筆者が実行委員長を務めた「ITヘルスケア学会第9回年次学術大会」および「モバイルヘルスシンポジウム2015」が6日、7日の2日間、熊本市にて開催された。 医療・ヘルスケア分野におけるICTの利活用に関する各種取り組みの成果や、今後の展望などの情報を集積させるような一大イベントとなり、全国から200名以上が参加。このシンポジウムの中から、医療・ヘルスケアデータ収集のあり方について考えさせられた2つの基調講演の一部と、今後国内でこうしたヘルスケアデータをどう扱っていくべきかの道筋を示した同学会の方針についてご紹介したい。■米Appleの医学研究支援に向けた本気度 基調講演のトップバッターには、日本一のApple通として製品のレビューをはじめ、ICT業界の動向について執筆や講演活動を行っているジャーナリスト・林信行氏が登壇。米Appleが昨年、iOS 8の提供と同時にサービス提供を開始した「HealthKit」と、2015年3月に発表した「ResearchKit」の解説から始まった。 「HealthKit」は、iOS 8に標準搭載された健康データ管理フレームワークだ。iPhone上には「ヘルスケア」アプリが標準で搭載され、各種のバイタルデータを収集するサードパーティーのアプリがHealthKitに対応すると、ユーザーが自らバイタルデータ収集のアプリをデータ収集元(ソース)として「ヘルスケア」アプリに登録することができ、さまざまなバイタルデータを一元管理したり、時系列で複数のデータの変化を比較することが可能になる。 逆に言えば、ユーザー自らの“同意”のもとで、サードパーティのアプリが収集してきたユーザー自身のバイタルデータをAppleに情報提供することにもなる。そしてAppleはこの「HealthKit」を通じて収集したデータをビッグデータとして活用していくことになる。
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