【インタビュー】いよいよフローベースの管理技術が必要な時代に——Sable Networks

2007年9月19日(水) 21時49分
Sable NetworksのCTO兼バイスプレジデントのGeoffrey A.Mattson氏の画像
Sable NetworksのCTO兼バイスプレジデントのGeoffrey A.Mattson氏
日本支社長の佐藤元嗣氏の画像
日本支社長の佐藤元嗣氏
時代はフローベースの管理が必要になってきているの画像
時代はフローベースの管理が必要になってきている
時代はフローベースの管理が必要になってきているの画像
時代はフローベースの管理が必要になってきている
Sable Networksのコントロールソリューションの画像
Sable Networksのコントロールソリューション
Sable Networksのコントロールソリューションの画像
Sable Networksのコントロールソリューション
自社開発のASICによって高速処理を実現の画像
自社開発のASICによって高速処理を実現
製品ラインナップの画像
製品ラインナップ
 1999年に設立された米Caspian Networks。フロールーティング管理をアピールしていた同社はSable Networksとして生まれ変わった。本社は米国カリフォルニアのサンタクララにあるが、アジア地域をターゲットに事業強化をはじめている。RBB TODAYでは、数年前にも米Caspian Networksのフローステートルータやそのエントリーモデルなどを紹介しているが、今回はSable NetworksのCTO兼バイスプレジデントのGeoffrey A.Mattson氏と日本支社長の佐藤元嗣氏が編集部のインタビューに応えてくれた。

——Caspian Networksとの関係から教えてください

Caspian Networksは1999年にベンチャー企業として設立されました。大きな目標は新しいルーティング技術としてフローに注目し、フローベースのルータを開発するというものでした。フローの管理技術を製品に実装するのが非常に難しかったため300億以上のベンチャーファンドを使って開発したんですが、それに対するリターンがなかなか現れかったんです。当時はルーターのマーケットは他社に占有されていましたし、新しい技術がVC側に理解されなかったのです。ビジネスとしてのビジョンも伝わりにくかったと思います。しかし、実際にはフロ−制御の技術自体はCaspian Networks時代にニーズとして挙がってきてましたので、その技術をなんとか次世代のインターネットに残さなければならないと開発エンジニアたちは思っていました。また、日本、韓国には既存のユーザーがいたので、既存のユーザーに対してどうサービスを継続していくかという問題もありました。これらのことから、Caspian Networks時代のエンジニアを中心に作ったのがSable Networksなんです。

——今回の来日の目的は?すでにパートナーシップは結んでますか?

技術プレゼンテーションを行いながら新しい商談の機会を探っています。もちろん既存の顧客に対しては、アップデート情報を提供しますし、すでに4社の代理店とも契約してます。

——御社の製品はどんなところにフォーカスしているんですか?

帯域からすると10Gからテラビット級のインフラをもった顧客。これはキャリア対象になります。そこでは、いかに帯域を管理、モニタリングしていくか? マネージメントしていくか? といった要求がでてくるだろうと考えています。我々は、今までのパケットではなくフローを単位とした管理ソリューションを提供しようとしています。

——それはどういったものですか?

インフラ技術の変遷を見ますと、70年代というのはサーキット(電話)に代表されるような回線交換の時代でした。それが80年になってATM、フレームリレーという技術が登場し、パケットベースに移っていきます。我々の理解としては、(トリプルプレイという言い方がありますが)ビデオストリーミングだとかIPTVであるとか、マルチメディアのサービスに対するネットワーク管理は、従来のパケットベースのものではできないと考えています。帯域を有効活用するためには、フローベースでプラットフォームをモニタリングしながら帯域を保証したり管理したり、各帯域に対してポリシーを作ってマネージメントしたりということを行っていくことが必要です。

