富士通、次世代スーパーコンピュータ“京(けい)”を出荷開始……理研に納入 | RBB TODAY
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富士通、次世代スーパーコンピュータ“京(けい)”を出荷開始……理研に納入

エンタープライズ ハードウェア
計算機室に設置される次世代スーパーコンピュータ(イメージ図)
  • 計算機室に設置される次世代スーパーコンピュータ(イメージ図)
  • システムラック(プロトタイプ)
  • SPARC64 VIIIfx
  • インターコネクト接続イメージ(模型)
 富士通は28日、次世代スーパーコンピュータ(愛称「京(けい)」)の出荷を開始した。出荷されたコンピュータは、兵庫県神戸市にある理研の計算科学研究機構に納入され、2012年秋の供用開始を目指して設置・調整が行われる。

 「京(けい)」は、文部科学省が推進する「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築」計画のもと、富士通と理化学研究所(理研)が共同で開発・製造を行われた。超高性能CPU(中央演算装置)を搭載した800台以上のコンピュータラックや超大規模接続が可能なネットワークなどから構成されており、コンピュータ本体の製造は、富士通のコンピュータシステム基幹工場である富士通ITプロダクツ(石川県かほく市)にて行われるとのこと。

 「次世代スーパーコンピュータ」のCPUには、富士通が自社開発した「SPARC(スパーク)64 VIIIfx」を採用。「SPARC64 VIIIfx」は1CPUあたり128ギガFLOPSの高い計算能力を持つと同時に、メインフレームの高信頼技術を継承。さらに1CPUあたり従来比3分の1となる低消費電力を兼ね備え、処理性能が1ワットあたり2.2ギガFLOPSという世界最高クラスの消費電力あたり性能を持つ。また、「次世代スーパーコンピュータ」では、8万個以上のCPU間を相互に接続するネットワーク(インターコネクト)として、6次元メッシュ/トーラスという世界初の斬新なトポロジーを持つインターコネクトが開発された。これにより複数の処理をプロセッサ群に柔軟に割り当てシステムを有効利用できると同時に、一部が故障しても故障個所を回避してシステム処理を継続できる仕組みを備えた。

 富士通は、「次世代スーパーコンピュータ」プロジェクトに2006年の設計段階から参画。「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)」は、このプロジェクトを進化・発展させた、文部科学省の施策となる。従来の開発側視点から利用者側視点に転換し、多様なユーザーニーズに応える革新的な計算環境を実現するために、(1)引き続き世界最高水準を目指した「次世代スーパーコンピュータ」を開発・整備するとともに、(2)「次世代スーパーコンピュータ」と自律分散する国内のスーパーコンピュータをネットワークで結び、多くのユーザーが利用でき、データの共有や共同分析などを可能とする環境の構築を目指す。
《冨岡晶》
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