映像ソリューションの入力から出力までを揃える——ニコンがヘッドマウントディスプレイ型AV製品
UPは、密閉型ヘッドホンをベースに小型のディスプレイを搭載したAV機器。ディスプレイは0.44型で640×480ピクセル、1,677色表示。密着複層型DOEレンズを採用することで、1メートル先の17型ディスプレイに相当する大きさの画像が見える。
映像は、PCにダウンロードしたコンテンツをUPに転送するか、無線LANでインターネットに接続することでストリーミングのコンテンツも楽しめる。UP向けのコンテンツ配信サイト「UPLINK」を用意する。再生できる映像フォーマットは、MPEG-1、MPEG-2、Windows Media Video 9(DRM10対応)。音楽はPCに接続し、UPに転送することで再生できる。MP3、Windows Media Audio 9(DRM10対応)、AACに対応。そのほかに、Webブラウザの機能も搭載する。
重さは約385g。電源は単三電池2本で連続再生時間は動画が約120分、音楽が270分となっている。バッテリーは、三洋電機のエネループが2本と充電器が付属する。
UPは「UP300x」と「UP300」の2モデルを用意。UP300xとUP300の違いは、搭載メモリーとモーションセンサー、AV端子の有無。UP300xはメモリーが8Gバイトでモーションセンサーを搭載するが、UP300はメモリーは4Gバイトでモーションセンサーは搭載しない。価格はUP300xは69,800円、UP300は59,800円。
ニコン映像カンパニーマーケティング本部第一マーケティング部の加藤茂氏は、UPの特徴として「オールインワン・デザイン」「リトラクタブル・メカ」「高画質&高音質」の3点を挙げた。
UPはヘッドホンとディスプレイを一体化しており、ケーブルが一切ない。これがオールインワン・デザインにつながっている。リトラクタブル・メカとしては、ディスプレイが自由に移動できることにある。音楽だけを楽しむときはUPの上部にセットすることですっきりする。また、ディスプレイ部を回すことで右目はもとより左目で映像を楽しめる。高画質としてはディスプレイが0.44型にも関わらず、640×480ドットを実現したところにある。高音質としては、40mmのドライバーユニットを採用し再生周波数帯は3〜25kHzと広いことがあげられる。
ニコン取締役兼専務執行役員映像カンパニープレジデント木村眞琴氏は、「まずはUPのニーズを探索し、マーケットを作っていく段階。ハードウェアの拡大を見て、コンテンツも拡大する」とする。「事業の数字を定めていない段階」とするものの、2013年には世界で30万台を販売する計画だ。
ニコンのコンシューマー向け製品は、ほとんどがカメラであり、“映像の入力”に当たるデバイスだ。しかし今回発表したUPは、映像を出力するデバイス。ニコン執行役員映像カンパニー開発本部長の風見一乃氏は、UPを「ニコンが発売する初めての出力デバイス」とする。ニコンは、写真が共有ができるサービス「my Picturetown」を提供している。デジタルカメラからmy Picturetownに保存をして、UPで楽しむという流れを「入力から出力までのソリューションができあがった」とした。
また木村氏は、「フィルムの時代は、カメラの仕事はフィルムに光を当たるだけだった。デジタルの時代ではどのように伝えるかが期待される。そのため、もっと事業の領域を広げ写真を撮った後の楽しみを提供していきたい。これを実現するためにいろんなハードウェア、サービス、ソフトウェアを展開する。UPはその一環だ」とする。今後も、映像を出力するハードウェアを発表していく計画だ。
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