NICT、複数の新世代ネットワーク技術を同時実験……さっぽろ雪まつりの3Dライブ映像を同時配信 | RBB TODAY
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

NICT、複数の新世代ネットワーク技術を同時実験……さっぽろ雪まつりの3Dライブ映像を同時配信

ブロードバンド テクノロジー
2011年さっぽろ雪まつり関連実証実験イベント実験構成図
  • 2011年さっぽろ雪まつり関連実証実験イベント実験構成図
  • 主催および協力団体
 情報通信研究機構(NICT)は7日、JGN2plus上に新世代ネットワーク技術による動的オンデマンドネットワークを構築し、リアルタイムに最適な経路に切り替えて3Dハイビジョン映像の放送配信を行う実験を開始した。

 NICTでは、新世代ネットワークの実現等に向けた研究開発用テストベッドネットワークとしてJGN2plusを構築、運用しており、今回の実験では新世代ネットワークの技術として注目されている「DCN(Dynamic Circuit Network)」「OpenFlow」「PCE/VNTM(Path Computation ElementおよびVirtual Network Topology Manager)」の3つの技術を利用する。これらの技術を利用し、動的オンデマンドネットワーク経路上に同一コンテンツ(さっぽろ雪まつり会場からの2D/3Dハイビジョン映像)を、統合化した画面(GUI)からリアルタイムに切り替えて地上デジタルテレビジョン放送向けの配信等に利用する。

 この実験では、一部経路にテラヘルツ技術を用いた有線・無線融合ネットワークを活用。放送レベルの品質要求に対応するため、「PerfSONAR」「PRESTA 10G」のネットワーク計測技術を用いて高精度、広範囲に測定・分析し、利用に最も適した経路を選択することも可能とするという。さらに、現在標準化作業が進められている新方式のIPv6トンネルプロトコル技術を実装した「SA46T」を、日本とタイ国間で接続してハイビジョン映像を伝送する実験も、世界で初めて行う。

 実験のポイントは、複数の新世代のネットワーク技術を同時運用した放送配信の制御・管理や、複数の新世代のネットワーク技術環境をリアルタイムに同一管理画面で計測・制御、さらに、標準化に向けたSA46T技術の国外利用及び国際間通信、NICT、NEC、FUJITSU、NTT、Internet2等の国内外の研究機関・企業を含む新世代ネットワーク技術にフォーカスした産官学連携、などとなっている。

 実験の主なスケジュールは、7日は動的オンデマンドネットワークを実現する複数の新世代ネットワーク技術であるOpenFlow、DCN、PCE/VNTMや、120GHz帯無線技術を用いて、JGN2plus及びGEMnet2上に複数の仮想ネットワークプレーンを構築。利用するプレーンを切り替えながら、直接ライブ配信の実証実験を実施。この中で、実際の放送への中継を行う。8日は前日と同様に複数の新世代ネットワーク技術を用いて、それぞれさっぽろ雪祭り会場から世界各地へ同時に中継映像や素材伝送の実証実験の実施を行う。この際、複数の新世代ネットワーク技術を同一管理画面でコントロールするとともに、各プレーンによる映像伝送の計測結果を解析し、最適なプレーンや伝送経路を利用する実験を行う。

 NICTでは、今後、JGN2plusで得られた本成果などを通して、新世代ネットワークの実現に向けたテストベッドネットワーク「JGN-X」を構築し、クラウド、放送、医療など、様々な要求条件を持つアプリケーションを収容可能なネットワーク技術の研究開発に取り組んでいくとのこと。
《池本淳》
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

page top