の方から攻撃しないと我々はやられる。それでは、この戦闘は永遠に続くということなのか。もし、テロリストがドローンを持つようになったら、我々はどうなるのかという重大な疑問に行き着く。しかし、この映画は答えを示さない。示しえないのである」(森本 敏/拓殖大学教授)

 「なんとも恐ろしい映画だ。ラスベガス郊外のコンテナの中で無人戦闘機ドローンを操作し、アフガンのタリバン兵や住宅をピンポイントで狙い壊滅させる。女子供や一般市民も躊躇なく殺害する。これが今の米国の戦争の実態だという。しかし、作戦に従事する少佐にはやり切れない思いが……」(鳥越俊太郎/ジャーナリスト)

 「一万キロ離れた快適な室内からミサイル発射! 戦争の最終形態が人を蝕んでいく。爆殺されたのは敵か、われわれのモラルか。ようこそ、仁義なき“戦場”へ」(宮崎哲弥/評論家)

 「“Preemptive self-defence”(先制的自衛)という戦争正当化の理屈殺人の心理的ハードルを下げるドローン→狂気の殺戮という図式ドローンの攻撃用武器としての使用を禁止する条約が必要だ」(古賀茂明/ジャーナリスト)

 「戦争の概念は変わった。ウィキリークスなどの台頭によるインテリジェンスの変更は、さらにドローンの登場によって、米軍の戦略に決定的な見直しを余儀なくさせた。本作はその現実を平和ボケの日本人に突きつける警告となるだろう」(上杉隆/ジャーナリスト)

 「『現在の戦争』がどのようなものなのか、その一端を知ることの出来る意欲作だ。米国で物議をかもしたこともよく理解できる。『戦争』は国がするが、現場では『人間』が動いている。細やかな表情や指先の動き1つも見逃すことが出来ない力作だ。アンドリュー・ニコルという天才に惜しみない称賛を送りたい」(長谷川豊/ジャーナリスト)

「無人攻撃機ドローンは敵を殲滅させるだけではなく、それを操る米軍パイロットの精神をも破壊してしまう。実話に基づき描かれた本作は、日々進化し続けるハイテク兵器の光と影を白日の下に晒した傑作だ」(山路徹/ジャーナリスト)

 映画『ドローン・オブ・ウォー』は10月1日(木)TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー。

※お詫びと訂正……初出時、本文中に一部誤りがありました。読者ならびに関係各位にお詫びするとともに、本記事に訂正いたします。
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