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【木暮祐一のモバイルウォッチ】第53回 au網を使ったMVNO、ケイ・オプティコムの「mineo」をレビュー Part1

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シャープ製のmineoオリジナル端末「AQUOS SERIE」。auのAQUOS SERIE SHL25と同等品
  • シャープ製のmineoオリジナル端末「AQUOS SERIE」。auのAQUOS SERIE SHL25と同等品
  • mineo版には、auのロゴは無く、代わりにmineoのロゴが輝く。その希少性に惚れた
  • まずは筆者が仕事をする大学エントランス周辺で速度チェック。八甲田連峰麓の森の中ながらもまずまずな通信速度
  • ついでにフィールドワークで訪れた、青森市郊外の山中にある養蜂場でもかろうじてLTEを掴めた。電波が必死に回り込んできているな、という感じ
  • 8月2日から7日は青森ねぶた祭。この日はあいにくの雨でねぶたにビニールのカバーがかけられているのが残念(AQUOS SERIEで撮影)
  • 人口30万人の青森市にのべ300万人も観覧に来るという青森ねぶた祭の人ごみの中でもしっかり実用レベルに利用可能だった
  • 青森は何を食べても美味しい! そんな様子をさっと撮影してソーシャルに投稿… ちなみにここは大間のマグロ丼で有名な浅虫温泉の鶴亀屋食堂
  • AQUOS SERIEで撮影した鶴亀屋食堂のマグロ丼(ミニ)。このほかに小、中もある。ミニはライス小にマグロが10枚乗る。これにライスをもう一つ付けるとマグロとバランスが取れる感じ
 スマホ端末も同時に購入したいというユーザー向けに、mineoでも独自にスマホ端末を提供しており、SIMカードと同時に購入が可能である。「シングルタイプ」「デュアルタイプ」のどちらでも同時に端末の申込ができ、端末代金は24回分割で毎月の通信料と合算して支払うことになる。

 端末は現在、京セラ製の「DIGNO M」とシャープ製「AQUOS SERIE」の2種類が用意され、DIGNO Mなら月額2,000円、AQUOS SERIEなら月額3,150円が加算される(税別)。いずれもauでも販売されている機種であるが、最初からmineoで利用することを考えるなら、mineoの各種付帯サービスのアプリ等があらかじめプリインストールされているmineo版のスマホのほうが初心者でも安心であろう。ちなみに、auと同スペックの機種ながら、mineo版のこの2機種には「au」のロゴは無く、代わりに「mineo」のロゴが輝く。筆者も当初はSIMカードだけチョイスするつもりであったが、この端末の希少さの誘惑に負けて、端末付きで申込をしてしまった。

■実際の使い勝手はいかに?!

 mineoは現時点でauのLTEネットワークを利用する唯一のMVNOである。NTTドコモのネットワークを利用しているMVNOは枚挙にいとまがないが、そうした中で筆者がmineoに期待したいのは、auが得意としている800MHz帯(いわゆるプラチナバンド)のLTE網の充実度である。プラチナバンド帯は、建物の奥のほうまで電波が回り込みやすいし、山間部などでのエリアでも有利そう。また、NTTドコモ(MVNOを含む)に比べると、auの契約ユーザー数が少ないことも注目しておきたい。限られた周波数帯域の中で各通信事業者がサービス提供を行っているわけだが、ユーザー数が多ければ多いほど、その分通信帯域をユーザー同士でシェアしながら通信することになるので、加入者が多い事業者の場合、通信速度が遅くなるなどの不都合も生じる。したがって、基地局配備等の通信設備の充実度ももちろんなのだが、そのインフラに対して利用するユーザー数が少ないほうがより快適に通信できるということになる。

 これは都心部でも当てはまることだが、じつは地方都市でも顕著に差が出てくる。筆者が暮らす青森に限らず、地方に行くほどNTTドコモのユーザー割合が高くなる。auのサービス提供エリアはNTTドコモと遜色がないところまで充実している一方で、ユーザー数自体は少ない、さらに言えばauの800MHz帯のLTE対応端末自体がまだまだ少ないので、少なくとも当面は快適に利用できるものと想像できる。

 800MHz(プラチナバンド)のLTEは、都心部では建物の中まで電波が回り込みやすいということですでに定評あるが、たとえば山間部でもそれなりに有利に働く。たとえば、筆者が勤務する大学は青森市郊外にあり、市街地から奥入瀬・十和田湖方面に抜ける八甲田連峰を上りかけた途中の森の中にある。こんな場所でも、NTTドコモとauの2事業者に関してはLTE網が整備されている。大学のエントランス付近で通信スピードテストを実施したところ、下り28.6Mpbsとまずまずの数値を叩き出す。また筆者の研究室内など、建物内で比較しても、明らかに電波が回り込んできていると実感できる。

 そして、これもmineoが有利であろうと思われたのが、人でごった返す中でのデータ通信だ。青森市では毎年8月2日~7日の6日間、全国的にも知られている「青森ねぶた祭」が開催される。東北三大祭の一つで、幅約9m、高さ約5m、奥行き約8mと言う規定の中で作られた大型の灯籠を担いで青森市中心部を練り歩く盛大なお祭だ。人口わずか30万人の青森市に、このお祭の会期中にはのべ300万人以上の観覧客が訪れる。

 花火大会など、人がたくさん集まる場所ではケータイやスマホがつながりにくくなることは知られているが、言ってみれば青森ねぶた祭開催中は青森市中心部は毎日が「花火大会」と同じような状態だ(実際、最終日は約2時間にわたって花火が打ち上げられる)。

 そんなごった返し状態の中にも関わらず、この祭の中でもしっかり通信できることが確認できた。周囲の観覧客の多くがスマホを利用していたが、使い方はみな一緒で、スマホのカメラを使って写真や動画を撮影し、さらにその画像等をリアルタイムに友人たちにメールしたり、ソーシャルネットワークにアップロードするなどしている。他の通信事業者のネットワークを使うユーザーのとっては、かなり混雑気味なネットワークに誰もがストレスを感じている様子だったが、筆者の場合、mineoを使って撮影したねぶたの動画をfacebookにすんなりと投稿することができた。

 以上がmineoのファーストインプレッションだ。NTTドコモのネットワークを使うMVNOはこれからも乱立していくことが考えられ、ネットワークの混雑は一段と増していくと思われるが、mineoは唯一auのLTEネットワークを利用したMVNOとして、少なくとも向こう1~2年は快適に使えるものとみた。

 さて、次回はmineoを利用するための端末について、その設定方法、端末調達手段やSIMとの相性などをレポートしたい。
《木暮祐一》
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