突撃レポート!(後編)——横浜のWiMAX実証実験は新局面に!
日本アルカテル・ルーセント社BWA Sales and Marketing マネージャーの鈴木春菜さんは、このように説明する。
編集部が現地を訪問した時、FOAという新たな局面にはいる時期に遭遇した。FOA(First-Off Application)とは、新しいフィーチャーが実装されたリリース前のアプリケーションで、世界に配布する前にフィールドテストを行うためのもの。メーカーにとってはフィールドテストにおいて貴重なデータをいち早く入手でき、テストする側は世界に先駆けてより知識を深めていくと同時に実際の商用化に近づいていく状況を確認することができるなどのメリットがある。今回のバージョンはギリシャ、カナダと、ここ日本の3か国でテストされている。当然、First-Off Applicationに対する仏アルカテル・ルーセントの期待度も大きく、本社から4名の技術者が来日し、共同で実験にあたっている。そのとりまとめ役が、前編で登場したFirst-Off Application ManagerのEric SALOMON氏というわけだ。
SALOMON氏は
「グローバル(3か国)で提供しているソフトのパフォーマンスは同じですが、現地のリクエストによって内容は若干異なります」「(実験環境としては)ギリシャでは、アテネで実施しているので、横浜と同じような都市環境。ただし昔ながらの都市なので高いビルは横浜ほど多くないですね。逆にカナダは郊外で実施しているため、もう少し低いビルしかなく、ビル間の間隔も広い。電波にとっての立地条件としてはカナダのほうがいいでしょう」などと話した。
また、今回のFirst-Off Applicationのキーとなるフィーチャーについて小松氏は次のように説明した。
「大きく違うのはダウンリンクのモジュレーションが最高16QAMから64QAMに変わることです。これまでダウンリンクのスピードが3.6Mbpsとかでしたが、64QAMというモジュレーションを使って5Mbps程度までいくことを確認します」。
また、ビームフォーミングにも注目している。
「これまでは端末から基地局への電波の届き方が結構ボトルネックになっていた。端末の電波をいかに基地局がキャッチするか、これが結構キーになってきます。よりクオリティーの高い電波を掴むという意味ではアンテナ技術を使う手段があります。これからやろうとしているのは、端末へ向かってビームを絞るビームフォーミング。放送の場合だと基地局から強い電波を送ればいいんですが、IPでは双方向通信になるので、上りがダメだと通信は成り立ちません。ビームフォーミングはこれを解決する手段の一つと考えています」
これに伴いアンテナの配線も異なってくる。アンテナには4本のエレメントが搭載されているが、従来は2本のフィーダーケーブルしか使用されておらずRFモジュールも2つだった。これが4つに増えることでビームフォーミングが可能になる。この状態は、編集部が以前紹介した横須賀YRPでの実験でも触れたが、ビームフォーミングの実験がいよいよ本格的な段階に入っていくことになる。
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