【東日本大震災特別コラム001】混同しやすい「避難場所」と「避難所」の違いとは | RBB TODAY
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

【東日本大震災特別コラム001】混同しやすい「避難場所」と「避難所」の違いとは

ブロードバンド その他
行政が立てた「避難場所」に指定された場所名と距離を示す看板。(撮影:編集部)
  • 行政が立てた「避難場所」に指定された場所名と距離を示す看板。(撮影:編集部)
  • 「避難場所」に掲げられた行政による看板。避難所の案内表示もされていた(撮影:編集部)
  • 国土地理院が2014年4月に定めた「避難所等の地図記号」。災害に備えて記号を覚えておこう(画像は国土地理院報道資料より)
  • 「避難所等の地図記号」に関する補足説明。JIS規格の記号を簡略化したものが使われている(画像は国土地理院報道資料より)
 2011年3月11日に起きた東日本大地震以来、日本ではさまざまな安全対策や防災面の見直しが進められた。今回は、言葉では意外と混同しやすい「避難場所」と「避難所」の違いを解説する。

 そもそも「避難所」と「避難場所」に関しては、地方自治体により、呼び方が微妙に異なっていたり、種類が細分化されていたりと、これまでは全国的な統一は行われていなかったが、2013年6月に改正された災害対策基本法で「避難場所」と「避難所」が明確に定義された。

 まず「避難場所」は、大雑把に言うと屋外のスペースだ。正式には「緊急避難場所」で、「広域避難場所」とも呼ばれる。災害時に地域全体が避難する場所で、大きな公園や緑地、耐火建築物地域などが指定されている。地域の電柱などにも掲示されていることも多く、普段から場所を把握しておきたい。こうした避難場所は、あくまで一時的な避難場所であるため、飲料水や食料などの備蓄はされていない。

 「緊急避難場所」の中でも津波からの避難場所となる場合には、新たに定められた安全基準を満たしていなければならない。安全な区域内になることと、区域外では津波の想定水位以上の高さに避難スペースがあり、有効な階段があること。また、津波で生じる水圧などに対して構造耐力上、支障のない構造物で地震に対する建築基準法の規定に適合した場所が認定されている。

 一方で、「避難所」は災害で住む家を失った人の一時的な生活場所になりうる場所で、正式には「指定避難所」と呼ばれる。食料や水の備蓄やトイレなどがある。また、災害の危険性があり、避難した住民を災害の危険性がなくなるまで必要な間、滞在させる施設だ。市区町村長が指定し、一般的に公民館や小・中学校等の公共施設が利用される。

 規定条件も厳しく、被災者の人数に見合った必要かつ適切な規模、すみやかに被災者を受け入れて生活関連物資を配布できることが条件となる。想定される災害の影響が比較的少なく、車両による輸送が比較的容易なことも重要になる。

 また、高齢者、乳幼児、障がい者といった要配慮者を受け入れられる「福祉避難所」もあり、こちらは要配慮者が円滑に利用できるような措置が講じられていること、相談や支援体制の整備、居室を可能な限り確保されていることを満たしていなければ認められない。

 ちなみに、法律で基準は明確になったものの、以前から地域で浸透している呼び方、区分けもあるので、今現在は統一作業の途中の状態でもある。まずは自分が住む地域や、勤務先がある市区町村に確認してみるといいだろう。

 国土地理院ではこの災害対策基本法の改正を受けて、地図記号を定めた。地図でどう表示されるのか、また案内板などを見るときの目安として覚えておきたい。
《防犯システム取材班/小菅篤》
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

page top