早大や日立ら、複数組織間での情報流通を可視化・追跡する技術を開発 〜 漏洩経路を特定 | RBB TODAY
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早大や日立ら、複数組織間での情報流通を可視化・追跡する技術を開発 〜 漏洩経路を特定

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 早稲田大学、岡山大学、日立製作所、日本電気、NECシステムテクノロジーは30日、業務委託などにより複数の組織間で共有する電子ファイルや印刷物などの、情報漏えい対策技術を共同で開発したことを発表した。

 複数の組織間で情報を共有する際、電子ファイル、印刷物にかかわらず、共有する情報がどの組織から漏えいしたのかを追跡できる「来歴管理技術」を開発した。「来歴管理技術」は、PCやサーバ、複合機などに情報の所在を管理するソフトウェアを組み込むことで、既存の機器を置き換えることなく、組織間での情報の流通経路を可視化する技術。また、流通経路の適切な管理を行うため、経路情報の改ざんを防止しつつ、これらに含まれる承認経路や従業員情報など、相手組織に開示したくない情報を隠すことのできる「グループ電子署名技術」、さらに、従業員が別の組織へ異動した際、生体情報も安全に移行することのできる「テンプレート保護型生体認証技術」も開発された。

 「来歴管理技術」では、紙へ情報を埋め込む電子透かし技術を用いて、紙一枚一枚に識別情報を付与するプリンタドライバを開発。さらに、既存の複合機やシュレッダなどと連携するソフトウェアを開発したことで、どの紙が印刷、複写、スキャン、廃棄されたかを管理することができるようになった。また、既存のプリンタ、複合機などを置き換えることなく使用することもできる。「来歴管理技術」ではDRM(Digital Rights Management)などの通常の暗号化のシステムではなく、組織の情報管理者が電子文書にあらかじめアクセス権を一元管理できるように暗号化を施すことで、文書作成者自身による不注意や故意での情報流出を防ぐ。「グループ電子署名技術」では署名者の所属グループ単位で認証を行うことにより、署名者に関する情報の漏えいを防ぐ。通常の電子署名と比較して、計算量が多く、処理時間を要するものの、今回、専用ハードウェアおよび高速なユーザー失効処理手法を開発し、実用レベルにて利用可能としたという。そして「テンプレート保護型生体認証技術」では生体情報をサーバ上で管理した。この技術における安全性評価方法の標準化を、国際電気通信連合電気通信標準化部門第17研究委員会(ITU-T SG 17)に提案し、標準化項目として採択されたという。

 今回開発された技術により、複数の組織間にて業務を行っている際、万が一、情報漏えい事故が発生した場合においても、どの組織から情報が漏えいしたのかを迅速に特定でき、情報漏えいの拡大などの二次被害を最小限に抑えることが可能となるという。なお本技術に関しては、12月1日〜3日にかけて、早稲田大学 西早稲田(旧大久保)キャンパスにて実証実験が行われる予定。
《冨岡晶》
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