【CEATEC 2014 Vol.8】スマートウェア「東芝グラス」初公開……メガネとしての装着性を重視 | RBB TODAY
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【CEATEC 2014 Vol.8】スマートウェア「東芝グラス」初公開……メガネとしての装着性を重視

IT・デジタル スマートフォン
「東芝グラス」のプロトタイプ
  • 「東芝グラス」のプロトタイプ
  • 右側にプロジェクションユニットを搭載
  • 通常タイプの試作機
  • 超小型のプロジェクターを内蔵
  • 透過タイプのハーフミーラーがレンズに装着されており、ここに映像が映し出される
  • ユニットの外側がタッチセンサーになるか、などUIの検討はまだこれから行われる予定
  • ツルの部分もスリムで、外観は普通のメガネと変わらない
  • スポーツタイプの試作機
 CEATEC JAPAN 2014に出展する東芝が、同社初のメガネ型ウェアラブル「東芝グラス」を参考展示する。メガネ専業ブランドとのコラボにより、スマート機能だけでなくメガネとしての装着性も重視した点が特徴だ。

 東芝が今回のCEATEC会場に出展する「東芝グラス」は、同社の社長直轄のプロジェクトである「新規事業開発部」の主導により開発が進められているスマートウェアだ。プロダクトの開発をリードする同事業部 主務の金子祐紀氏は「メガネ型ウェアラブルの要素技術は東芝の研究開発センターで約2年前から取り組んできた。昨年10月に新規事業開発部が新設され、4月からプロトタイプの開発に着手して今回のイベントで初めてお披露目できる運びとなった」と開発の経緯を説明する。

 その第一印象は普通のメガネと変わらないが、右側のフレームに超小型のプロジェクションユニットが搭載されており、同じ右側のレンズに埋め込まれたハーフミラーに映像を投写することで、およそ900×900ピクセルの正方形の透過表示の画面に映像情報を映し出す仕組みになっている。ディスプレイはカラー表示にも対応する。

 メガネ本体は大阪でゴーグル・サングラスや産業用保護メガネなどの製造を行う企業である山本光学の「SWANS(スワンズ)」ブランドとの共同開発によるもので、装着感や軽量設計など「メガネならではの使い心地の良さ」やデザインにもこだわった。会場に出展されたプロトタイプは、通常のカジュアルなタイプのフレームと、フィット性を高めたスポーツタイプ、ゴーグルタイプの3種類が用意されている。

 特設ブースではこのうち通常タイプの「東芝グラス」によるデモンストレーションが体験できた。メガネをかけると右目の前にカラー表示の高精細な画面が浮かび上がる。今回は専用のデモ映像をプロトタイプに表示するまでの内容となっているが、「今後さらにユースケースの検討を進めながら、アプリやユーザーインターフェースの作り込みを進めて、トータルのソリューションを提供していきたい」(金子氏)という。本体の小型・軽量化を優先するため、現状ではバッテリーやコントロールユニットはグラス部とは別筐体でのセット構成が検討されている。先述の理由に加えてバッテリー消費の観点からも、コントロールユニットとの接続はワイヤレスではなく有線になりそうだ。グラス側にはHDMIとUSBのマルチ接続端子が搭載されており、スマートフォンアプリからのコンテンツなどを表示しながら活用するスタイルが想定されている。

 「はじめは建設作業や医療、倉庫管理や警備などBtoBの用途を中心に、ハンズフリーで装着できる表示デバイスとしての提案が中心になると思います」という金子氏。実際にブースで「東芝グラス」を装着してみると、非常に軽いうえにメガネとしての自然なフィット感が得られるので、スポーツやアウトドアレジャーで活用できるスマートウェアとしてBtoCでの引き合いも出てくるだろうと感じた。

 今後はレンズ部分を開発するメーカーとともに、視力の弱いユーザーもリアルなメガネとして活用できるよう視度調整に対応するための開発も進められている。「プロトタイプはレンズ部分がフラットな構造なので、曲面に成形しながらディスプレイとしての機能を高められるような技術を開発しています。またメガネの上に重ねられるような“オーバーグラス”スタイルの製品についても同時に検討しながら、ユーザーにとってベストな使い心地を提案していきたいと考えています」(金子氏)。

 「東芝グラス」のプロトタイプはCEATEC JAPANの東芝ブースに設けられた特設ブースで体験ができる。
《山本 敦》
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