ロードバランサーではなくアプリケーション・デリバリー・コントロール——F5新製品

2007年2月28日(水) 20時16分
F5ネットワークスジャパン 代表取締役社長 長崎忠雄氏の画像
F5ネットワークスジャパン 代表取締役社長 長崎忠雄氏
F5 Networks Director, Product Management Jasonの画像
F5 Networks Director, Product Management Jason
WebAcceleratorの優位性の画像
WebAcceleratorの優位性
F5ネットワークスジャパン シニアプロダクトマーケティングマネージャー 武堂貴宏氏の画像
F5ネットワークスジャパン シニアプロダクトマーケティングマネージャー 武堂貴宏氏
TMOSの特徴の画像
TMOSの特徴
BIG-IP v9.4 / 8800の提案価値の画像
BIG-IP v9.4 / 8800の提案価値
 F5ネットワークスは2月28日、新製品として、BIG-IPの最新ソフトウェア「BIG-IP v9.4ソフトウェア」、「WebAcceleratorモジュール」、最上位機種となる「BIG-IP 8800プラットフォーム」の3種の新製品を発表した。BIG-IP v9.4ソフトウェアとWebAcceleratorモジュールは同日発売開始、BIG-IP 8800プラットフォームは2007年夏に国内販売を開始する予定。

 まずあいさつを行ったF5ネットワークスジャパンの代表取締役社長、長崎忠雄氏は、「約2年半前にv9.0を日本市場にリリースした際、直前のバージョンはv4.5だった。番号が大きく飛んだ最大の理由は、“もはやロードバランサーではない。今後F5はアプリケーション・デリバリー・コントロールを実現していく”というのが理由だ。今回、それ以後初のメジャー・バージョンアップとなるv9.4をリリースする」と製品の位置づけを明確にした。

 また、直近の業績についても紹介し、「2006年度決算は年間で40%成長。直前の四半期では、過去最高となる売上高1億17,00万ドルを達成」「米国・ワールドワイドでは、アプリケーション・デリバリー・コントロール市場でシェア・トップとなる34%を獲得。日本ではL4〜L7の市場で約29%であり、2年連続でシェアトップ」といったデータを紹介した。さらに、この成果について同氏は、「F5が目指している方向とマーケット・ニーズの方向がうまく合致しているのではないか」との分析を示し、企業戦略/方向性が支持を得ているとの自信を見せた。

 続いて登壇した米F5 Networkのプロダクト・マネジメント担当ディレクターのジェイソン・ニーダム氏は、個々の製品の詳細について説明した。

 同氏は「ネットワークはアプリケーションのために存在する」と語り、企業ユーザーにとってネットワーク・アプリケーションの実効性能を向上させることが極めて重要だという。

 この部分に直接かかわる新製品が、WebAcceleratorモジュールだ。Webアプリケーションの高速化を強く意識した製品で、Webアプリケーションの実効パフォーマンスを、データ圧縮では実現不可能なレベルで向上させ、3〜5倍の性能向上を実現するという。IBR(Intelligent Browser Referencing)と呼ばれる高速化技法によって実現しているが、中でも中核となるのは、動的に生成されるWebアプリケーションの画面を細かな単位で解析し、変化した部分を最小限の範囲で更新することで、重複したデータ転送を避けるという「ダイナミック・キャッシング」と呼ばれる技術だ。これは、特許取得済みの独自技術だという。

 また、BIG-IP v9.4ソフトウェアの改良ポイントは、「運用管理の効率化」と「アプリケーション・アップタイムの向上」だ。

 運用管理の効率化では、新たに「管理ドメイン」という概念が導入されており、管理対象を細分化し、明確に分離できるようになった。これは、仮想化サーバ普及への対応策でもあり、BIG-IPに接続されたサーバ上で複数の仮想サーバが稼働しているような状況で、それぞれの仮想サーバに専用のBIG-IPが接続されているかのような個別管理を可能にする。

 アプリケーション・アップタイムの向上では、アプリケーションのヘルスチェックをより緻密に行うための「アプリケーション・モニタ」が追加され、IBM Websphereやファイルサーバ(SMB)の監視機能が強化されている。この点について、F5ネットワークスジャパンのシニアプロダクトマーケティングマネージャーの武堂貴宏氏は、「信頼性を向上させるためには停止しているアプリケーションに帯域を割り当てないことが重要で、そのためにはアプリケーションの動作状況を正確に把握する必要がある」と説明している。

 同社のフラッグシップとなるBIG-IP 8800は、従来機種の8400と外観が同じだが、内部構造は全面的に刷新されているという。現在はアプライアンス型製品として提供されているが、将来はシャシー型に展開し、ベースシャシーにブレード・モジュールを差し込んでいく形の製品を投入する計画だという。BIG-IP 8800はそのための第一歩となる製品だといい、内部構造がシャシー型を意識した設計となっているようだ。

 最大の特徴となっているのはパフォーマンスの大幅な強化で、10Gbpsでのアプリケーション配信(L4制御)を実現する性能があるという(L7制御では8Gbps)。これを実現している技術が、OSとなるTMOS(Traffic Management OS)と、CMP(Clustering Multi Processing)である。急速に普及しつつあるマルチコア・プロセッサを利用し、8800ではデュアルコア・プロセッサ×2で4コアを並列動作させている。同時にOSも4インスタンスの並列動作で処理を行っており、コア数の増加に比例してリニアにパフォーマンスを向上できる構造になっているという。
《渡邉利和》
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