高田副センター長:ウナギにはウロコがあるんですか?さかなクン:あります。ウナギはお魚のなかでも、もっとも小さいウロコを持つといわれています。高田副センター長:それなら、ウロコに成長の過程が刻まれているかもしれませんよね。マリアナ海溝で生まれたあと、どういうルートで日本にまでたどり着くのか、ウロコに付着した物質をピコレベルで見ていくことでわかるはず。しかも、マリアナ海溝には火山がありますから、硫黄がウロコのどの部分についているのかで、何歳までそこにいたのかも調べられる。SACLAはそういう調査がすごく得意なんです。さかなクン:それはすギョいですね。ウナギの生態が解明できたら、養殖技術も進歩するかもしれませんね。高田副センター長:そうすると、ウナギから絶滅の心配がなくなって、しかも私たちが安く食べられるようになる(笑)。さかなクン:観察することがすべてにつながっているんですね。高田副センター長:さかなクンがSACLAで研究してみたいお魚ってなんですか?さかなクン:ハコフグのことについてぜひともギョ研究してみたいです。実はこのお魚、ストレスを感じると体表から毒を出してしまう。強力なので、水槽が小さいとほかのお魚まで全滅したり、ハコフグ自身が死んだりしてしまうことも。いつ、何が原因で毒を出すのかわからないんです。そのメカニズムが判明すれば、もっと手軽に飼育できるようになるかなと思います。高田副センター長:毒を出すメカニズムというのは、ストレスに対する反応としてわかりやすい現象ですね。ハコフグのタンパク質を原子や分子のレベルで観察することで、ストレスを感じるときに体のなかで何が起こっているのか、わかるかもしれない。