世界初の市販FCV、トヨタから…加藤副社長「水素社会の実現に貢献」 | RBB TODAY
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世界初の市販FCV、トヨタから…加藤副社長「水素社会の実現に貢献」

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トヨタFCV『MIRAI』(Photo:高木啓)
  • トヨタFCV『MIRAI』(Photo:高木啓)
  • 日本科学未来館で行われたトヨタFCV『MIRAI』発表会(Photo:大野雅人)
  • 日本科学未来館で行われたトヨタFCV『MIRAI』発表会(Photo:大野雅人)
  • トヨタの加藤光久副社長(Photo:大野雅人)
  • 『MIRAI』の開発責任者、田中義和主査(Photo:大野雅人)
  • 日本科学未来館で行われたトヨタFCV『MIRAI』発表会(Photo:大野雅人)
  • トヨタFCV『MIRAI』(Photo:大野雅人)
  • トヨタFCV『MIRAI』(Photo:大野雅人)
 経済産業省などはことし6月、水素社会実現に向けた「水素・燃料電池戦略ロードマップ」をまとめ、2015年を“水素元年”とし、「定置用燃料電池や燃料電池自動車の活用を大きく広げ、我が国が世界に先行する水素・燃料電池分野の世界市場の獲得を目指す」と位置づけた。

 こうした流れのなかトヨタ自動車は11月18日、“世界初の市販FCV(燃料電池自動車)”となる『MIRAI』を発表。この4人乗りセダンは、満充填3分、航続距離650kmと、ガソリン車と同様の使い勝手でデビューした。

 同社は、「水素は、下水の汚泥から生成したり、太陽光、風力などの自然エネルギーといった多様な一次エネルギーを活用し、生成できる。水からも生成できる。FCVは、将来の水素社会の一躍を担い、エネルギー多様化への対応をさらに加速させると期待されている」という。

 「水素で走る燃料電池車は究極のエコカー。このMIRAIの開発は、水素社会の実現へ向けて、われわれが自動車会社としてできる貢献だと思っている」と語るのは、同社・加藤光久副社長。MIRAIのFCスタックや、燃料となる水素を貯蔵する高圧タンクを中心としたFCシステムはトヨタが自社で開発した。

 同社は、FCVの実用化に向け、20年以上にわたり開発を続けてきた。「実はトヨタは、ハイブリッドカー『プリウス』よりも早くからFCVの開発に着手していた。実験走行距離の累計は200万kmを超える。MIRAIでは、安心・安全を追求した車両設計、優れた操縦安定性、圧倒的な静粛性を実現させた。水素を燃料とするMIRAIの登場によって、水素エネルギーが社会で受け入れられれば、世の中を変えることに貢献できる」(加藤副社長)

 加藤副社長は、ガソリン車に匹敵する“走り”もMIRAIの特長だという。MIRAIの開発責任者である田中義和主査は、「高出力FCスタックとバッテリーによって、俊敏な応答性が実現。シール構造などにより遮音性も高められ、アグレッシブな走りに静けさが加わった」という。アグレッシブな車というと音がうるさい車を想像しがちだが、MIRAIは車の“楽しさ”を損なわずに静粛性を実現した。

 販売目標台数は2015年末までに約400台。「普及の見通しは?」という報道陣の問いかけに、加藤副社長は「ハイブリッド車がここまで普及したのに10年以上かかっていることを考えると、車だけじゃなく、インフラ関係の整備や水素社会に対するユーザーの意識の変化などにも時間はかかるだろう。2020年をめどに数万台規模を目指していく。しかし、水素社会はみんなでつくっていく社会。何がきっかけになるかはわからないが、こういう車が普通に走っている社会が早くやってくるといい」と答えた。

 MIRAIの価格は723万6000円。水素スタンドのある首都圏、中京、京阪神、北九州地区において、トヨタ店・トヨペット店で12月15日に発売される。

《大野雅人》
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