——NGNでは必要になる技術であると

そうですね。われわれのターゲットは、日本、韓国、中国という3地域に限定してます。これは何故かというと、それらの国がブロ−ドバンドの先進国だからす。ヨーロッパやアメリカの場合は、ブロードバンドといっていても、ギガ単位やテラ単位ということはもっと先の話なんですよ。日本、韓国にはいろんなアプリケーションがあって、キャリア側の管理技術が必要になると考えています。NGNになると、当然、いろんなサービスのフローというのがでてきます。QoSの機能は必要でしょうし、IPv6をベースにしたネットワークが近い将来でてくるでしょうし、そこに対しても我々はソリューションをもっています。

——フロー技術について、もう少し教えてください

ある1人のユーザーがオンデマンドでビデオを観ていたとしましょう。そこへ電話がかかってくるかもしれないですし、また一方ではパソコンを使ってウェブサーフィンをするかもしれない……いろんなタイプのサービスを1つのブロードバンドでやろうとした時、ストリーミングが流れているときに電話がかかってきて映像が乱れてはサービスにならない。それを、フローという考え方でサービスを管理することで、すべてのサービスをスムーズが流すことができるようになります。マクロフローというインターネットを流れる最小単位にはいろんな情報があります。このトラフィックはどこに届くものなのか?というデスティネーションアドレス、IP電話ならIP電話の特性をもったパケット、ストリーミングならその大きさなど、細かい単位で全て制御することによっていろんなことが可能になります。

——現状、フロー制御技術を提供しようとしている会社は他にない?

ハードメーカーとしてはトライしたところはあります。日本のメーカーは過去全部トライしていると言っていいでしょう。しかし、こういう技術を製品に実装するのはかなり難しいですし、これまではまだ必要な時代ではなかったということもあります。普通、細かいフロー単位で管理していくとなるとパフォーマンスは低下し、一方でハイパフォーマンスを要求すると細かい単位までのチェックが難しくなります。我々の製品はその両面をサポートした製品なのでユニークな位置づけにあると言えます。

——中国とか韓国で導入実績があると聞いてますが

韓国DACOM社、SKnetworksなどです。一部トライアルというところもありますが、すでに技術に対して同意を得ております。またETRIという韓国の政府系の機関は、次期製品技術を開発する技術パートナーという立場になっています。中国の場合は、キャリア市場であればCHINA UNICOM、CHINA MOBILE、CHINA TELECOMという3つの大きな会社とその子会社との関係が挙げられます。中国は急激にユーザが増えていますので、キャリアサイドで各ユーザのトラフィックをきちっと管理する必要があります。韓国の場合は、事情が少し違っていてオンラインゲーミングやビデオストリーミングなどマルチメディアのアプリケーションが商用化されていますので、そういうアプリケーションを使うユーザに対してどのように帯域を管理していくかというところにニーズがあります。

——製品ラインナップについては

11月にS20という20Gのローエンド製品をリリースします。このほか、ラインナップとしてはすでにS80とS240と製品があります。Caspian Networks時代から継承されている既存の製品ですね。QoSという帯域制御技術は本来ATMの技術でしか実現できなかったんあですが、それをIP上でATMと同じような帯域制御ができる製品という意味でも注目されています。また、自社開発のASICによって非常に高速処理が可能になっています。ラインカードあたりの処理能力は、1秒間に数百万フローを処理できるのが特徴です。

——キャリアとはどのような段階にあるのですか?

NGNというのはいろんなフェーズがありますから、どこでこの技術が必要になるかをお互いに見定めているところです。トラフィックの管理技術としては一番実現性の高い技術だと評価をいただいているところです。

——ライバル企業はありますか?

それを言うのは難しいですね。というのはシスコさんに代表されるメジャープレイヤーは将来同じものを出すと言っています。しかし、今彼らはその技術をもってませんし、それは彼らのメインストリームではないんですね。我々はこの技術をもった製品がメインビジネスですから、一概にコンペティターとは言えないのです。フロー制御をする製品技術でいえば、10Gのラインスピードで処理できる能力を見た場合には世の中にコンペティターはいないでしょう。フロー制御の技術をASICの実装するだけでも300億以上使っているものですから、ベンダーがいい技術を作ろうとした場合にはそれ以上の投資が必要になるでしょうし、将来はコンペティターはでてくるだろうが、今日現在はライバルはいないですね。
《RBB TODAY》
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