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【CEATEC JAPAN 2010(Vol.10)】NTTドコモの電子書籍サービスとは? 会場でデモを展開予定

ブロードバンド 回線・サービス
NTTドコモ ユビキタスサービス部 マシンコムサービス企画 担当部長 船本道子氏
  • NTTドコモ ユビキタスサービス部 マシンコムサービス企画 担当部長 船本道子氏
  • NTTドコモの電子書籍トライアルサービスのイメージ。コンテンツとセットになったビューアアプリケーションをインストールして利用する
  • 「NTTドコモのユーザーは年齢層が幅広いため、なるべく多くのお客様に楽しんでもらえるコンテンツを提供したいと考えています」
  • NTTドコモとDNPが共同で電子書籍プラットフォームを構築。それぞれの得意分野の知見を合わせて、ワンソース・マルチデバイス対応の電子書籍コンテンツの提供を目指していく
 NTTドコモは、「CEATEC JAPAN 2010」にて「Xperia」などのスマートフォンや、タブレット型端末などを対象に、10月末から電子書籍のトライアルサービスをスタートする予定だ。

 同社の船本道子氏(ユビキタスサービス部 マシンコムサービス企画 担当部長)は「我々は、これまでキャリアとして多数のサービスを提供してきました。昨今、電子書籍に関する話題が高まってきたこともあり、この成長が見込まれる市場において、ネットワーク提供だけでなく、新たなビジネス領域にチャレンジし、お客様により豊かな価値を提供することで、通信事業の更なる広がり・発展を図りたいと考えています。出版物を電子化することで、新たな読書の楽しみをご提供するべく今回のトライアルサービスを開始することになりました」と説明する。

 トライアルサービスにおいて、電子出版コンテンツはまずスマートフォン向けに提供される。期間中は今後提供予定の電子書籍サービスの利便性向上を目的とし、利用者からのフィードバックを集めると言う。トライアルサービスは10月下旬から12月下旬まで実施される。トライアル期間中に約50程度のコンテンツが閲覧できる予定で、一般書籍やコミックのほか、電子書籍の特長を活かした動画や地図などと連携した雑誌などが提供される予定だ。これらはドコモマーケット上にある専用サイトにアクセスし、コンテンツとセットになったビューア・アプリケーションをインストールすることで閲覧できる。

 また、ドコモは電子書籍サービスの提供にあたり、大日本印刷(以下、DNP)と、紙の書籍と電子書籍コンテンツのハイブリッド型サービスの普及に向けて、共同で電子書籍プラットフォームを構築し、様々な端末でユーザーが利用できるサービスを提供する方針だという。今回のトライアルサービスを提供することで、コンテンツの内容やビューアアプリケーションの使い勝手などについて、利用者からの意見も参考にし、年明けからの本格サービスの提供開始を目指す。

 この電子書籍プラットホームでは、セキュリティ・信頼性に優れた「情報配信システム」「決済システム」のノウハウなどをNTTドコモが提供。その一方で、電子コンテンツの収集・提供や、グループ会社のリアル書店(丸善、ジュンク堂、文教堂)、およびオンライン書店(bk1)との連携・協力などを、出版業界に知見のあるDNPが主に担う形だ。

 NTTドコモでは、同サービスをスタートするにあたり、数多くの工夫をコンテンツに凝らしてきた。今後スマートフォンは搭載OSや画面サイズなど、その種類も増えていくため、それぞれの端末に最適化された状態でコンテンツを提供していく必要がある。また専用端末でも、いわゆる「iPad」のような液晶タイプと、「Kindle」のような電子ペーパータイプでは読みやすいコンテンツも変わってくる。「同じコンテンツを提供する場合でも、端末によって画角などの仕様が異なるため、あらかじめ複数のパターンを用意して、コンテンツをダウンロードしてもらう形を想定しています」と船本氏は言う。

 さらにコンテンツは幅広い分野を取りそろえ、ユーザーの選択肢を増やしていくという。たとえばマルチメディア機能を活かせる端末では動画・地図などを多用したり、文字中心となる端末では縦書きの日本語フォーマットや見やすいフォントなどを採用して、しっかり読んでもらえるように工夫していく。

 また、ユーザーの選択肢を増やすという意味で、様々なコンテンツを取りそろえるだけでなく、フォーマットも電子コンテンツとペーパーの共存を目指すという。同社とDNPは共同でハイブリッド型書店の実現を目指すとしており、船本氏は「電子コンテンツとペーパーが需要を食い合うのではなく、それぞれ共存する形での展開を考えている」とコメントしている。前述のオンライン書店「bk1」などと連携し、紙の書籍と電子書籍をハイブリッドに提供することによって、若者から高齢者までの幅広いユーザー層に対応していくそうだ。船本氏は「NTTドコモのユーザーは年齢層が幅広いため、なるべく多くのお客様に楽しんでもらえるコンテンツを提供したいと考えています」と今後の抱負を語る。NTTドコモが電子書籍やハイブリッド型書店をサポートすることで、コンテンツプロバイダーにとっても、安心して事業を展開できる意義は大きいだろう。

 「CEATEC JAPAN 2010」では、NTTドコモブース内で来場者が一足早く同サービスを体験可能なコーナーが設置される。文字を自由に拡大できたり、クリックするとさまざまなリンク情報が得られるなど、電子化のメリットを最大限に活したコンテンツを実体験できる点が見どころとなっている。
《井上猛雄》
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